本「コロナの時代の僕ら」
2020/07/20日記転記
パオロ・ジョルダーノ著/飯田亮介訳/早川書房
素粒子物理学を専攻しているイタリア人の著者が、コロナに対しての想いを書いたエッセイです。新聞への投稿が3月20日までであるので、イタリア全土での封鎖が行われている渦中に書かれているものであります。日本の緊急事態宣言は、2020年4月16日であります。1回の延長、5月7日から5月25日まで解除は行われました。であるから、それ以前の事となります。
彼が言うように、パンデミックは人類という共同体規模で考えなければいけない公衆衛生の訴求的対応が必要とされる緊急課題であり、政治家が例えであげた「戦い」という言葉は誤解を生みます。パニックを引き起こす源としてなりうる情報は発信者としては、このような事態の場合正確さが求められます。ウィルス(SARS-COV-2)がもたらす、コロナ(COVID-19)という病は、感染症としての経緯、感受性人口(Susceptible),感染人口(Intfectious) , 隔離人口(Removed)を生みます。ワクチンは、感受性人口から隔離人口へのバイパスになるがまだ作り出す事が出来ていません。筆者は、1972年「サイエンス誌」に記載された、物理学者 フィリップウォーレンアンダーソンの言葉「Move is different」すなわち「多は異だ」を挙げているが、地球規模で行っている数々の要因に対して、原因ではないが人類の行動が影響を与えている事が多く、このコロナ禍が納まった後、人々の忘却の事柄のリストに載った後も度々この感染症等の問題は起こる事であります。「隣人を愛せ」と言う他者への思いやり、想像力が人類というこの共同体として、やはり一番必要な事のようであります。
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