10年愛した音ゲーを辞めた理由
こんにちは、皆さんゲームは好きでしょうか?
自分は幼少期からスーファミ、プレステ、64等で育ってきました。
今ではゲーム業界で運営ディレクターとして勤務し、日々ゲーム業界の勉強と動向を追っています。
そんな自分がなぜ10年も愛したゲームを辞めたのか書いていこうかと思います。
高校2年生の頃から10年間欠かさずプレイしつづけ、全盛期にはフルコンボランキングでは全国7位まで到達し、PCではそのゲームのクローン作品であるゲームもプレイし、世界で16人目の「発狂皆伝」到達まで続けたそれぐらい愛したゲームがあります。
クローン作品で発狂皆伝というワードでピーンと来た人もいると思いますが、そのゲームは「beatmaniaⅡDX」です。
昔はビーマニ、今では弐寺などと言われているかと思いますが、7つの鍵盤にスクラッチがついたゲームです。かなり大きい筐体で目立つので、ゲーセンに行く人は見たことがあると思います。
どれぐらい好きだったか!ちょっと分かりづらいと思うので大変恐縮ですが、簡単な経歴を下記に記載して、ストーリーも交えて更に下記に記載しようと思います。
※長いので結論だけ読みたい人は目次の「引退とゲーム業界」から読んでいただけると幸いです。
■経歴
・beatmaniaⅡDX 14 GOLD (VANESSA出た辺りからプレイ始め~十段到達)
・発狂BMS Endless Music(プレイ始め~発狂十段到達)
・beatmaniaⅡDX 15 TROOPERS (十段~皆伝到達 全白達成)
・beatmaniaⅡDX 16 EMPRESS (皆伝全白達成)
・beatmaniaⅡDX 17 SIRIUS (皆伝全白達成 発狂BMS中心の生活となった為、あまりプレイせず)
・発狂BMS LR2beta3 (発狂皆伝16人目達成)
・beatmania IIDX 18 Resort Anthem(DJ POINTランキングに参入し、最高5位まで到達)
・beatmania IIDX 20 tricoro(全EXH達成、フルコンPHP Anotherランキング7位到達)
・beatmania IIDX 21 SPADA ~ beatmania IIDX 23 copula(全EXH維持するもFPS、MMOを中心とした生活になる。)
・beatmania IIDX 24 SINOBUZ ~ beatmania IIDX 25 CANNON BALLERS(たまにやる程度になり、FPS、MMO、MOBA業界の凄い勢いと盛り上がりの現状を目の当たりにして引退を考え始める。)
・引退(上記のゲーム歴+FPSやMMOでの経歴もあってか運や様々な出会いもあってゲーム業界の運営ディレクターとして勤務。)
■出会い
自分が始めたのはbeatmaniaⅡDX14 GOLDの時期です。
当時は高校2年生、元々部活動を特待で入学して強豪校でレギュラー取るぐらいにはもの凄く頑張っていましたが、脚の怪我が原因でドクターストップとなり、家庭の事情も重なったりで精神的に参っていたところにドラムマニアをプレイしていた友達に腐ってるならゲーセン行こうぜと誘われたのがきっかけで弐寺に出会いました。
元々一緒にドラムマニアをやろうと誘われたのですが、当時のドラムマニアV3は凄く人気で行きつけのゲーセンで4人ぐらい並んでいたんですよね。
待つのもちょっとあれだし、見られてるところプレイするのもな~と思い
たまたま空いていたbeatmaniaⅡDXを触ったところ、元々ピアノも幼少期に下手だったけどやっていたおかげかNomal Lv2ぐらいはクリア出来てしまい、ダイナミックな音と思い通りに押せる感覚が快感となり、そのまますっかりハマってしまいました。
その後はお金が無いながらもお昼代を節約してプレイしに行ったり、お小遣いやバイト代を貯めて専コンを購入したり、CSの11 ⅡDXREDを購入したりしてました。プレイ頻度は部活動がそのままbeatmaniaⅡDXの生活に移行したような感覚だったので、ほぼ毎日行ってましたね、それぐらいハマっていました。
そしてbeatmaniaⅡDXの段位認定で二段到達ぐらいで当時通っていたゲーセンの常連の人たちに声をかけてもらったことで仲良くなり自分も常連の仲間入りになりました。
