終わりとはじまり。 |”地の果て” フィステーラ
皆さんこんにちは。
ロス・カミーノスです。
今回はサンティアゴ巡礼の到達地点であるフィステーラ岬に行ってきたので、そのレポートをお届けします。
■ フィステーラの道
聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂から約90km、大西洋に面したフィステーラ岬。
「地の果て」という名前がついたこの岬で、巡礼者は着ていた衣服や靴を燃やしたそうです。(現在は環境保護、景観保護のため禁止)
多くの巡礼者はサンティアゴ・デ・コンポステーラで巡礼証明書を受け取った後、フィステーラまでバスで行くみたいですね。
今回は車で行きましたが、だいたい1時間20分くらいでした。
■ ポンテマセイラ
途中、巡礼路の経由地であるポンテマセイラに立ち寄りました。
人口70人ほどの小さな村ですが、中世の街並みをそのまま残しており、「スペインで最も美しい村」の一つに数えられています。
以前ここには1990年から2005年までの15年間ガリシア州首相を務めたマヌエル・フラガ氏の邸宅があり、毎週重要な会合が行われました。
フラガ氏は、キューバの革命家フィデル・カストロ氏(父親がガリシア出身)とも親しく、ポンテマセイラの邸宅で一緒にドミノで遊んだと言われています。
■ フィステーラ
スペイン最西端のフィステーラは、人口は5000人程度ですがかなりリゾート化されており、ホテルや別荘が立ち並んでいます。
巡礼路を歩いてきた人はその景色の変化に驚くかもしれませんね。
フィステーラ岬は、フィステーラの中心部からおよそ3kmのところにあります。
車で行くことができますが、少しでも巡礼気分を味わうため、ここから先は歩いて行くことにしました。
途中、見晴らしのいいところに巡礼者の像がありました。
■ フィステーラ岬
フィステーラ岬には、巡礼中何度も見かけたモホン(石碑)があります
指し示す距離は、「0.000km」。ここが巡礼の最終目的地であることを表しています。
岬の先端にある灯台は、とても美しい夕日が見られる場所として知られており、それを目的に来る巡礼者も多いそうです。
周辺にはお土産屋さんや宿泊施設、レストランがあり、眺めのいい場所でのんびりすることができました。
■ 巡礼の終わりとはじまり
最後に、現地の人が聞いたという、巡礼者たちの会話を記しておきます。
・・・
フィステーラ岬を訪れたとある巡礼者が言いました。
「ここは巡礼の最終目的地。これで私の巡礼は終わってしまった。これからどこに向かって歩けばいいのか」
それを聞いた別の巡礼者が言いました。
「何を言ってるの、ここははじまりの場所。ここに辿り着いたその瞬間、新しい巡礼が始まるのよ」
終わりとはじまりの場所、フィステーラ。
ここに辿り着いた巡礼者がこれからどこへ歩き出すのか、その答えは無限にありそうですね。
今回も読んでいただきありがとうございました。