2024年、パンデミック条約調印まで感染症騒ぎは続く
いちおう報道はされているものの、目立たない、もしくは一般人には難しくて理解できないニュースというものが世の中にはあり、実はそれこそが今後の世界的な枠組みづくりに触れたものだったりします。
これから解説する世界保健機関(WHO)が主導する「パンデミック条約」もそういった類の話です。
※政治的な話なので、結構ながい記事になります。
この会合では、新型コロナウイルスのパンデミック初期の対応において世界各国の連携が不十分だった教訓を踏まえて今後の感染症対策が議論されました。議論の中で欧州連合(EU)やアフリカ諸国、米国や日本などが協議機関の設置を提案し、それが決定されたといいます。
これまでWHOの感染症対策は「国際保健規則」に基づいて行われていましたが、以下のような問題点があったそうです。
条約を定めた後には、こうなることを目標としていると。
例えば、喫煙による健康被害の防止を目指した2003年の「たばこ規制枠組み条約」は、WHOでの議論のすえ条約が作られたという経緯があります。
そして、WHOのテドロス事務局長は、会合の締めとしてこのように結んでいます。
まだ殆どの人に知られていないであろうこの条約を提案したのは、欧州諸国をはじめとした世界25カ国の首脳と、欧州連合(EU)大統領、世界保健機関(WHO)事務局長の27人です。
彼らは、コロナ禍のようなパンデミックや健康上の緊急事態には、一国では立ち向かうのは不可能であり、コロナウイルスの危機を終わらせ、また同じような悲劇を繰り返さない仕組みづくりが欠かせないと主張。そのために、世界的な連帯が必要だと訴えています。
彼らが具体的な取り組みとしてあげているのが、以下の項目です。
▼提案のきっかけとなったイベント出席者にはあの人の名前も
上記の声明に先立つ2020年4月下旬、WHOのテドロス事務局長、フランスのマクロン大統領、デア・ライエンEU欧州委員会委員長、そしてビル&メリンダ・ゲイツ財団が共同でイベントを開催していました。
時期としては、WHOがパンデミック宣言をしてから約1ヶ月後のタイミングになりますね。
*日本語訳:新型コロナウイルスに対するアクセスを加速する取り組み
この取り組みに参加するのは、WHOやビル&メリンダ・ゲイツ財団を筆頭とした複数の団体。政府、科学者、企業、ゲイツ財団のような団体の力を一つにまとめてパンデミックを収束させることを目指す枠組みとされています。
ビル・ゲイツ氏とWHO、ワクチン産業との長年に渡る関係については以下の記事をご覧ください。
これらの動きがあった2020年の12月には、ミシェルEU大統領が国連総会でパンデミックに対応する国際条約を提案。まずはEU加盟国が、2021年2月にはG7諸国が、国際的な保健協力を強化する条約の可能性を支持しました。
ちなみに、G20の主要メンバーであるアメリカ、日本、ロシア、インド、ブラジル、そして、コロナ発祥の国とされる中国の首脳は、この声明への署名を見送っています。
▼パンデミック条約による具体的な施策
では、条約が調印された後は、具体的に何が行われるというのでしょう?
・ワクチン接種がさらに推進される
・WHOの権限が強化される
この2点に関しては報道の端々からも知ることができますが、さらに具体的な施策についても、2021年7月の読売新聞の記事中で述べられていました。
これは、「パンデミックの備えと対応に関する独立パネル(IPPPR)」という組織から提出された「COVID‐19:Make it the Last Pandemic(新型コロナ:最後のパンデミックに)」と題された報告書の中であげられている勧告から分かります。
1. 地球規模の保健脅威に備えた指導力の強化
国連やWHOの指導力・調整能力を高めるため、国連総会決議に基づく「地球規模保健脅威理事会」の設置と、「パンデミック枠組み条約」の制定を求める。
理事会は加盟国の代表によって構成され、公衆衛生上の緊急事態の際には専門機関の壁を超えて機能する。また、WHOが設定した対処方針やエビデンス、国際法の枠組みに照らし合わせて各国の対応を監督する役目を担う。
2. WHOの独立性、権限、資金調達に焦点をあてて強化
WHOの権限や独立性を強化するため、1期5年で2期まで務められる現状の事務局長の任期を、続投なしの1期7年に改める。
3. 国、地域、全世界の各レベルで機能する対応能力の整備
年ごとのパンデミック対策評価プログラムを各国で実施する。
4. 新たな流行監視、判断、警告のための国際システムの確立