※beatmaniaⅡDXには段位認定というものがあり、6級~皆伝まで全部で17の階級があります。取得するとステータスに段位がそこそこ目立つ形で記入され、そのプレイヤーの実力が簡単に分かるようになっています。
常連の仲間入りとなって通っていたゲーセンでは仲良くしてもらっていたので毎日楽しかったのですが、通ってないゲーセンにはふらっと寄ると当時二段でプレイしている場合は知らない人から挑発的な言葉を浴びせられることがありました。
今でこそ信じられないと思いますが、昔のゲーセンって「雑魚」とか「下手」とか「ここ来るなよ」とかプレイしている最中に後ろから言われることって意外とあったんですよね、しかし上手ければ何も言われず、むしろ賞賛されスゲーって注目される。
自分がたまたま行くゲーセンの民度が低かったせいなのかもですが、音ゲーってかなり実力主義の世界でした。
辛かったんですけど自分はその場合絶対帰らないようにしました。そして相手が帰ったら帰る、後は二度とそのゲーセンには行かなかったですねw
そういう意味では通っていたゲーセンの人たちには仲良くしてもらっていたので今でも感謝してます。
そして毎日プレイしていると自然とどんどん上手くなり、CSのプレイ時間も500時間は超えたあたりぐらいで十段が取れるようになりました。皆伝も頑張っていましたが、beatmaniaⅡDX 14 GOLD中には取れなかったですね。
■固定と皆伝
beatmaniaⅡDX15 TROOPERSになる頃、当時初めて「固定」というのを知ることになりました。
「固定」とは鍵盤の押し方の事ですね、どの鍵盤をどの指で押すのかをあらかじめ決めてしまいそのまま形をほとんど崩さずプレイする。自分の押したい指でバラバラに押す人もいるにはいたのですが、上達の具合は一目瞭然で固定の方が早いです。
当時の固定は「1048式固定」、「DOLCE式固定」、「対称式固定」が有名でした。後々発狂BMSで「手首皿完全固定」というのが出て自分は移行するのですが、それはまた別のお話で・・・!
当時自分が選んだのは「DOLCE式固定」、たまたま常連の人がその固定だったので教えてもらいました。
最初は慣れるまで時間がかかりましたが慣れてくると固定以外ではできないぐらい快適になりました、そこから段位「皆伝」の道のりは案外短かったと記憶してます。
今でこそ段位「皆伝」は珍しく無くなりました、ゲーセンに行けば絶対誰かしらいらっしゃるようにはなったのではないでしょうか。
しかし当時は全国でも取得している人は珍しく、当時20件以上ゲーセンをいろいろ見てきましたが、それでも1人か2人いるかいないかでした。
それぐらい珍しかったです。
自分も当時通っていたゲーセンでフルコンランカーだった方が皆伝だったので、憧れて頑張っていましたが
皆伝の何よりキツイ部分、それが4曲目の「冥」の縦連打でした。
本当になかなかできず、どうあがいても落とされる。
いろいろ試行錯誤してCSでも練習したりしましたが、あるとき常連の一人が面白い話をしてきました。
「BMS」って知ってる?
■BMSの出会いと皆伝の達成
BMSとはPCで無料でできる弐寺のクローンゲームです。
ユーザーが好きに曲を作曲したり、譜面を作成できるゲームで昔から人気のゲームだったそうで、その中でも発狂BMSといわれるBMSの中でも屈指の難易度を誇ったゲームがありました。
どれぐらい難しいかというと、当時のbeatmaniaⅡDXの最大難易度レベル12の中で主に中程度の曲が発狂BMSの世界ではなんとレベル1扱い。
※音ゲー知ってる人に説明するとだいたい「AA」のアナザーがレベル1扱い。
そして発狂BMSにはレベル1~レベル25までの曲が様々あるというすさまじい世界でした。
しかもbeatmaniaⅡDXと同じく段位認定もあり、発狂初段から~発狂皆伝、のちのちoverjoyといわれる段も作成されました。
発狂皆伝はその当時世界で6人、overjoyに至っては「new wave」さんという方ただ一人だけでした。
自分はその話を聞いて、持っていたPCにさっそく「Endless music」というBMSソフトをインストールしてプレイしてみました。そうするとなんと当時beatmaniaⅡDXで十段だった自分はレベル1がクリアできるかできないかで、凄く興奮したのを覚えています。
発狂初段は2曲目で落ちる・・・。こんな世界があったのか・・・!
