第3章 ロッテ選手編成 投手編
1. はじめに
本章からは、ロッテが今オフ行なっている人員整理の意図と来季構想を考えていこうと思います。今回は投手編として、
といった流れで進めます。
2. 現状・課題
ここは第1章のおさらいなので、詳細はそちらをご参照ください。さらに上の表にプラスして世代構成的な要素を加味すると、今後数年はたちまち戦い方に困るような布陣でもない為、ならば今のうちから新しい育成に着手し始める価値はある。
⇒次々世代として高卒投手を獲得しても良さそう。
3. 結果
ハーマン フローレスに関しては12月下旬現在でも去就不明瞭ですが、発表をいつまで待てば良いか分からないので、ひとまずは勝手に『いなくなる前提で』話を進めさせてもらいます。
というわけでOUTとINを先ほどの表に書き足す形で当てはめるとこうなる。
・・・リリーフ削ったわりに補充少なくない?
という疑問は5.項で考えるとして、先に次の4.項で戦力外リリーフ組の特徴と高卒新戦力の2つについて深堀りしてみた。
4. 考察
(1) 戦力外リリーフ陣
まずは第1章でも紹介した二軍リリーフ登板数と年齢の関係グラフに、戦力外選手を赤くプロットしてみた。
第1章でも問題点として挙げていた赤点線枠の部分が全員戦力外となった。つまりこのグラフで言えば右肩下がりの傾向になるイメージで世代交代を推し進めようとする意図は感じる。一例として南昌輝なんかは引退登板で全球145km/h超を記録し、本当に引退するの?と思った方も多かったはず。戦力外となった投手たちの詳細な二軍成績は7.項で一括掲載しましたので、ご興味あればそちらもご参照ください。
(2) 新戦力(とくに高卒3人について)
育成含めて5人獲得。社会人2人の方は即戦力に決まってるので置いといて本項では高卒3人について。
高卒投手を一気に3人獲ったのはロッテでは異例。近年ロッテは佐々木朗と中森に対し1年目は登板させず基礎作りさせるスタイルを取っており、今回3人獲得したのはこの育成メソッドを一気に複数人に積極転用する意思の現れか。吉井さんが配置転換となったのもここへの注力が一因としてあるのかもしれない。
本項で言いたかったのは、秋山 田中楓 永島田の3人はひとまず来季の戦力として数えないことにしてみよう、という想定です。でもこれを前提にするとリリーフの数に困ってしまう。ということで次の5.項へ。
5. 二軍リリーフ少ない問題
まずは実際どれくらい少なくなっているのか数値で出してみた。下表は今季の二軍リリーフ投球回数ランキング。退団の9人を赤く表記した。
赤色の9人の合計は165回。165÷409(全イニング)=40.3%とやはり結構大胆に切ったことになる。この40.3%という数字はnote全6章の中でもっとも主張したい部分と言っても良いかもしれない。投手陣を新陳代謝させたい意図を読むには明確な数値かと。さらに以下は二軍リリーフの回跨ぎ登板数ランキング。(退団選手を赤く表記)
フローレスがこのランキングで独走の1位だったことは第5章でも言及する予定なのでぜひ覚えておいてください。
またフローレスがいかに神助っ人だったかも改めて述べておきたい。回跨ぎリリーフはシーズン100試合以上を乗り切るために地味ながらも不可欠な戦力で、彼はこのような貢献度ある数字を叩きながら年棒は2年連続でたったの500万円。この助っ人を本当に切るとしたら、球団はフローレスに甘えず、将来性ある運用かつ一二軍含めて競争を激化させるチームづくりに舵を切ろうとしている大きな気概を感じるのです。
だが新戦力はゲレーロ 廣畑 八木の3人のみ(前述の通り高卒3人は来季戦力とは考えない)。となると明らかに足らない。
そこで対策は2つ。さらに新戦力を補強するか、チーム内で他から配置転換させるか。まずは後者の可能性を軸に考えてみたい。今季の投手陣を一軍先発・一軍リリーフ・二軍先発・二軍リリーフ・離脱組の5階層に分けて改めて整理してみた。
これをベースに、さらに新戦力および今までの話を総合して、来季の布陣をまずはテキトーに並べてみました。
西野が二軍先発!?とか廣畑と八木二軍リリーフ!?とか色々噴出しそうですが、数のバランス的にまずはこう置かせてもらいました。
また誤解のないように補足すると、これで一二軍固定ということではない。今オフの編成意図を考察しても来季は活発に入替えが起こるはずなので、あくまでイメージとして見てもらえばと思います。
ただこれでもやはり二軍リリーフは足らず、他の階層からまだ計5人程度貰う必要がある。
という所で本章はここまで。続く第5章では、筆者の主観で勝手に二軍リリーフを8人から13人に増やしてみようと思います。
6. まとめ
・先発陣はとくに新戦力補強なし。
・リリーフは二軍のベテランを中心に多数戦力外。彼らの二軍での投球回数の合計は、チーム全体のリリーフ総イニング数の約40%にも上る。
・来期の新人投手のうち、高卒組3人を実戦登板しない想定で考えると、退団分の穴を十分に埋められる補強とは現状言い難そう。
・よって、今後も新戦力獲得の動きがあるか、もしくはチーム内での配置転換を考える必要がある。
次回の第4章では、同様にして野手陣の編成を考察していきます。
7. おまけ(退団投手の今シーズン)
ここでは退団選手のうち有吉とハーマンを除き、二軍を主戦場とした7人の投手について、登板実績を掲載していきます。内容的にnote本編の方で長々とやる必要性も低かったので、おまけでの紹介とさせていただきます。
二軍での月別登板数および投球回数(先発・リリーフ関係なく)
ほとんどの投手がシーズン通してコンスタントに登板し続けた。
先発・リリーフを兼任したのはこのうちアコスタ 石崎 フローレスの3人。
一軍ではなかなか結果を出せないながら便利屋として重宝していた投手ばかり。彼らを切った来季の二軍はどういった運用になるのか興味深いところです。
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