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オーダースーツの生地って、何を基準に選べばいいの?

 ひとことでオーダースーツといっても、聞きなれない生地ブランドがずらりと並び、どれも品質が良いと言われ、いったい何を基準に決めたらよいのか迷いませんか?

 LOUIS TAILORなりの答えはズバリ「どれも品質が良い」です。この記事を見られている方からすると、「いやいや答えになっていない」と思われるかもしれませんが、どこのブランドも品質を謳い本気で生地を作っていますから、当然と言えば当然なのです。

理由のひとつに生地の産地あり

 というのも、例えばスーツといえばイタリアが有名ですが、イタリアの生地ブランドのほぼ全てが、ビエラ地方という地域で生産されています。アルプス山脈のふもとに位置し、山と丘が多い自然の中、とにかく豊かな水に恵まれています。加えてビエラの水は超軟水であるため、生地に柔らかな風合いが出ます。つまり生地において水はとても大切な要素なのです。こういった理由から、このビレラは、世界の高級服地を生み出す、有名ブランドがずらりと並ぶ一大産地となっています。

 じゃあ何を基準に選べばいいの?というところですが、もちろんまずは、好みです。これに勝るものはございません。
 ただそれだけでは判断のしようがない場合もあるかと思いますので、3つのポイントを挙げてみたいと思います。

1.着用する時期や場面

 春夏物や、秋冬物がありますので、まずいつ着るのかが重要です。オールシーズンもありますので、合わせてご検討いただければよいと思います。春夏か秋冬か時期によって、またカジュアルなのかフォーマルなのか場面によって選ぶ生地は変わってきます。

 例えばリネンのジャケットであれば、涼しげで春夏にはよいですが、フォーマルな場面では着づらいですよね。

2.ウールのSUPER表記

 これは国際羊毛機構(IWTO)の定めたウール生地のみの表記ではありますが、オーダースーツと言えばウールは醍醐味だと思いますので、それを前提にお話しいたします。
SUPER 〇〇’Sとは、原料の繊維の細さの単位のことで、数字が上がるほど細くなります。

 SUPER 90’sより、SUPER 100’sの方が糸を構成している繊維が細いということになります。ただし、あくまでも原料の細さであり、糸そのものの細さではないのでご注意ください。

 糸の紡ぎ方や生地の織り方などによっても変わっては来ますが、基本的にSUPERの数字が高い生地ほど、軽くて発色がよく、光沢感もあり、肌触りが滑らかになります。

※この表記が確実な指標になるわけではないのでそこだけはご注意ください。例えばかの有名なゼニアでは、SUPERの表記を行っていません。何故なら、数多くの柄を展開するにあたり、糸の太さ、織り方変えることで変化を生んでいるからです。つまり高品質であっても、SUPERの表記ができない理由があるわけです。

3.生地の重さ(目付け)

 これは1番でも述べた季節にも関係があるのですが、生地のブックには「200g/m」といった表記があり、1平方メートル当たりの生地の重さを表しています(もしかしたら表記のないお店もあるかもしれません。)。当然、数値が高いと、重い生地=秋冬用、低いと、軽い生地=春夏用となります。

以下が業界で言われている季節に対しての生地の重さの目安です。

オールシーズン250g/m程度
春220g/m~260g/m
夏~240g/m
秋240g/m~300g/m
冬260g/m~

 オールシーズンは便利ではありますが、あまり集中的に頼りすぎると生地の傷みが早いので、そこだけはご注意ください。ちなみに、今回はあくまでも生地だけに焦点を当てていますので、もちろんTPOなどによって色見や、柄なども判断基準になります。以上になりますが、少しでも生地を選ぶ際のご参考になれば幸いでございます。


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