※当時は「nazo bm play」「Endless music」「Lunatic Rave」というソフトがBMSでは流行っていた印象。
曲もプロでは無く、1ユーザーが作ったにしてはもの凄く作りが良く、当時高校生だった自分はお金があまり無かった為、beatmaniaⅡDXと同時並行でプレイしつづけました。
そして、発狂四段を取得したころ、ついにbeatmaniaⅡDXで皆伝を取得することが出来ました。
当時高校生でしたが、高校生で皆伝はなかなかいなかったんじゃないかなと記憶しています。
ゲーセンでプレイするとたまにギャラリーができ、「あんなの皆伝じゃねーよ」とか嫉妬の声があったりもしましたが、当時の自分は凄く嬉しかったです。
■新たな目標と試行錯誤
皆伝を取得したと同時にこの時は目標を見失ったときでもありました。
皆伝を取ってしまったことで段位の目標が無くなったのです。
当時通っていたゲーセンの常連でも取得していたのは自分を含めて3人だけだったと記憶しており、たまたま当時フルコンボランカーの方と話す機会がありました。そこで「全白」という話を聞きました。
beatmaniaⅡDXというのは難易度とは別に自分でeasyゲージ、nomalゲージ、hardゲージとどれぐらい自分で難しさを設定するか選ぶ事ができます。
ゲージ毎にクリアするとその曲に目立つ形で色がつきます。
当時一番難しい設定のhardゲージでクリアすると曲に白色のマークがつくので、「全白」というのは全ての曲をhardクリアした場合の事を言います。
今でこそ珍しくないですが、当時の「全白」というのは本当に達成しているひとは少なく皆伝でもできている人はわずか、自分も結構いろいろなゲーセンに行きましたが、そのフルコンボランカーの方だけしか見たことが無かったです。
分かる人には分かると思いますが当時皆伝の方でも「冥」、「嘆きの樹」、場合によっては「蠍火」あたりがノーマルクリアで後は全てハードクリアという方が多かったんじゃないでしょうか。
たまに「FAXX」も残ってるという特殊な方もいらっしゃいましたねw
そして「全白」を目指して、自分は発狂BMSで鍛錬を続けました。
発狂六段を取る頃には「嘆きの樹」をhardクリア、残り1曲の「冥」が本当にクリアできませんでしたが、BMSの曲「冥界帰航」(冥と低速地帯がほとんど同じ曲)を練習し、研究を続けて、発狂七段を取得できた頃についに自分は「全白」を達成しました。
全白を達成したことでプレイするとかなり注目されるようになりましたが、そのタイミングで自分史上一番人気だったんじゃないかといわれる作品が出ました。それが「beatmania ⅡDX 16 EMPRESS」
かなり苦しめられた「3y3s」とか「卑弥呼」とか「Go Beyond」とか出たときには大丈夫かこれって思いました・・・w
「冥」ほどの苦労もなく、全白、皆伝取得と進めていき当時mixiやbemani snsといわれる、今でいうX(旧Twitter)のようなものが人気となっていて、せっかくだから広く交流しようと思い、同じ趣味の人を探したりしました。
そこで本当に世界は広いなと思いましたね、色々な方とお会いして交流を広げましたが、その中でも冥を当時でAAA寸止め(-10ぐらい?本当にめちゃめちゃ上手い)方だったり、フルコンボで当時1位の方だったり(MENDESその場でフルコンされる・・・w)音ゲーの話をするのが楽しく、交流を深めることをメインにしてしまった自分は完全に目標を見失っていたのですが、そこでたまたまあった方に発狂BMSの「発狂皆伝」の話を聞くことになります。
■常人では到達できない発狂皆伝の世界
「発狂皆伝」は当時世界でたったの6人しか到達者がいなかったです、PCゲームの為、チートもやり放題な時代だったのでその中でも2人しか信憑性が無く自分は完全に発狂皆伝を諦めていました。「あれは人間ができる領域じゃない」そう思い込んでいたのです。
ただでさえ常連のフルコンボランカーだった人も発狂BMSについては発狂十段だったので、まあ普通に不正しかいないんじゃないかな、無理なんじゃないかな~と思っていました。
しかし、ある一人の方がニコニコ動画で発狂皆伝をクリアしたという動画を手元付きで投稿していることに気づき、自分はそれを見て人間でもクリアできる領域なのかと理解し、目指すことにしました。
今では珍しくもなくなりましたが「手首皿完全固定」という、そんな固定のしかた発想もしなかったという固定がありました。
その固定は後々、ニコニコ動画で発狂皆伝をクリアした人とフルコンボランキングで1位だった人が使用した事で広まっていきました。
