光のとこにいてね | 一穂ミチ
題名に惹かれて即決した一冊
あらすじを知らずに購入したけど
とても好きな物語だった
女性として生まれてきたからには
少なからず一度は経験すると感じた
女性特有のコミュニケーションが綿密に描かれていて、その独特な空気感が言語化されていて面白く、常にその場に自分がいるかのような、主人公たちの姿を目の当たりにしているような臨場感あふれる描写に時間を忘れてのめり込んだ
それに私は登場人物がとても好きだった
恋愛とか友情とか自分の人間関係を
何かの型にはめて見られることもあるけど無理にはめる必要はないし、だれかとだれかの関係を勝手にカテゴライズすることもしたくない
大人も子どもも関係なく
相手を一人の人として接したい
自分の心の中にある大切にしたい気持ちを誰かに打ち明ける必要もないし、例え親しい人であってもそこに土足で踏み込むようなことは絶対にしたくない。とそんな風に感じた
初めて最後まで躊躇わずに読み切った作品
のめり込んだ本ほど終わってしまうのが寂しくて
結末を知りたくなくなって残り20〜30ページを読まずに閉じてしまうことが多い
そして熱が冷めた頃に冷静になってから読み返すことが日常になっている
仮に自分が作者だったら
いやいや、そこに力を入れてるんですが!?
と思うかもしれないけど
昔から好きな本であるほど最後が読めない
でも今回は違って
主人公たちの向かう先(未来)が知りたくてたまらず、最後まで躊躇うことなく読み切った
これは私にとって初めての経験だったとおもうそれだけこの物語が愛おしかった!
終わり方もすごく良かった
ほんとうに好きな1冊になった
タイトル買いした理由と柴田陽子さんの言葉(本より)
本を読む前から『光のとこにいてね』というタイトルが好きだった
本を読み終わってもっと好きになった
その好きには理由がある
それはまだ学生の頃
ブランドプロデューサーの柴田陽子さんの本を読んでいたときに「道の真ん中を歩く」という言葉が出てきた
たしか『勝者の思考回路』の一節だったと記憶しているが、当時の自分にとってその言葉がとても印象的だった
正しい意味は本を再読するとして
当時のわたしは「常に偽りなく、堂々としていて、快活なさま」を思い浮かべた
そしてそんな風に日々を積み重ねたいと思った
ただ当時の自分には「道の真ん中を歩く」というニュアンスがちょっと図々しさを含む気がして(著者はそんな意味を込めてないが、当時の自分にはちょっと言葉が強く感じた)
いつの間にか「陽の当たる道を歩こう」と自分で言い換えて、この言葉を大切にしていた
物事の大小は関係なく、どんなに些細なことであっても他人にはもちろん、自分に対しても偽りのない状態
脚光を浴びたいという訳ではなく、どんなときも堂々とお日様の下を歩ける人でいたいと思った
その、自分が大切にしていた言葉と
少し似ているところを感じて手に取った一冊
とっても良かったーーーー!!