人間だけではなく動物や環境まで対象を広げ、最新のデジタル技術を取り入れた地球規模の流行監視システムを構築する。
5. 検査器具や医療物資のための事前交渉型プラットフォームの確立
ACTアクセラレーター(COVAX*など)をより多くの人に利用しやすくする。
6. パンデミックに備えた、公共財のための高度な資金調達手段
最大11兆円を機動的に拠出できる仕組みを作る。
7. パンデミックに備え、最高水準の国際調整能力を各国が確立
各国のトップが任命するパンデミック調査官を創設する。
*COVAX:コロナワクチンへの公平なアクセスを目的としたグローバルな取り組み。Wikipedia
以上のように、WHOがこれまでより大幅に強化された指導力と権限をもって世界各国の感染症への対策をリードする方向性が示されています。
そうなると気になるのが、2番目にある「WHOの独立性、権限、資金調達」についてです。なぜなら、現状ではWHOの資金源はゲイツ財団に大きく依存するところが大きいからです。
▼WHOは誰のために働いているのか
国連の公衆衛生に関わる専門機関であるWHOは、その資金を拠出する加盟国によって運営される一方、民間の出資者にも大きく依存しています。
その1つがビル&メリンダ・ゲイツ財団で、WHOに対する最大の民間の出資者であり、財団からの拠出額はWHOの予算の約1割を占めて、2位のイギリスに次ぐものになっています。
さらに、4番目に大きな出資者である「GAVI アライアンス (ワクチンと予防接種のための世界同盟)」も、ゲイツ財団が他のパートナーと共に設立した機関なので、実質的にはゲイツ財団は1位のアメリカに次ぐ資金提供者としてWHOに影響力を与える立場にいるとも言えるのです。
そして、想像に固くないことではありますが、そのゲイツ財団と強い結びつきを持っているのが大手ワクチンメーカーです。
WHOがゲイツ財団のような民間の有力出資者に依存するとどういった懸念があるのか、米ジョージタウン大学公衆衛生研究所のゴスティン教授はこのように指摘します。
ゴスティン教授の言うように、国家による資金提供なのであれば、国民は自分たちの税金をWHOに拠出するべきかを精査するチャンスもあるのですが、ゲイツ財団のような民間財団からの資金がどう使われるかについては、口の出しようもないのです。
また、WHOの科学諮問委員会には、ゲイツ財団をはじめ大手ワクチンメーカー等から資金を受け取っている人物が混じっているという指摘も。
ちなみに、この8人の科学者への資金提供者は以下のような顔ぶれになっています。
・ビル&メリンダ・ゲイツ財団
・メルク&カンパニー
・GAVIアライアンス
・ワクチンアライアンス(ゲイツが出資するワクチングループ)
・BMGFグローバルヘルス科学諮問委員会
・ファイザー
・ノババックス
・グラクソ・スミスクライン
・ノバルティス
・ギリアド・サイエンシズ
▼中国の影響力もチラつく
コロナ初期の中国擁護の姿勢から「WHOは中国マネーに支配されている」とも言われていました。実際には、前出のグラフを見ると、米国やゲイツ財団に比べて中国のWHOに対する拠出額は多いとは言えません。
ところが、別の角度から見ると中国のWHOに対する影響力はまったく違ってくるのです。
エチオピア出身のWHOテドロス事務局長と中国との個人的な「仲」を指摘する声もあります。
それを裏付けるように、テドロス氏はコロナ発生国である中国を称賛する発言を何度もしています。
WHOだけではありません。どうやらゲイツ財団も中国とはさまざまな面で密接な関係をもっているようです。
実際のところ、その関係性はゲイツ財団より以前、ビル・ゲイツ氏がマイクロソフトのCEOを務めていた当時から続いているようなのです。
ゲイツ氏が中国の「頭脳」に注目(中国:1999年7月)|労働政策研究・研修機構(JILPT)https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/1999/07/chugokuP02.html
ゲイツ氏は2006年にテラパワー社を設立し、2050年に倍増すると言われるエネルギー需要に対応する新型小型原子炉の開発に取り組んでいますが、中国原子力公社からの資金援助を受けていたそうです。
▼「公衆衛生」を盾にWHOの権限が強まる意味
このまま、ゲイツ財団や中国、ワクチン業界の影響力が強いまま、世界各国がWHOの権限拡大を認める形でパンデミック条約を批准した場合、どんなことが起こるでしょうか?