クリアラー、フルコンボラーの究極の「固定」と言われ、今ではその固定の弱点だったスコアも出せる方がいます。
その当時は発狂十段で満足していた自分でしたが、新たな目標「発狂皆伝」ができたことで研究を進めていきました。
しかし、本当に当時は練習できる曲も少なく到達するのに1年以上かかったと記憶しています。
そして研究と練習している最中に発狂BMSの新たなソフトが公開され話題になっていることに気づきました。それが、発狂BMS史上で一番人気となった「LR2 beta3」です。
「LR2 beta3」はプロフィールが書けたり、コメントを記入できたり、スコアやランクも分かりやすくなっていたり、段位認定もあったり、発狂BMSの名だたるプレイヤーも移行してたりでメリットが凄かったので移行する事に決めました。
そしてbeatmaniaⅡDXはナンバリング17のSIRIUSが公開されました。
SIRIUSからチャージノートと言われる、いわゆる長押しが追加されました。
ボス曲の「Almagest」が公開されたときは衝撃でしたね。
この当時はどちらかというと発狂BMSの方をメインとして頑張っていたので、あまりSIRIUSはプレイしていなかったような気がします。
「発狂皆伝」どうすれば取れるのか、当時は達成するだけで注目されました。嫉妬や賞賛いろいろありましたね。
「1048式固定」で発狂皆伝を取得したという情報がありましたが、
「DOLCE式固定」で発狂皆伝はいませんでした。
2ヵ月毎ぐらいにクリア報告が続々とあがり、見ないようにしていましたが、その当時で15人程達成していたようですね。
「LittlE HearTs GOD」や「Forcefull beat」が特に苦手だったので、研究に研究を重ねました、どのタイミングで皿を回すか、皿回す時に1と3の鍵盤はどうするか、餡蜜はどこまでやるか、そんなことを毎日決めながら進めた結果ついに、「発狂皆伝」を取得することが出来ました。
「DOLCE式固定」では当時いなかったんじゃないかと記憶して浮かれていましたが、当時の15人とクリア状況を見比べて愕然としました。
レベル22とレベル23のクリア状況がまるで違う・・・。
完全に段位をクリアする事だけにターゲットを絞っていたせいでクリアマークを疎かにしていました。
とにかく彼らに追いつこうと努力しましたが、「DOLCE式固定」ではどうやら皿を回す瞬間と回した後の鍵盤に指を戻す動作が「1048式固定」程スムーズにできない為、そこでどんどんゲージを持っていかれクリアできていない事に気づきました。
この固定では限界か・・・。
そんな言葉も頭によぎりました。
しかしダメながらも「DOLCE式固定」でとにかく頑張りました。
最終的にはレベル23の「LittlE HearTs GOD」easyクリアぐらいまでは何とかなりましたが、そこが限界でしたね。
■HEYHEYHEYピピピピー!とDJ POINTランキング
そんなこんな発狂BMSを頑張っていると、beatmania IIDXはアップデートになり、18 Resort Anthemになりました。
発狂BMSではすっかりクリアできる曲が無くなってしまい、毎日絶望していたのですが、ここでbeatmania ⅡDXに戻ってみようと思いました。
Resort Anthemも難無く全白・・・!とはいかなく1曲が自分をかなり苦しめた曲があります。
それはみんな大好き「灼熱beach side bunny」・・・。
スクラッチがとんでもない量降ってくる曲なのにもかかわらず、当時の筐体ではそこまでスクラッチが反応出来ないという、そのうち譜面が修正されるんじゃないかと願うような曲が登場してしまいました。(今ではスクラッチが反応するようにゲーム自体が修正されています。)
なので当時はわざとスコアを犠牲に早めgood判定から入り、遅めgoodでスクラッチを回しきるみたいな高等技術でハードクリアを目指すような曲がありました・・・。本当に粘着しました。冥と同じぐらいかかったんじゃないかな~と思いますね。
そして、灼熱も無事ハードクリア後は目標が無くなってしまったので、どうするかと思っていたところ、DJ POINTランキングというのを目にするタイミングありました。
DJ POINTランキングとは
1曲のスコア、フルコン、クリア状況に応じてポイントが入り
それを全曲合計したポイントを競うランキングの事を言います。
自分は全白してフルコンもそこそこ持ってはいたので、スコア練習と自分の力がどこまで通用するのか試したくなり、DJ POINTランキングに参入しました。
しかし、ランカーの方達はとにかくスコアがたっかい!
