Pefume×テクノロジー
普段、音楽やアート、演劇に近いところにいるので、客席にいてもPAや照明のことが気になってあまり没頭できないことがある。
ステージはかつて冬季オリンピックでスケート会場となった会場だ。
普段はこうしたイベント等にも貸し出されている。
その氷のはっていないスケートリンクのある場所にセットが組まれていて、セリが上下動、自由に出てくる感じのステージとスクリーン。
シンプルな設営にプロジェクションマッピング。例えば、ステージ上にいる彼女たちの影が曲に合わせてスクリーンに表れ自由に躍る。影はライブではなくてあらかじめ作られたもの、だと感じるが、しかし、今まさに動く影はそこに生まれている影のようでもあり、現実と虚構が交錯する。
アーティストのライブはアーティストそのものを観に行く、ので裏方の仕事を意識させられることはほとんどない。
客席を見渡すと、アーティストから離れた席は双眼鏡を覗いていることがあるのは、アーティストが引っ張るライブだからだ。
ところが彼女たちのライブは客席の、ステージからの距離はまったく関係なく、双眼鏡は必要ない。
会場そのものがアートミュージアム化していて、アーティストと日本の技術、裏方の仕事の素晴らしさを体感してゾクゾクした。技術の結晶は個と個の仕事の足し算ではなく、乗であり、そのフロー状態は複雑系ネットワークで波及する。
日本の未来をPefumeのステージを通して覗いたような気分になる。東京からではなく、日本のたぶん真ん中から発信していく、ということに意味を感じた2時間。