スタライ7th幕張配信で見た紅月は最高だったぞ!感想文(魂の5000字)
「紅月は生きてるんですよ!!次元が違うだけで!!」もしここが幕張メッセなら、そう叫んでキンブレを空へ突き上げていた。そして警備員に連行されていただろう。配信を見たのが自宅で良かった。
というのはチケット戦争に完全敗北したオタクこと私の負け惜しみでしかないのだが、iMac24インチの画面で見る紅月は、それはそれはもう美しかった。指先からつま先まで全てに神経が通い、命が宿っていた。一挙手一投足が研ぎ澄まされ、”ここ”というポイントひとつひとつを的確に丁寧に刺していき、筋肉のうねりは見事なまでに滑らか。つまり生きていた。みんな! 朗報だ! 紅月は生きてたぞ!
本当は全ユニット全曲の感想文を書くつもりでパソコンを開いたのだが、なんかもう紅月がいかに素晴らしかったかを書くだけで一記事できちゃう勢いだったので、諦めて紅月単独記事とする。やっぱり紅月が大好きだよ……。
やっぱこれがないとスタライ始まらねえわ!『百花繚乱紅月夜』
逆光フラッシュの立ち姿から、なんならその前のヴァル様の口上から「なんか強い人たち来たで......」な香りが満ち満ちていた。ヴァル様の口上めちゃくちゃ良かったんだよなあ。学院時代の色々を知る身としては本当に、ありがとうね......の気持ちが強い。
親の声より聞いたイントロ!これは完全に私情だが、私のMusicイベント曲はもっぱら『百花繚乱紅月夜』なので、音楽が闘争心と完全融合している曲でもある。つまり、イントロだけでブチ上がる。これこれこれ!!!これぞスタライだよな!!!
言わば「定番」曲なわけだが、おかげで今回スタライ初登場となった新衣装が映えること映えること。腰回りのたっぷりとした布の豪華さよ。布は多ければ多いほど良いと言いますからね。個人はもちろん、3人並んだときの紅白のバランスは改めて実感したところで、計算し尽くされた布の配分に脱帽するばかりだった。首周りのモフモフもボリューミーになってて、黄金の帯の揺れ方にもなんとも心地いい重みがあり、大きく脚を広げても腰が露出せず……どこを取っても品と貫禄を兼ね備えたたたずまい、ブラボー!!!鬼龍の衣装は宇宙一!!!
無歓声なのは少し寂しいけれど、そのぶん紅月の声が会場によく響いていて本当に良かった。次は声が枯れるまでコールさせてほしい。
一生ついて行きます『紅月いろは唄』
言われなくとも!!!!!(号泣)
今回”マジ”のライブ感増しててすごいな〜と思った演出の一つに「MC中になんとなく鳴ってるアドリブ演奏」があったのだが、逆に紅月にはそれが一切無かった。それで一層際立ったなと感じたのが、紅月に特有の「静けさ」。位置について構えた時の、あの一瞬のキンとした静寂で、さあ紅月のパフォーマンスが始まるぞと身が引き締まるのだった。学院でもいつもこうして演技していたのだろうか。
念願の『紅月いろは唄』フルパフォーマンスは、日本舞踊らしい優美な動きと今時のダンスがよくミックスした、実に紅月らしい振り付けになっていたと思う。え、てか、めっちゃ動くやん。一節一節ごとにフォーメーションが変わっているんじゃないかというほどの高速移動とその正確さに、完全に目を奪われてしまった。2番Bメロ「浅き夢など気取らずに 言わせておけばいい」の蓮巳さんの大移動を見たか。大移動は颯馬くんの十八番じゃなかったの……!?
