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SOMPO美術館 モンドリアン展

2021.3.23~2021.6.6

桜が咲きあっという間に1年が過ぎた事を悟りました。日本に生まれた事の中で喜ばしき事の一つに四季の移り変わりが良くわかる事です。    暖かくなるとともに視覚的にも春の訪れが感じられる事は心も浮きだたせます。

さて、4月3日土曜日モンドリアン展に行ってきました。SOMPO美術館は旧東郷青児美術館のリニューアルしたものです。設計は大成建設が行っております。アルミの光沢さと独特のフォルムが新しい柔らかい一つの鉱石見たいです。

今回の企画は抽象画の巨匠モンドリアンになります。

オランダ生まれの本名ピート・モンドリアン。神智学に傾倒し、1909年にはオランダ神智学協会に加入しているそうです。神智学は、精神の世界を系統立てられている学問で人間の霊と魂の世界を説明しています。最近私も精神世界に対しての疑問が多く、神智学の本を読んでいるのですが、とても難しいです。哲学の一つのようです。

モンドリアンの抽象の原点は哲学的思想と聞いて納得しました。

Modrian展-2

※デステイルの家具類とともに。

初期は風景画を描いております。当時ヨーロッパでは印象派が台頭してきた時代です。モンドリアンにもその印象派の技法が見られます。

Modrian展-3_ダイフェンドレヒトの農家

※ダイフェンドレヒトの農家

パリに渡り、当時話題になっていたキュビズムの世界に触れて抽象を目指すようになります。

その当時の風景画にも単純化したフォルムで物象を捉える傾向が見れました。

Modrian展-7_ウェウトカペレノの灯台と雲

※ウェウトカペレノの灯台と雲

Modrian展-5_ドンブルグの教会

※ドンブルグの教会

このドンブルグの教会などは、新印象派のジョウジュ・スーラのグランドシャット島の午後のような点描に近いものを感じました。

Modrian展-6_ジョルジュスーラ_グランドシャット島の午後

キュビズムはピカソなどで有名です。代表作はアビニヨンの娘たちでしょうか。

Modrian展-14_アビニヨンの娘たち

Modrian展-9_ファン・グリス_ピカソの肖像

※ファン・グリス ピカソの肖像

キュビズムとは具象を多面的に捉える事をする技法です。絵画においては透視法などの面として立体感を見せる事が主流になっておりますが、ピカソはこの固定概念を覆す新しい試みをしております。元々人間は二次元に絵などで記録する際、独特の技法を用いておりました。例えばエジプトの壁画です。

Modrian展-12_エジプトの壁画

当時の人々は2次元の世界になんとか3次元の要素を入れようとしたのです。その結果、体は正面、顔は横を向いている像の技法になりました。

この古代の壁画はキュビズムと似た考えです。

モンドリアンがこの古代の壁画まで意識したとは思えませんが、パリでキュビズムに触発されオランダに戻った後、ドースズルフと芸術雑誌「デ・ステイル」を創刊します。その後生み出されたのがかの有名な「コンポジション」なのです。

Modrian展-10_大きな赤の色面、黄、黒、灰、青色のコンポジション

※大きな赤の色面、黄、黒、灰、青色のコンポジション

Modrian展-11_プラスとマイナスのための習作

※プラスとマイナスのための習作

極限まで物象の雑音をそぎ落とし、面と線で物事を捉え表現していく。モンドリアンの抽象はこの点にあります。

当時のデ・ステイルで有名なシュレーダー邸のビデオも上演されてました。前々からオランダに行った時は見てみたいなと思っていたのですが、引き戸のスライドレールまでコンポジションの線のようになっており、逆にモンドリアンの2次元の世界を4次元に起こし直した様でした。

Modrian展-13_デステイル_シュレーダー邸

※リートフェルト シュレーダー邸

売店でコンポジションの布カバンが売っていたので思わず購入しました。一つ一つが布のどの面を切り取るかで異なっていたので、類似品はないのと同じです。それが個性になってうれしいです。

Modrian展-15_コンポジションバック


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