ずっとクリアとフルコンしかしてこなかった自分はスコアが疎かだったので、自然とスコアを目指すようになりましたがなかなか厳しかったですね。
いろいろあり最終的には最高で5位までいけるようになりましたが、そこからの壁はキツかったですね、ほとんどの曲がMAXマイナスレベルのスコア、冥含めてレベル12は全てをAAAぐらいのスコアじゃないとそこから上は無理だと思いました。
そんなこんなで弐寺はプレイを続けましたが、ついに自分が弐寺を辞めるきっかけに出会います。
■音ゲーには無かった凄い世界
ある時、PCでいろいろ検索していると海外のFPSのプロ選手が試合している動画や高グラフィックなMMORPG等のPCオンラインゲームを目にする事が増えてきました。
格ゲー、FPS、MOBAではプロゲーマーが発表され、MMORPGではゲーセンに劣らないクオリティの高グラフィックな無料ゲームがでてき始めていたのです。
プレイ人口は少し調べただけでも音ゲーと比べて、天と地のレベルで多かった絶望を今でも覚えてます。
そしてここで自分はあることに気づき予想しました。
「たぶんこのままオンラインゲームが進化を続けていったら、いつか音ゲーなんて衰退してしまうのではないか・・・。」
「いやさすがに音ゲーも負けてないはず・・・しかし気になるので、面白そうだし一旦プレイしてみるか」と思い、インストールして2年ほどプレイしてみました。
ここで気づいている人は気づいているかと思いますが、上記の簡単な経歴で「beatmania IIDX 19 Lincle」の記載が無いですよね。
これは自分が「beatmania IIDX 19 Lincle」は全くプレイしていないからです。その間FPSとMMORPGをプレイしつづけていたからですね。
FPSではとあるゲームをKD63%までやりこみそこそこ強いクランに所属しました。
MMORPGでも、とあるゲームでカンストまでプレイし、beatmania程ガチで進めては無かったですが、当時一番難しいレイドをクリアぐらいは頑張っていました。
SKYPEを繋ぎながら一生懸命やってたのは懐かしいです。
そんなこんなでFPSとMMORPGの界隈を見てきて思ったのが、無料でゲーセン以上の楽しみを既に提供できつつあると思ったことです。
FPSの試合の動画やMMOの攻略動画は見ていても面白く、視聴回数も音ゲーと比べて回数が多かったです。
すぐでは無いけど、いつかはゲーセンのゲームも無くなってしまうのでは無いかと予想して音ゲー好きのFPSの仲が良かった人と話したのを今でも覚えています。
そして、それは今では現実になりつつありますが、また後で話しましょう。
■再会とやっぱこれだわ
約2年間別のゲームをやり込み、仕事帰りにたまたま立ち寄ったゲーセンがありました。
自分の地元ですが、あまり綺麗では無く、昔ながらのゲーセンで音ゲーだけはメンテナンスができているゲーセンでした。
そこでたまたま、自分がbeatmaniaⅡDXを始めたばかりに通っていたゲーセンの常連さんがいて声をかけられました。
「超久しぶりじゃん、元気?」
「お久しぶりです、久々にゲーセンに来ましたがシリーズ20になったんですね~」
いつの間にかbeatmaniaⅡDXは20 Tricoroとなり、ゲージに何とEXHARDというものが追加されている・・・。
そんな話をしながらその常連さんがまた通っていたゲーセンに人が集まるようになるから是非来ない?と誘いがありました。
自分自身常連さん達にはbeatmaniaⅡDXの出会いと更に一緒に長い間遊んでもらった恩があるし、何よりその頃が凄く楽しかったので久々に集まるならまた行こうかなと思い、後日行くことになりました。
行ってみるといつもの常連に何人か知らない人も増えている・・・!
後やっぱり常連はレベルが高い。
beatmania IIDX 19 Lincleをまったくやってなかったので、曲が凄く増えており、何より、EXHARDが追加されているのでほとんど全曲やり直しやん・・・と思いましたがみんな仲が良く、コミュ力高い人が多いので久々に楽しくゲームができました。その時に自分が思ったことが
「やっぱこれなんだな~」
やり始めたときには純粋な気持ちで始めたbeatmaniaⅡDX。やっぱり楽しいんですよね、将来的には厳しいんじゃないかとかそういうのは全く関係なしに楽しめるのはなかなかあるものじゃない、そう思いとりあえずやれるところまでやってみようかなと思うようになりました。
■意外な壁と手首皿完全固定への移行
EXHARDそれにしても、やってみるとめちゃめちゃゲージが減る減る!普通のHARDと比べてもかなり難しくなっていました。
しかし発狂BMSをやり込んでいたので、なんだかんだで結構EXHARDで埋めることはできて、冥、卑弥呼、灼熱、Timepiece phase II(CN Ver.)等難曲でつまづいてしまい、以外にもFAXXも結構時間がかかりました。