加えて、三者三様に扇捌きの美しいこと。ここという拍でキッチリ止めてくる蓮巳さんの緩急は見事だった。動き出しから止めまでの流れの中で、最高速度到達点をやや後ろにずらす、つまりギュッと動かしてピッと止める、颯馬くんや鬼龍くんに対しての差別化をここですることにしたのだなと感じた。それこそ頭の先から扇の先までが一本に繋がったような、やわらかな曲線美で颯馬くんの右に出る人はいないだろうし、ダイナミックな振りは体幹を活かして遠心力で豪快に舞う鬼龍くんに任せるとこれ以上なくビシッと決まる。扇ひとつ取っても3人の強みがまったく違うのが、紅月のパフォーマンスをこれほどまでに見応えのあるものにしているのだと改めて感じた。ひらめく扇の美しさを私は紅月に教えてもらったので。
『紅月いろは唄』の最大の見せ場は、間奏のソロパフォーマンス3連発と言っていいだろう。個人的には、唯一ギターリフのあるパートを担当したのが蓮巳さんだったため、クロスロードを推すオタクとして非常に感慨深いものがあった。
ちなみにサビで一瞬客席が映る場面があったのだが、「ソレいっせいのせ!この一本気で」の掛け声に合わせて、会場のサイリウムがグッグッと止まっているのが見えて、なんともいい気持ちだった。確かにあれは会場で振ったらそうなるかもしれない。
世界で一番きれいな『月光奇譚』
もう本当に『月光奇譚』には、本当に……楽曲にもストーリーにも、これが発表された当時のTLにも、本当に筆舌に尽くし難い思いが溢れすぎていて、かえって何も書くことができない。大好きなんです。『月光奇譚』が。だから青く冷えたステージにバイオリンが静かに鳴り出したとき、「やってくれるんですか……!?本当に!?月光奇譚を!?」と涙が溢れて止まらなかったし、迫り上がってくる紅月はあの瞬間間違いなく世界一美しかった。MCも良かったなあ。
「スカーレットハロウィン衣装じゃなくて大丈夫?世界観いける?」などいう一抹の不安は、このMCで吹き飛んでしまった。というかこれに限らず、今回は全ユニット総じてMCが素晴らしい!
そんな中でこれだけは特筆させてほしいことが3点ほどあるのだが(特筆とは)、まずなんと言っても蓮巳さんの手先の美しさ。「止めの美しさ」とは蓮巳さんの代名詞であろうと思われるのだが、小道具なしの『月光奇譚』で際立っていた。無駄な力なく、まっすぐに伸びた肩から指先のライン、そこから手首だけがクッと糸で引かれたような動きをすることがある。これこそが蓮巳さんの舞の特徴だ。真っ白な手の甲の美しさ、繊細な指先の表情に惹きつけられる。なんと情緒たっぷりに舞うのか。ため息が漏れた。
そして『月光奇譚』になくてはならない存在が神崎颯馬くんその人である。フルで見て初めてわかったことだが、『月光奇譚』の颯馬くんは実に全体の3分の1ほどをセンターで踊っていたのか。私自身この曲で初めて気づいたのだけれど、颯馬くんは端にいるときとセンターにいるときとで身体の使い方が大きく変わる。センターに立つときの颯馬くんは、首の動かし方が大きく、上半身をうねらせるように使うのでものすごく存在感が増す。2番Aメロやサビに顕著だ。そもそも両脇の先輩方がデカすぎるのだが、全く引けを取らないどころか、むしろそれでバランスが取れているまであり、「魅せる」ことを突き詰めてんなあ……!と感激した。やっぱり紅月には颯馬くんがいなくてはダメだ。伊達に『海神戦』で蓮巳さんと鬼龍くんをアイドルへと繋ぎ止めた胆力と実力を持ち合わせていない。
新しい顔を見せてくれたのは鬼龍くん。鬼龍くんあなた良い表情で歌うねえ!身体全部で”歌っている”感じが、曲中で歌われる吸血鬼の悲恋とオーバーラップして、なんとも胸に迫る切なさがあった。全然関係ないけどTHE F1RST TAKEに出演したところが見たい。もっと近くでよく見せてほしい、鬼龍くんだけの固定カメラがあればいいのにな……これは全員に言えることだが……。
新しい要素で言えば、間奏で何度か用いられていたポッピンのように「カクン」と止まる振りも印象的だった。青白い月も、サビで真紅に染まる会場も、その中心で舞い踊る紅月も、本当に、世界で一番綺麗だったよ……。
満を持して登場 ありがとう『思い出綴り』
おそらく全紅月ファンに待望されていたこの曲。私もこれがスタライで聴ける日を待ち望んでいた。昔からある曲なのにずっとパフォーマンスがなくて、これはfineがスタライに出演する日まで大事に取ってあるんだよねと噂されていたけどどっこい、5thでも登場しなかった『思い出綴り』。ということは、きっと大切なのはタイミングじゃないのだ。大切なことは何か。
紅月の3人が和傘を広げた瞬間、雷に打たれたような衝撃が走った。和傘を使うパフォーマンスは5thでの『月下無双、紅の舞』に続く2曲目で、たしかあのときは、TLでの評判があまり芳しくなかった記憶がある(特にMusic実装時はカメラワークが大人しいとよく言われていた)。紅月、さては、実力で黙らせに来たな......!!?
