"Connecting the dots."「L'ora blu(ローラブルー)」誕生ストーリー
スティーブ・ジョブズの伝説のスピーチの中で語られた言葉です。
日本語にそのまま翻訳すると「点と点をつなげる」という意味になります。
"Connecting the dots."とは過去の経験が、その当時は思いもよらなかったことに繋がること、目の前のことに集中することの大切さを伝えている言葉だと考えています。
「L'ora blu」の誕生のきっかけを振り返ると、「さまざまな人との出会い・自分の過去の行動(=dots)」が「L'ora blu」の誕生につながったのだなとしみじみと感じます。
大学卒業後、2つの会社で営業を行なったのちに、2006年より家業の婦人靴メーカーのEC部門として新会社を設立し、ファッション業界で働いていました。2019年に父が亡くなったことをきっかけに、「釣り人向けのアパレルブランドD2C事業」での独立を決意。翌年、受講した「D2Cセミナー」の講師の1人がMakuakeの方でした。それがきっかけでMakuakeで最初のアイテムをリリースすることに決めました。
2020年9月に、アパレルを中心としたフィッシングライフスタイルブランド「Bywater(バイウォータ)」を立ち上げるべく株式会社GOODIEを設立しました。この時はまだレザーブランドを立ち上げるなど想像もしていませんでした。
2020年12月にMakuakeにてリリースした「釣り特化型パンツ」が「630万円」ものたくさんの応援をいただき話題となったことで、但馬信用金庫の宮崎さんから「かばん業界若手育成塾」への協力企業としての参加を依頼されました。宮崎さんが「釣り特化型パンツ」を知ったきっかけは私の母校の大学のコミュニティでの投稿だったらしく、母校がつなぐ縁でした。
兵庫県豊岡市のかばん産業振興を目的とした「かばん業界若手育成塾」に参加した際に、「L'ora blu」のレザーアイテムを縫製してくださるラ・ヴェッタ株式会社の木下さんから「フィッシュレザー」の提案を受けました。「フィッシュレザー」の存在自体は、家業の婦人靴メーカーをしている際に業界紙で見たことがあり知っていましたが、実物を見るのは初めてでした。メインの提案は別のアイテム(釣り関連の提案)だったのですが、フィッシュレザーが面白い素材だと感じたこと、木下さんも釣りをされることもあって話が弾み「釣りとも親和性があるし、フィッシュレザーでなにかやりましょう」と話になりました。
それから数ヶ月間、フィッシュレザーについて調べたり、どういったものができるかなど考えたりしているうちに、フィッシュレザーを生産されている株式会社シンクシー野口さんの「生命の恵みを無駄にしない持続可能なものづくり」という言葉に共感して、さらに興味が増してきました。
ある日、日の出前から釣りをしていて、世界が青色に染まる瞬間「ブルーアワー」の海を眺めている時に、「フィッシュレザーで海の波・グラデーションレザーで変わりゆく空を表現したレザーアイテムがつくれないだろうか」と思い立ちました。
そして、たまたまその時期に「Bywater」のPOPUP出店を富山県でおこなっていたこともあり、富山県氷見市まで、フィッシュレザーを生産されている株式会社シンクシー野口さんに会いに行きました。話を伺うと、野口さんがフィッシュレザーを作り始めた頃に参加していた氷見市のプロジェクトが、私が前職時代にフィッシュレザーの存在を最初に知った記事のプロジェクトだったことがわかりました。野口さんとも話が弾み、1時間程度の滞在の予定が2時間以上も話し込んでいました。そして「生命の恵みを無駄にしない持続可能なものづくり」という言葉にさらに共感し、野口さんとは別の形で「フィッシュレザーの普及」に一役を担えないかと思うようになりました。
それと並行して、レザーを自分が思い描くイメージのようにグラデーション染色ができる会社を探しましたが、なかなか見つかりませんでした。その後、会社名は非公開ですが、元々グラデーション染色をされていない会社に頼み込んで、グラデーション染色をしていただけることになりました。何度も何度もテストを繰り返して、自分のイメージする美しいグラデーションを描いていただけるようになりました。
ロゴに関しても、「Bywater」のロゴを担当してくださったデザイナーの都合が合わず、新たなデザイナーさんを探さなくてはいけませんでした。起業前の「D2Cセミナー」のゲスト講師をされていた方が主催するD2Cのコミュニティで知り合った方が、中里さんを紹介してくださり、素敵なロゴが出来ました。そして中里さんからフォトグラファーの細川さんを紹介いただき、素敵な商品写真を撮っていただきました。
また、「L'ora blu」「Lora magica」「Il notturno」のカラーと対になる風景写真(ヘッダーの画像画像など)は、中学からの同級生でもある写真家竹沢うるま氏から提供いただきました。ブランドコンセプトを思いついた際に、次に頭に浮かんだのが「竹沢くんの風景写真使わせてもらえないかな?」ということでした。以前から「何か一緒にできたらいいね」と話をしていて、ようやく実現することができました。
そして、グラデーションレザーの原料となる革を提供いただいている株式会社セナレザー渡辺さんとも、新しい別の取り組みを検討中です。
「釣り」「Makuake」「母校」「フィッシュレザー」「D2Cセミナー」「D2Cのコミュニティ」など、さまざまなことがつないでくれたご縁(=dots)がつながり、たくさんの方に協力いただいて、「L'ora blu」は誕生しました。
"dot"が一つでも欠けていたら「L'ora blu」は誕生していなかったかもしれません。
たくさんのご縁に感謝すると共に、「L'ora blu」の誕生に尽力いただいた方々に感謝いたします。