そこでたまたま久々にmixiで会ったフルコンボランキング1位の人と会うタイミングがあったので手首皿完全固定について聞いてみることにしました。
さすがに全てEXHARDクリア済みで、フルコンボもかなり埋まっている状態卑弥呼ももうフルコンで埋まってたっけか・・・。
彼のプレイを見てレベルの高さの違いにやはり変えるべきか、いろいろ迷っていましたが、ここで「手首皿完全固定」に移行する事を決意しました。
最初は本当にできなかったのですが、3ヵ月もすると違和感なくプレイすることが出来ました。
しかし、手首皿にはデメリットもあります。皿曲には極端に弱く、スコアも出づらいというデメリットです。
※当時スコアを狙う場合は小指で皿を回す方がスコアは出やすかったです。連皿になるともはや手首だと本当に光らない時代でした。
しかし自分はDOLCE式固定も使用できるので、皿曲、スコア狙いは引き続きDOLCE式固定を使用したり、手首皿と両立して進める事を決めました。
最終的にはこれが正解で、全EXHARDクリアは現実のものとなりました。
■フルコンの世界と意外な学び
発狂BMSを手首皿完全固定でプレイしていた時に今までクリアできなかった曲がどんどんクリアできる。
最終的にはレベル21、レベル22は全HARDクリア、レベル23はEASYランプ点灯ぐらいまでは出来るようになりました。
そこで、当時ゲーセンに通っていた常連の一人が「そんなに押せるんならフルコンランキング目指してみても良いんじゃない?」とフルコンランキングについて、FCPHPというサイトについて少し教えてもらいました。
フルコンボは1曲を1度のミスもなく全てコンボする事で曲のクリア状況が虹色に点灯し、そのフルコンボした曲の数を競うというのがフルコンランキング、実にシンプルですがそういうランキングがありました。
しかし当時は公式でランキングが無く、有志が作った有名なサイトがあり、そこで登録することでランキングを競う事ができました。
発狂BMSも順調にクリアを増やし、クリア率でも良いところまできてるし、かなり自信がついてきたのでさっそくフルコンを狙ってみることにしました。
しかし、意外と狙ってみると難しい。
ずっと粘着していると癖もつくので、たまにやりつつ時間を空けてやった方がいいのかもしれない等、色々工夫してやるようにしました。
最終的には「嘆きの樹」Anotherはフルコンができるぐらいには成長しました。当時はまだ数人しかいなかったように思いますが、凄く嬉しかったのを覚えています。
ランキングも徐々に頑張っているとAnotherの未フルコンは11個まで成長し、いつの間にかAnotherランキングで7位に・・・!これが最終的に自分の最高ランクでした。
周りにもかなり凄いと言われ、自分が知らない人なのに向こうは知っているというような有名人特有の現象?も少し体験できましたね。
そしてランキング上位になった事で様々な人と出会う事ができた自分はあることを一つ学びました。
それが、ランキング上位の人間は真面目で、できた人が多かったという事です。(残念ながら音ゲー界隈は変な人もたまにいますが・・・。)
ランキング上位の人達は他人と向かい合ったり、他人を卑下したりする方はほとんどないです。
「自分はランカーだ!」「あいつは駄目だこうだ」と言っているような人は残念ながらランキング上位と見せかけた中途半端な人が多いです。
それでもランキング上位だとしたらそれは一時的なものだと言わざるを得ないでしょう。
本当の上位ランカーの方達はどちらかというと自分と向かい合って日々戦っています。どうすればそもそも上手くなるのか、どうすればここのミスが無くなるのか、精神的な部分が問題なのか、そもそも運指がおかしいのか、癖なのか、早めに入りすぎてるのか、そんなことを日々考えている方が多く、そもそも他人と向かい合う暇は無いです。自分と向かい合う事で極限まで成長させているので真面目な人が多いというのが自分の感想でした。
他の業界でもそうですよね、例えば野球でいう大谷さんやイチローさんがそもそも他人がどうこうとか、自分がこれだけすごいとか言ってるように見えるでしょうか。
ぶっちゃけ言わなくても勝手に広まるものでしょう。わざわざ言う必要も無いのです。
FPS、MMOでも当時は何人かの方と関わらせていただく機会がありましたがこの考えはほとんど当てはまっていると言って良いですね。
■引退とゲーム業界
ようやく本題になりますね、結構厳しい意見を多く書くことになりますが大前提として自分は音ゲーが大好きです。それだけは嘘では無いですね。
でなければ上記のようにどれぐらい好きだったのか、beatmaniaⅡDXや発狂BMSの事を書き綴ることもないでしょう。
ではなぜ辞めたのか、辞めたのは2016年になりますね。
それは「ゲーセンの音ゲー自体が衰退すると予想できたことと、他ゲーとの民度の差や、盛り上がりの差、将来性を見たときに自分のプラスにはならない、続けたらいつか後悔するだろうなという思いが強くなったから」ですね。
