”CCG”の先見性
SEEDAとDJ ISSOが組んで2000年代のヘッズを夢中にさせたミックスCDシリーズ、それが”CCG”こと「コンクリートグリーン」である。MONJU, SD JUNKSTA、鬼など現在も一線級のラッパーをいち早く世に送り出すなどその功績は計り知れない。いま聞いてもその”目利き”には驚かされる。どの音楽雑誌よりもその耳は確かであった。そして、リリースペースも当時としては速かった。なので、常に2006年から2010年ごろまでSEEDA周辺の動きは目まぐるしかったし、追いかけていて楽しかった。また、SEEDA自身も仕掛け人としての立場を、楽しんでいたように思う。一体、次は何を仕掛けてくるのか・・・とりわけ初期のCCGシリーズは、当時の勢いと空気感がこれでもかとパッケージされていて、非常に中身の濃い、充実した内容であった。個人的にはCCG3のNORIKIYOと晋平太のバトルなんかは時代を先取りした非常に面白い試みだったと思う。おそらくSEEDAは海外の動きもくまなくチェックしており、それをすぐに日本のマーケットでも実践しようとした結果、コンクリートグリーンが出来あがったのだと思う。当時のUSでは、ミックスCDからビルボードチャートに食い込むような流れが確かにあったわけだから。2015年を最後に、新たなリリースは止まっているが、NORIKIYOが「CCGの生き残り」を自称するように、かつてコンクリートグリーンを中心とするヒップホップシーンというのは、確かに存在していた。あの時代はもう戻ってこない。ただ、あの時代は間違いなく輝いていた。