悲劇の天才 BES⑤
2018年「CONVECTION」、
2019年「VIRIDIAN SHOOT」、(BES & ISSUGI名義)
2020年「Purple Ability」、BES & ISSUGI名義)
2020年「LIVE IN TOKYO」、
2020年「BES ILL LOUNGE Part 3 - Mixed by I-DeA 」
これまでの沈黙が嘘かのようなハードワーキングぶりである。盟友であるI-DeAやISSUGIのバックアップも大きいが、何より本人のモチベーションの高さが感じられるのが嬉しいところである。そして、今年に入ってもその勢いが陰ることはないようだ。
錚々たる面子の中で、一番手として確かな存在感を示しており、見ていて思わず熱くなった。今年、REDBULL「RASEN」のインタビューでBESはこう話している。「10年後、20年後にこういうラッパーがいたっていう爪痕が残せるような作品が作れればいい」四十路を超えたBESからこんな力強い言葉が出るとは、不意に勇気づけられた。
2006年~2007年のBESは、日本で一番かっこいいラッパーだった。そして、BESは、その輝かしいキャリアを一度ならず、二度も自らの手でダメにしている。だが、今日もまだシーンに根をはり、現役で活動している。悲劇であり、奇跡である。いずれにしてもBESの最新作が楽しみだ。