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バーチャルライブよ、眼鏡男子推しの希望になってくれ
「眼鏡男子」が好きだ。
このnoteではもう数え切れないくらい言ってきたから、以前からわたしの文章を読んでくださっている人にとっては耳タコかもしれないがわたしは眼鏡男子が好きだ。歌って踊る眼鏡男子が大大大大だ〜い好きだ。
しかしながら、「歌って踊る眼鏡男子」というのは長年の間ファンタジーにすぎなかった。なぜか。歌って踊るのに眼鏡は邪魔だからだ。ついでに言うとファッション性にも支障をきたすからだ。数分間のパフォーマンスビデオならまだしも、自らのキャラのために一貫して眼鏡をかけ続けるなどといった芸当は、現実の人間にはもはや期待できないのかもしれない。雨後の筍のごとくオーディション番組がぽんぽん生まれてアイドルの卵たちがぽんぽん発掘されているのに歌って踊る眼鏡男子はひとりも出てこない(※私の観測範囲内では)、それが答えだろう。
だからというわけではないが、わたしは長年バーチャル世界の眼鏡男子を推してきた。
歌って踊る眼鏡男子を推し続けてきた。
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上から順に2018年、2023年、2025年の作品のスクショだ。なんと目覚ましい技術進歩だろう! 歌って踊る眼鏡男子、そんな幻はもはや現実世界には望めない。しかし、テンプル接続部やパッド部分の金具、セルとメタルの質感の違い、フレームのあちらとこちらを行き来する髪の存在——モデリングにより削ぎ落とされてきた多くの要素を、バーチャルライブは階段を登るようにひとつひとつ叶えてくれた。
だからこれ以上は望むまい。
そう思ってきた。
そう思ってきたのに……。
事件は起きた。『にじさんじフェス2025』の後夜祭として執り行われた『にじさんじ 7th Anniversary LIVE 「OVERTURE」 Nighttime Stage』でのことである。
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なんと……
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バーチャル眼鏡が…………
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眼鏡が光りました。
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嬉しィィィ〜〜〜!!!!(コーレス)
いや、それだけかい——そう思う人がほとんどかもしれない。
だがちょっと待ってほしい。わたしの話を聞いてほしい。たかがレンズの光沢、されどレンズの光沢なのである。
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古くはニュートンが取り憑かれた光の魅力。フック、マクスウェル、アインシュタイン……数々の著名な科学者が名を連ねる光研究の歴史、それらが解明したことのひとつに、ものの表面で光が反射するから人はものを見ることができるというものがある。
光源がまったくない真っ暗な部屋では、物を見ることができませんが。明るい部屋では物を見ることができます。これは蛍光灯など高原(※原文ママ)から出た光が、物の表面ではね返って目に入るからです。
(専門家じゃないので適当なこと言ってたらごめんなさい)
細かい原理はさておき、まあ、言っていることはわかる。ものの表面で光が反射するから、ひとはものを見ることができる。生活の中で実感したことありますよね。
光の反射が、そのものの存在を知らしめてくれる。
つまり、レンズの反射は……
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眼鏡男子の存在を……
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すなわちバーチャル眼鏡男子と現実世界を繋いでくれる……
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架け橋 -Virtual to LIVE- 。
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ありがとォォォ〜〜〜!!!!(コーレス)
そう、感謝、感謝なんである。「有難い」と書いて「ありがとう」なのだ。現実世界には存在しえない歌って踊る眼鏡男子、その幻想の一端をこうして垣間見せていただけているだけでオタクはむこう千年の命はかたいというのに、なんとレンズが光ってしまった。
そうですか。
生きてりゃこういうこともありますか。
こちとら平凡な人生、夢なんてとっくのとうに忘れてしまった大人である。趣味への熱量は年々萎みつつあるし、好きなこともやりたいことも特にない。でも、まだ、人生捨てたもんじゃないな。本気でそう思えた。ライブの幕が開いてレオスさんの眼鏡が光った瞬間、自分の中のどこにまだそんなに残っていたのかと思うくらい涙が溢れた。
そう。忘れてしまっていた夢——それこそが歌って踊る眼鏡男子、ひいてはバーチャルとリアルの境目を繋いでくれる誰か、だったのかもしれない。
くだらないことかもしれない。けれど確かに夢だった。眼鏡男子の存在を通じて、バーチャルの存在をじかに感じること。この感動、この感謝が伝わるだろうか。どんな言葉で言い尽くしても足りない、バーチャル眼鏡のレンズが光るというのはそれだけの事件だった。それだけのことだったのだ。
だから何度でも言いたい。ありがとうございます。いちオタクの夢を叶えてくれて、本当に本当にありがとう。
今夜見たあの光を追って、わたしも自分の人生を頑張ります。
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バーチャルライブよ、眼鏡男子推しの希望になってくれ!
記事中のスクショには全てシークバーを収めているほか、可能な限りで時刻付きのリンクを貼り付けております。このインパクト、ぜひ画像だけではなく動画で体感してみてください。最後の一枚以外は無料で視聴可能です。
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余談だが、こんなに長々と書いたのにわたしはレオス・ヴィンセントさんのことをほとんど知らない。なのでアーカイブを見てきますね。出会えてよかったレオス・ヴィンセントさん、ステージに立ってくださってありがとうレオス・ヴィンセントさん。どうかいつまでも末長くお元気で……。
注:本記事の主題であったレオス・ヴィンセントさんと、途中例としてご紹介させていただいた四季凪アキラさんは、どちらもアイドルやパフォーマーではなく配信者(VTuber・ストリーマー)を本業とされている方々です。
アイドル育成ゲームのキャラクターと並列で「歌って踊る眼鏡男子」として取り上げはしましたが、彼らの本職はあくまで「歌って踊る」ではないことを、文中で終始「眼鏡のアイドル」や「バーチャルアイドル」ではなく「歌って踊る眼鏡男子」という言葉を用い続けたことから、どうかご賢察のうえご理解いただけますと幸いです。
追記(2/27)
レオス・ヴィンセントさんの振り返り配信にて、「技術スタッフより提案を受けて眼鏡の反射が実現した」という旨のエピソードが語られたそうです。
現在アーカイブが非公開になっているようなので、確認出来次第こちらに追記させていただきます。
またご意見賜りまして、過去の眼鏡男子にまつわるnoteをジャンル問わずマガジンにまとめました。少量ですが、箸休めにでもしていただけますと幸いです。