実力、というか、技術。恐らく『思い出綴り』が重きを置いたのは、その「完成度」だったんじゃなかろうか。前回サイズにこだわったと話していた和傘の、見せ方、持ち方、舞い方などなど。『月下無双、紅の舞』で初めてステージで使ってみて、観客やスタッフたちからのフィードバックも含め、経験とノウハウを(演算等メタ的な要素も込みで)詰め込んで作られたのがこの『思い出綴り』である……そんな印象を受けた。インパクトの大きい和傘を、初めてではなくあえて二度目以降に使用したこと、二番で紅月が何より得意とする扇子を持ってきたこと、全てがこの『思い出綴り』を最高のクオリティで実現させるためだったように思えてならない。もしもそれが、我々ファンにとってこの曲が大切なものと思いやられてのことだとしたら、こんなに嬉しいことはないが、それは自惚れすぎというものだろう。
しかし、紅月にとって『思い出綴り』が思い入れの深い曲であることは、疑いようのないように感じられる。4曲通じてこの楽曲が一番表情豊かにパフォーマンスされていた。歌詞のさす「お前」が一体誰のことなのか、モチーフとなった「喧嘩祭」で紅月に何が起こったのか、私たちは知っている。だからついつい深読みしてしまうのかもしれないけれど、和傘の下でくるくる舞う蓮巳さんの笑顔や、颯馬くんと鬼龍くんのはにかむ様子を見ていると、”今”この曲がパフォーマンスできていることが心から嬉しく愛おしく感じられて、思わず涙が出た。
大サビ前でステージ中央に集合した紅月の、立ち姿の既視感は「太神楽」のそれだろうか(このとき颯馬くんはこま回しをしていたので微妙だが)。三人揃って一枚岩、強固な絆が目に見えるようだった。彼らをここまで盤石にしたのは、それこそ数々の「思い出」であろう。
かつて自らの意地と誇りを懸けて、夢ノ咲の太陽たるfineに挑んだ彼らの、今なお陰ることを知らない輝き、きらめき、威光を前にすると思う。ああその名に冠する「暁」のとおり、荒れ果てた学院で彼らが誕生したことは、夢ノ咲にとってたしかに夜明けであったのだ。
ステージの上からこちらに笑いかけ、語りかけてくるような身振りが多かったのも、『思い出綴り』の印象深いところだった。できることならこの先も、たくさんの思い出を重ねていく彼らの姿をずっと見ていたい。
おまけ・立てば芍薬座れば牡丹しゃべる姿はお殿様『MCパート』
今回私が配信で見たのが、幕張最終日の夜公演ということで、中間MCが蓮巳さんの担当だった。なんならアンコールでも出てくるし、投げキッスまでして帰っていくし、何がどうなっていたのだ? 七夕祭で「ばきゅ〜ん」に照れていた姿は幻だったのか?
喋ってる姿を見ていると本当に偉そうで、ついこの前まで高校生だった人間とは思えぬ貫禄で、かっこいいんだけど少し面白かった。でも緊張するみかくんに話題を振ってあげるところは、私のよく知る視野の広い頼れる蓮巳先輩だった。
ライブTシャツで歌い踊るアンコールも、年相応にはじけていて思わず笑顔になった。こうしていると普通の男の子だね。CD収録分とパート割が違ったのには驚きました。
何はともあれ、舞台を後にする最後の瞬間まで、紅月はかっこよく、美しく、最高のアイドルだった。チケットがなくても配信で彼らの姿を見ることができる、この令和の時代に生まれて本当に良かった。言うまでもなく、一緒に7thスタライを作り上げたコズプロ・リズリンの面々も、それぞれに素晴らしく見応え溢れるパフォーマンスを披露してくれたわけだが、そちらはそれぞれのファンの方々にお任せしようと思う。
全てのアイドルたち、全てのスタッフの皆様に、今一度感謝を伝えたい。本当にありがとうございました。願わくば次の舞台でも、また一歩成長した彼らの姿が見られますように。
ありがとうございました!