るんるんと内緒のコロリン
るんるんはちっちゃな女の子。
るんるんは赤ちゃんの頃からいつもニコニコで、ルンルンと楽しそうにしていたから
るんるんって呼ばれてる。
そんなるんるんは、ほかの誰も持っていない特別な宝物をもっているんだ。
それは、るんるんのちっちゃなちっちゃな手にすっぽり収まる小さな小さな小石。
お父さんやおかあさん、それと小学校の先生にも見せない、ルンルンのないしょの宝物。
ほかの誰が見たってきっと、そんなのただの石ころじゃんって言われるだろうけれど
でもるんるんにとっては特別なんだって。
ルンルンがお友達と一緒にケンケンパして遊んでいた時に、ふと目に入ったその石ころは、ほかのどんな石ころよりもまるで違って見えたんだって。
だってるんるんが持っている黒のクレヨンよりも真っ黒で、はじのほうの欠けたところなんてガラスみたいにキラキラツヤツヤと光っていて、すごく綺麗なんだから、他の石ころなんかとは全然ちがう。
真っ黒で丸っこくて、ちょっと欠けたところがキラキラと光る小石なんてきっと、他には見つからないもん。
だから、お友達に見つからないように、ないしょでこっそり拾ったんだって。
はじめに拾おうとした時に、おむすびころりんみたいにコロコロと転がったから、名前はないしょのコロリン。
こんな小石を持っているのは、世界中を探してもるんるんひとりかもしれない。
何となくざらついた小石の触りごこちも、キラキラしたところのツルツルスベスベした触りごごちも、このコロリンにしかないんだもん。
だからるんるんは、そのコロリンを大事に大事に、引き出しにしまって持っているんだって。
ときどきこっそり、引き出しから取り出して、見るたびに、やっぱりキレイだなーって思うんだって。
手のひらの上で転がしてみたり、キューっと握ってみたり、ザラザラした所や、ツルツルした所をさわってみたりするんだって。
そうして、今日あった楽しいこと、お父さんお母さんに叱られたこと、それと嫌なことがあった時にも、嬉しいことがあった時にも、るんるんはないしょのコロリンにお話しをするんだって。
コロリンはお話してくれなくても、るんるんのお話を聞いて、手の上や机のうえでゆらゆら揺れたりコロンと転がったりして、まるでお返事してくれているみたい。
それから、るんるんはどんどん大きくなって、学校へ行って、そのうちおしごとを毎日がんばるようになったんだ。
それでも、るんるんが大人になっても、コロリンはるんるんが小さかったころとなんにも変わらないで、いつもるんるんのそばにいるんだ。
るんるんはずーっとコロリンを大事にしている。
無くさないようにしてね。
そしてやっぱり、時々お話をする。
いつまでも、いつだって、コロリンはだまって聞いてくれて、それからやっぱり、ゆらゆら、コロンってお返事してくれるような気がするんだ。
コロリンはいつまでも、るんるんだけのないしょの宝物。
いつまでも、ないしょのないしょの、お友達。
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