すでに欧米諸国では、感染症の専門家の裁量によって数回のロックダウンが行われ、象徴的なところではコロナ対策を重んじなかった米トランプ大統領が政権の座を追われることになりました。
また、2021年夏からフランスを皮切りにワクチン接種認証(ワクチンパスポート )の義務化が市民の抗議活動を押し切る形で行われ、子供もふくめてワクチン接種の義務化、ワクチン未接種者に対する日常生活での制限や差別、職業選択の自由すら奪われる国さえも出てきています。
今後に予想される流れとしては、日本でも始まるデジタル化されたワクチン接種証明書を普及させることにより、世界規模での監視システムが構築されていくことになるでしょう。
表向きは「感染症対策」に限定されているものの、システムさえ作ってしまえば、技術的にはそれを利用して市民を監視・管理するために流用するのも容易と思われます。
例えば、日本ではワクチン接種認証と「マイナンバーカード」とを紐付けようという動きもありますし、政府はマイナカードと銀行口座、健康保険証とをリンクさせればポイントが配布するという特典まで付けて普及をはかろうとしています。
その他にも、WHO事務局長の任期延長、パンデミックに備えた巨額の資金調達など、私たち一般市民の声が届かず、マスコミもろくに報じないところで重要な物事が決められようとしているのです。
少し話はそれるのですが、国連SDGs(持続可能な開発目標)達成に向けた新たな資金源として「国際連帯税」の創設が検討されているのをご存知でしょうか?
すでにフランスや韓国では航空機の利用者に課税する「航空券連帯税」があるそうで、税収の一部は前述のGAVIアライアンスや、途上国の感染症対策などを行う「国際医薬品購入ファシリティ」(UNITAID)に拠出されているといいますが。
国連税ですか・・・。
日本では国連やWHO、ユネスコといった「国際機関」に対する信頼が高く、権威のある組織だと思われているようですが、こういった組織の権限が拡大することに大きな懸念をもたざるをえません。
全体主義国である中国や、医薬業界に利害関係の深い財団の影響力をバックにした、民主的な手段で選ばれたわけでもない「公衆衛生のリーダー」と組織が、国家の権力をも超えて、世界中の国民の生命・自由・権利をコントロールする力を持つことも意味するのですから。
「万民の健康」のためならば、民主主義も制限される。
すでにその兆候が欧米諸国で見えてきていますが、言ってみれば、それは全ての人の生活の基盤である「健康」を人質に取っているようなものです。
▼調印までのスケジュール
今後、独立パネル(IPPPR)の提言を施策レベルに落としていくため各国間で協議が行われていくわけですが、厚生労働省のサイトにはそのスケジュールも書かれています。
・2022年3月1日まで 政府間交渉会議(INB)の初回会合を開催
・2022年8月1日まで INBは新規国際文書の要素を検討、開催する第2回会合に草案を提出
・2023年5月 INBは第76回世界保健総会に進捗状況を報告
・2024年5月 第77回世界保健総会に成果物を提出
別の報道などを見ると、2024年5月の成果物の提出=条約調印のタイミングとされている記事もありました。その頃にはコロナ禍が終わっていると良いのですが、実際はそうもいかないようです。
2021年11月中旬の段階では、ビル・ゲイツ氏はコロナの死亡率や感染率について、2022年半ばには「季節性インフルエンザを下回る可能性がある」との見方を示していました。
ブルームバーグのインタビューの中で世界でのワクチン展開について触れた際、ゲイツ氏はこう言っています。
南アフリカで「オミクロン」と名付けられた変異株が出現したのは、その数日後のことでした。それ以降、主流メディアからはオミクロン株が今冬に世界的な大流行をもたらすという報道が相次いでいます。
この記事をまとめている12月中旬の時点では、欧州疾病予防管理センター(ECDC)によると、
ECDCはオミクロン株に感染したもほとんどは軽症か無症状だとしながらも、感染力の高さが指数関数的に感染者の増加をまねくリスクがあると指摘。
過熱していく一方のメディア報道を見ている限り、ゲイツ氏が語った前提はすでに崩れ去っている感があります。
さらに悪いことに、今冬は「先進国で死亡者が増える要素が目白押しになっている」という事情もあるのです。詳しくは以下の記事で解説しています↓
ちなみに、ワクチンメーカーであるファイザーは、このパンデミックは2024年まで続くと見ているようです。
2024年といえば・・・、ちょうど「パンデミック条約」が発効するタイミングに当ることになりますね。
それまで、絶えずコロナの恐怖が喧伝され続けるだけではなく、「グレート・リセット」または「第4次産業革命」と名付けられた社会変革が進むことになりそうです。
それが目的ですから。
このパンデミック条約を成立させるために、技術的な取り組みも始まっています。
WHO はドイツテレコムの子会社 T-Systems と契約し、 地球上のすべての人を QR コードのデジタルID にリンクするグローバルなワクチンパスポート・システムを開発しているそうです。
WHO のデジタルヘルスおよびイノベーション部門の責任者は以下のように語っています。
いずれ、コロナ以外の「別の予防接種キャンペーン」でも使えるものになるのでしょう。
例えば、サル痘に対するワクチン接種キャンペーンなどでも。
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