ウクライナ国立バレエ(旧キエフ・バレエ)「雪の女王」
光藍社の You Tubeチャンネル KORANSHA TV で公開されていた「雪の女王」を観ました。
クリスマス時期に「くるみ割り人形」のバレエというのは、最早年末の「第九」のように定番だし、それもまた素敵だとは思うんだけど、冬に「雪の女王」というのもいいね!
…という私は今まで「雪の女王」というバレエがあることも知らなかったのですが…
これがなかなか素敵なバレエでびっくりでした。
このバレエの初演は2016年で、ウクライナ国立バレエの完全オリジナル全幕バレエなのだそう。初演当初はチャイコフスキーの曲も使われていたようですが、今上演されているのはロシア人作曲家の曲を使用しない改訂版。「スケーターズ・ワルツ」や歌劇「ジョコンダ」の「時の踊り」、歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲、「ペール・ギュント」の「アニトラの踊り」や「山の魔王の宮殿にて」といった耳に馴染んだ曲が使われているのでとても入りやすかった。
あと、アンデルセンの原作が有名だから、話も大筋では分かるんだけど、要所要所で字幕で説明が入っているのがとても分かりやすくて良かった。あの説明がなかったら「人に化けてるトロル」なんて分からなかったものね。
踊っている中で一番気に入ったのは、クロウとレイブン。すごく小気味よい踊りでした。黒い衣装も素敵だった。黒いトゥシューズなんてあるのねえ! 雪の女王も凛としててキレッキレでものすごくカッコよかったし、この3人が一番好きだったなあ。雪の女王は白いスレンダーなロングドレスがあまりに素敵だったので、ぜひ最後までそのままでいて欲しかったけど、氷の宮殿では白いチュチュになっちゃったのが少し残念。王子様ルックになっちゃったカイとのバランスの問題かなあ。この3人以外だと、ゲルダが少女らしくてとても可愛かった。カイは少年という青年だったね。あと山賊もカッコ良かった。
魔法の花園のお花の精(?)が色とりどりのチュチュだったり、雪の精が淡い水色のチュチュだったり、魔法の王宮の人々はロココ調だったりと伝統的なバレエの衣装もありつつ、街の人々とか雪の女王とかクロウとレイブンのようにこのバレエらしい衣装もたっぷりありつつで、視覚的にもとても楽しめました。
これはぜひ実物を鑑賞したいな。次回この作品を日本でやる時は絶対行くぞ!
2023年12月24日(12:00) 上演 ウクライナ国立バレエ(旧キエフ・バレエ) 「雪の女王」 全2幕
THE NATIONAL BALLET THEATRE OF UKRAINE THE SNOW QUEEN
ゲルダ:イローナ・クラフチェンコ
カイ:ニキータ・スハルコフ
雪の女王:アナスタシア・シェフチェンコ
魔法の花園の女主人:オレシア・ヴォロトニク
クロウ(魔法の王宮の廷臣) アレクサンドラ・パンチェンコ
レイヴン(魔法の王宮の廷臣) オレクサンドル・ガベルコ
王女:カリーナ・ミクルーハ
王子:ダニール・パスチューク
山賊:カテリーナ・テルヴァル、ヴォロディミール・クツーゾフ
ゲルダのおばあさん:スヴェトラーナ・コフトゥン
指揮:セルゲイ・ゴルブニチ
管弦楽:ウクライナ国立歌劇場管弦楽団
振付:A.レフヴィアシヴィリ
台本/音楽監督:A.レフヴィアシヴィリ、O.バクラン (H.アンデルセンの原作童話による)
音楽: E.グリーグ、J.マスネ、J.シュトラウス、P.マスカーニ、H.ベルリオーズ、E.ワルトトイフェル
A.ポンキエッリ、J.オッフェンバック、A.オルメス
撮影:2023年12月 東京国際フォーラム ホールA
制作:株式会社 光藍社(KORANSHA)