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食べ物が届くまで -事業系食品ロス削減の取り組み-

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食べ物は、たくさんの人の手や工程を経て私たち消費者に届けられています。その工程ごとに様々な理由で発生する食品ロスは「事業系食品ロス」と呼ばれ、消費者が知る機会は少ないと言えます。…
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#食品ロス削減

キリンビールに聞く、提供までに生じるロスを解消する業務用ビールサーバー「TAPPY」とは

2021年4月から全国展開されている、キリンビールの業務用ペットボトルビールサーバー「TAPPY(タッピー)」。カウンターに置けるほどコンパクトで、日常的な交換・洗浄作業も簡単でありながら、交換・洗浄時に生じていた廃棄ビール量の削減も実現しました。TAPPY開発に至った外食産業の変化や課題、そして導入後の反響は、どのようなものだったのでしょう。 外食業界が抱えていた、樽詰めビールの廃棄ロス問題外食産業では今、「1杯目の生ビール」、いわゆる「とりあえず生(ビール)」とオーダー

サラダクラブに聞く、野菜廃棄物ゼロを実現する多様な取り組みとは

1999年、パッケージサラダの販売を開始した「カット野菜」のリーディングカンパニー、サラダクラブさん。食品ロス削減に取り組むキユーピーグループ経営方針に則り、野菜未利用部の活用も積極的に行っています。 野菜廃棄物を活用した循環型農業とはサラダクラブは食品に携わる会社として「野菜を余すところなく使い切りたい」という想いをずっと持っていました。そこで着目したのが、「千切りキャベツ」や「ミックスサラダ」といったパッケージサラダの製造過程で発生するキャベツやレタスの外葉、芯など野菜

キユーピーグループに聞く、食を通じて社会に貢献する。志をひとつに、食品ロス削減へのあくなき挑戦。

キユーピーグループは、家で調理して食べる「内食」、惣菜などを買って食べる「中食」、お店などで食べる「外食」といった食シーンに対応した事業を展開しています。グループ全体の課題として食品ロスの削減・有効活用を掲げ、食品残さ削減、野菜未利用部の有効活用、商品廃棄の削減に取り組まれています。 食資源を決して無駄にしない。キユーピーグループに根付く企業カルチャーとは。 キユーピーグループの食品ロス削減への取り組みを教えてください。 松原さん 創業当初からマヨネーズに使用しない卵白

カンロに聞く、サーキュラーエコノミーを実現する廃棄物の価値創造とは

1912年の創業以来、その時代や消費者のニーズに合わせた「ひとつぶ」を作り続けているカンロさん。近年は他業種との協業でやむを得ず廃棄となってしまうモノたちを生まれ変わらせています。 廃棄される飴を再生する新たな試みとは カンロを代表する商品カンロ飴は、砂糖や水あめを溶かしながら煮詰め、細長いロープ状にした生地をアメ玉の形にカットして作ります。この成形の工程で出る削りかすや、気泡が入ったり欠けがあったりして検品ではじかれて廃棄するものが発生します。そのうち約85%は飼料や肥