四半世紀のかたたまり

9/28
 あいにくだけど、ヘクトールのふりだしは私たちの延髄に植わっているよ。賭けに負けない強い心と、いわゆるBの水平にあてがわれた骨の向きは、多少なら657年の方へ送ってもいいと思う。

9/29
 明後日から、皮膚が剥がれてむき出しになった車が突如現れた。私の印はその底に仰向けになってめりめりと押し潰されていき、ある時点で執着を通過した。
 渦虫が羨望の眼差しで破壊されたとき、君の愛は砂壁に染みて散逸してしまった。薬の効果はまだ残っているけど、小さくなった石鹸が中々なくならなくて、焦ったい気持ちであの花車が来るのを待つんだ。

9/30
 架空の凧糸が月を引っかけてしまったみたいだ。折れた柵の欠片が風を形象するように揺れていて、まだ明るい靴の裏で落下し損ねている。
 ストラクチュアルな寝ぐらが、熱と歩みの速度を比較して、運針を見定めている。
 突然、

そうして僕らは通り過ぎて、 

9/31
 あれ。

9/46
     変な所に迷いこんでしまった。