2024年になって、昨今音ゲーが置いてあったゲームセンターが続々と音ゲーを撤退させており、UFOキャッチャーを多く導入する事が増えました。
更に無料PCゲームや無料スマホゲームのクオリティの高さから、ゲームセンターのゲームのクオリティが完全に追い付かれてしまったこともあり、売り上げがたたず閉店が相次いでしまっています。
他ゲーがeスポーツとして取り上げられ、beatmaniaⅡDXもだんだんとeスポーツになったとテレビでも取り上げられたりしていましたが、FPS、格ゲー、MOBAと比べると盛り上がりはどうでしょうか。
FPS、格ゲー、MOBAはプロゲーマーが億レベルの超高額な賞金を稼げるようになり、企業がゲーマーを選手として雇ったりスポンサードするようになりました。
更にプロを引退しても最近ではストリーマーとしての道も進めるようになりましたね。
FPS出身のストリーマーは最近人気ですが、動画は100万回再生されるのも珍しくないレベルで再生される事が多いです。
しかし音ゲーマーの動画はどうでしょうか。ぶっちゃけ有名プレイヤーでも10万回再生されれば良い方です。この簡単な再生数だけを見ても10倍以上の差になってしまっています。
そして更に自分は今ゲーム業界の運営ディレクターとして企画書書いたり、プロジェクト管理でQAチームやデザイナーチームに指示したりなど、他にもいろいろしてますが、そんな感じで働いています。
ではゲーム業界は倍率が高く入社する事はそこそこ難しいのですが、なぜ入社できたのか。
それは「音ゲー以外のゲームも頑張っていたおかげ」だったからでした。
音ゲーの経験ってどんなにランキングに載っていようが、頑張ろうが全然重視されないどころか、履歴書に書いても面接でフランクな話になる時に話題にもならなかったんですね。
逆にMMORPGとFPSの話が盛り上がる事が多く、今でも仕事として他企業の方と面談で話したりした際にそれがアピールに繋がるという事が本当にかなりありました。
更に入社後に当時面接官だった先輩と話をしましたが、音ゲーの事ってあんまり興味ないんですかね?という話をしたら、「いや特殊なジャンルな上にユーザー数も少ないじゃん」とグサっと言われて切り捨てられたのは本当にショックだったんですが、今でも覚えてます。
上記で「ゲーセンの音ゲー自体が衰退すると予想できた」と書きましたが
その予想は結局現実のものとなりました。
今になって思いますが、完全にPCオンラインゲームにユーザーが持っていかれてますよね。
FPSだと「APEX」や「VALORANT」が流行、
MMORPGだと「FF14」「原神」が流行、
MOBAだと「LOL」「Dota2」が流行等、これらを見てると音ゲーって本当に衰退していってるんです。
そしてプロゲーマー界隈はどうでしょうか。
beatmaniaⅡDXのプロゲーマー自体はできているみたいですが、格ゲー、FPS、MOBAのプロゲーマーと比べると一目瞭然ですよね?
しかしこの各ジャンルと同じぐらい音ゲーを流行らせるチャンスはあったと思います、大会がテレビで放映されたり、コナミ専属のプロが一人誕生したり。
凄い当時は盛り上がってる最中だったので配信なども上手く組み込むことで更に広めたり、他企業に宣伝したり、一般のユーザー層や別のゲームをプレイしているユーザー層にも広めたり等、やり方次第ではいくらでも広めていくチャンスは実際ありました。
別業界で言うと格ゲー界隈は梅原氏が最初は一人で広めていき、企業努力も積み重ね、上手くやった結果今ではプロ以外でもストリーマーとして成功している方が多くいます。
FPSもプロが広まっていきましたが、最近ではストリーマーとして成功している人が多く、右肩上がりになっていますね、FPSやesportsを専門にするVtuber、元プロのVtuberも多く出てくる時代になりました。
MOBAは日本では流行っていないですが、世界で見るとどうでしょうか。LOLはいまだにプレイ人口現在でもかなり多く、ピーク時には1億人がプレイ。プロの賞金も億を超えてきます。
更に、衰退の最大の原因に「ユーザーの質」もあります。
まず一つ目が昔ながらの悪い風潮ですが、音ゲーは初心者お断りの空気がどうしてもあります。
普通の人からすると取っつきにくいですよね?昔は我慢してプレイすることで最初はきつかったですが、だんだんと慣れていき楽しくなってくるという事がありましたが、残念ながら今では我慢してやろうとする人は少数だと思います。
一番これから流行りそうという時にトッププレイヤーが大きい事件を起こし炎上したり等、ユーザーの質はあまり良くないですね。
二つ目は音ゲートッププレイヤーでさえも「人を玩具」にしてしまうような言動がX(旧Twitter)であったという事実です。
