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ハチミツとクローバー

ハチクロは私にとって人生のバイブルです。
中学2年生くらいのときに出会い、唯一今でも手元に残っている漫画で、もう台詞も覚えてしまうくらい何度も何度も読み返しました。

登場人物皆大好きです。
だから特に誰が好きというのは決められないのですが、
自分が共感してしまう、という意味ではやっぱりあゆと竹本君でしょうか。
どれだけ傷ついても真山を諦められず一途に想い続けるあゆ。(それは理花さんに想いを寄せる真山と同じ構図でもあるのだけれど)
はぐちゃんと森田さんという天才を目の当たりにし、どうしたって自分はそちら側へは行けない人間なのだと思い知らされる竹本君。

"神さま やりたいことってなんですか?
それはどうすれば見つかるんですか?
それが見つかれば強くなれるんですか?
神さま やりたい事があって泣くのと
見つからなくて泣くのではどっちが苦しいですか?"

天才ゆえの苦しみと"そちら側"には決して行くことのできない人間の苦しみ。
諦めきれない想い。
捨てられない望み。

美大に通っていた頃、自分が選んだ学部ではイメージを形にできなかったこと、頭が真っ白になってしまって、ずっとずっと苦しんでいたこと。
今は別の表現を見つけて、細々とでも好きな絵を描き続けていられること。
好きな人には別の好きな人がいて、長い間叶わない恋をしていたこと。
消化しきれないそういう想いぜんぶを、羽海野チカ先生がこのハチクロに描いてくれていました。

大好きなシーンや台詞があまりにも多すぎて、そのひとつひとつに感想を書くととてつもなく長い記事になってしまうのでそれはやめておきたいと思います…

2017年に開催された羽海野チカ先生の原画展に幸運にも足を運ぶことができました。長い間慣れ親しんできたイラストたちの原画を眺めていたら、懐かしさに胸がいっぱいで涙が止まりませんでした。
そして描き下ろしの物語のなかにあった"フリだって十何年も続けられれば立派な真実だわ。"という台詞にまるで雷に打たれたような衝撃を受けました。その理由はとても個人的なものなのでここに書くことはできませんが、とにかくその台詞に私はその当時も今も、そしてこれからも救われ続けるのだと思います。


最後に、
私の理想の夫婦像はいつだって原田君と理花さんです。
不安定な理花さんを包み込む原田君の人としての大きさ。
ふたりで一緒にいろんなもの作ったね、という理花さんの台詞が切なくて、でも愛する人との関係性において、それが永遠に続くものではなかったのだとしても、こんなに幸福なことってきっとないと思ってしまいます。
永遠の憧れです。

あと、いつか横浜にあるホテルの部屋のベランダで、夜観覧車を眺めながらケーキを食べてみたいです。

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