たぶん自分が知る民度が今でも変わっていないのであれば、この記事もネタとして玩具にされるんじゃないでしょうかね。それぐらい民度は良くなかったです。
ぶっちゃけ業界の人間となった自分目線でもトッププレイヤーがそれだとそりゃ企業も音ゲープレイヤーをスポンサードしたくないでしょう。
企業に泥塗るような界隈や人物をスポンサードしたら会社の信用を失いかねません。
普通に選択肢から外すのは自然のことじゃないでしょうか。
意外と企業は界隈で有名な選手やプレイヤーの言動や動向って見ていると話しで聞きました。
例えばXでの動向だったり、発言、調査、時には動画や生放送も見たりして悪い評判や企業と合わないプレイヤーや選手の場合は密かに見送ったりしているそうですね。
そうやって実は見えないところでチャンスを棒に振っている事は実際あるんですよね。
これらを長年いろいろ見てきた結果自分は音ゲーを辞める事を決心しました。そしてやはり今でも早めに辞めて本当に良かったと思っています。
2016年に完全に音ゲーと離れましたが、離れた際に自分の場合は本当に運が良かったのもあると思いますが、自分の好きな事を仕事にできるタイミングがあり、そこで音ゲーで頑張っていた努力を完全に仕事に向けることにしました。
その結果今では自分で言うのもあれですが、そこそこ結構良い暮らしができてますし、毎日本当に充実しています。結婚して子供もできました。
あまり言いたくは無いですが、ここだけの話、音ゲーにのめり込んだ挙句今では結構冗談言えない人生状況になっている人もいます。(実際何人か知っています・・・。)
自分の場合も、もしも今でも音ゲーをプレイしていたら今の仕事には巡り合えていないでしょうし、かなり運が良かったと思っています。
もっと遅くに気づいていたら何でこんなゲームに時間を費やしてしまったのだろうとかなり後悔していたと思いますね。
上記でも書きましたが、自分は音ゲーが大好きです。しかしそれは早めに辞めれた事も込みで好きなんだと実感しています。
■最後に
ここまで読んでいただきありがとうございました。
気づいたら1万文字とかになってて笑いましたw
不快になってしまう文章もありで大変申し訳ないのですが、嘘を書いても仕方ないので、自分の思うところを正直に書かせていただきました。
今でもプレイしている音ゲーユーザーの方に自分から言えることとしては
楽しむ程度で趣味の中の更に趣味レベルでやってくださいという事です。
自分のように部活というか人生というか、のめり込んで音ゲーやるとかなり後悔します。FPSとかMOBAの場合は頑張れば頑張る分だけいろいろな道が開けてやる意味がありますが、音ゲーは本当に評価もされないですし自己満足になってしまい本当になにも残らないんです。
しかし音ゲー頑張れる人は断言できますが他ゲーでも同じぐらい努力すれば絶対に活躍できるポテンシャルがあると思います。
個人的な感想になりますが、ぶっちゃけFF14をプレイして、早期零式踏破などもしましたが音ゲーの努力量より明らかに全然少ない回数で済みましたし、LOLでランクダイヤまで短い期間ながら行ったことがありますが、明らかに発狂皆伝より試行回数と努力量が少なかったです。
音ゲーはシンプルですが単純にゲームとして難しいです。EXHARDやフルコンはもはや死にゲー以上の領域ですし、発狂BMSレベル21以上、overjoyレベルになると単純に譜面研究だけでは乗り越えられず、自力を上げるためのトレーニングや認識力を上げる為のトレーニングも必要になるゲームです。
普通に考えたら他のゲームよりも努力量や操作量が圧倒的に多いゲームなんですよね。
だからこそ音ゲーは一般人や別ゲー界隈から見て「キモい」とか「何やってるか分からない」とか「こんなのできるやつは天才だろw」とか言われることがあります。一般人の理解の外にあるレベルのゲームだからなんだと自分は思いますね。
だからこそ音ゲーを頑張れる人は他ゲーでも間違いなく努力すれば絶対に活躍できるポテンシャルがあると言えます。
しかし、音ゲーは理解の外にあるゲームだからこそ、受け入れられず、流行らないというのも総じて言えるのは悲しいところです。
今思うと自分は弐寺をそれだけ頑張ってた分の努力を、FPS、MOBA、MMORPGに回していれば・・・。あまり考えたくはないですがたぶんかなり良いところまでいけたんじゃないかと思います。
しかし、自分が音ゲーを選んだのは運命なのでしょう。今の生活が一番幸せなのでこれで良かったと思っています。
最後にこの記事を読めた人が一人でも参考になり、気づきになっていただければ幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
■追記
投稿してからそこそこ経過しましたが、初投稿にも関わらず反響をいただいているみたいなので、文章が変になっている部分や詳細が書けていない部分を修正いたしました。
こんな拙い文章に反響をいただいてありがとうございます。