不惑を過ぎてから麻雀を覚えたおじさんが点数計算に惑ったので、これ以上ないほど簡易に、符をなるべく考えず点数を導く方法を模索し、かつ点数計算についても、これでもかというほど丁寧に4000・8000で1万6千文字語る記事
そしてその簡易なる手法を四苦に八苦を重ねてA4サイズ一枚の虎の巻に纏めてみたのですが
そこに至るまでには紆余曲折があったのです
その纏めたという『虎の巻』について読みたいのであれば、ここの章は読む必要がないので飛ばして構いません。
虎の巻では、符をできるだけ考えずに点数を導き出す手法を用いているのですが、その虎の巻の話をする前に、符や点数計算について話しているからです。
ですので、そういった難しい点数計算のことを話している次の章も、その次も、さらにその先の幾つかの章も飛ばしていただいて大丈夫です。
極限まで符計算をせずに平易に点数を出す『虎の巻』を読みたいのであれば、目次から「点数計算法について話します」という大見出しのところまで飛んでください。
そこに至るまでは本当に長い前置きが書かれております。
一応、それを読んでおけば点数計算について大変整頓された知識を頭の中に仕入れることができるということは保証いたしますが、必要なしと見るならば飛ばしていただいて構いません。
兎角、ぱっと平易に点数を出せるようになりたいのであれば、その章へ行くのが吉です。
追記
あまりにこの記事が長すぎるので、新しく、簡単に点数を出す手法のみを纏め上げた記事を公開いたしました。
符について、点数の計算について、その他諸々詳しい話は一旦要らないので肝要のところだけを知りたいという方はこちらをお読みください。
平成の半ばに大学生活を送っていたのにも関わらず、そもそもに私は麻雀に縁がなく
大学時代も、卒業してからも一度たりとも卓を囲む経験をせずに生きて参りました。
当時、つまりは2000年代初頭、まだ21世紀の世界に馴染んでいない大学生といえば、平日週末を問わず、木造畳敷きの襤褸いアパートメントに夜な夜な集い、狭い六畳間で乾き物、缶詰、誰かの地元から送られた見慣れない珍味を肴にビール、酎ハイ、パックの日本酒をチャンポンし、限界まで吸い切った莨の吸殻は、山盛りで入りきらないアルミの灰皿の隣に置かれた2ℓペットボトルか、飲み終えたビールの空缶に突っ込まれ、部屋の片隅では誰かが潰れて鼾を奏で、紫煙がモクモクと漂い、視界も悪ければ肺にも悪い空気の中、麻雀卓を囲み、夜を徹して半荘に半荘を重ねるものだったのでしょうが、一体どうしたことなのでしょう。
あまり深く考えると佳からぬ真相に到達してしまう恐れがあるので、もうこれ以上、なぜこのような、令和のキラキラとした大学生活よりは、70年代の日活映画の雰囲気の方に近い大学生活を送りながらも、この体たらくだったのか、という過去のことは考えないようにいたしますが、兎にも角にも私は、そんな昭和の香りが色濃く残存した時代に大学生でありながら、そして会社員として過ごしていた時期もありながらも、終ぞ麻雀にエンカウントすることもなく、然りとてこちらから麻雀に秋波を送ることもなく、ただただ人生に於いてお互い交わる機会なく過ごしておりました。
無論ルールも知らず、牌の読み方も、役の名前も知らずにのんべんだらりと生きてきて、一年ほど前、齢四十を過ぎてから何を思ったのか突如として麻雀を始めたのです。
私が始めたのは『雀魂』という、スマートフォンやコンピュータでプレイできる麻雀のビデオゲームでしたが、セカンド成人を過ぎた私の衰えた頭ではルールを覚えるのにすら七難に八苦を重ねなくてはならず、それでもどうにかこうにか覚束ない手つきで打てるようにはなりました。
とはいえ未だ役の飜数もあやふやだし、上がってみれば自分でも気づかない役が付いていることもしばしば、多門張となると待ちが何なのか混乱するし、一向聴であったことに聴牌して初めて気づくこともある始末なのです。
そして何より蟹より鬼門なのが点数計算でしょう。
しかし、これらはビデオゲームである雀魂では足枷にはならないのです。
上がれば役は勝手に数え上げてくれるし、聴牌すれば待ちを教えてくれ、立直するかしないか指示してくれます。
そして最終的に点数は自動で計算され、点棒授受も完了します。
従って私は一年ほど麻雀を打ってはいるものの、幾度上がろうと点数が何点になるのかわからないまま此処まで来てしまいました。
途中点数計算を学ぼうという殊勝な心がけを持ったこともありますが、チラと見ただけで複雑奇怪にして難解苦渋、元服した少年の年齢を三人足してもまだ足りない程に年を重ねた初老の頭脳ではとても受け付けられないとすぐさま目を逸らしたのです。
私には場末の雀荘で打ってるおっさん達ですら理解できることが理解できないのだと、場末のおっさん達に畏敬の念を抱くまでになっておりましたが、やはり麻雀をやるのなら点数くらい把握しなければと再度一念発起し、針の穴に丸太を通すような塩梅で無理に矢理を重ねて目から脳に情報を押し込み、千辛に万苦を重ねて、何とかできるだけ簡易に点数を出せるように纏め、冒頭言った通りそれをA4サイズ一枚の虎の巻としたのです。
それがこちらになります。
とはいえ依然私は点数というものを完璧に理解しておらず、それでも、限界まで情報を削ぎ落とし、取り敢えずは大体の状況に於いて点数が出せる、くらいの感覚で纏めたのです。
そもそも麻雀の点数の出し方とは
一体どういうものなのかと申しますと、符と飜を組み合わせて計算するらしいのです。
ここがもう判り難い。説明も難しい。
私はここが嫌だったので、できるだけ符を考えずに点数を出したいと思い、虎の巻に纏めたのですが、一応点数計算の記事なので基本には触れておきます。
矢張り麻雀の点数というものは難しく、そもそもにしてこの記事の本旨はその難しいことをできるだけ平易に熟そうというものなので、面倒であればその平易なる計算法を語る処まで読み飛ばしてもいいと思います。
『符』とは何ぞやというところをまずはお話いたします。
符とはどうも、謂わば難しさに対する得点のようなものです。
一体、役というものは同じ役でも牌の構成は千姿に万態を重ね、多種に多様を極めておりますが、どれも二飜であれば二飜、三飜であれば三飜と一様です。
しかし、順子を集めるよりも刻子を集める方が難しい、槓子はさらに難しいものです。
刻子槓子にしても中張牌で作るよりは么九牌の方が大変です。
上がり方だって両面待ちや多門張なら当たりやすいけれど、単騎や嵌張、辺張なら待ちが一種類しかないから当たり難い、なのに和了できたのならこれは偉い、というので符を与えるわけです。
そうするとどうなるのかというと、符が貯まれば飜のグレードが上がります。
つまりは二飜であっても30符二飜よりは40符二飜の方が点数が高くなるということです。
雀魂で和了したときに、同じ三飜なのに点数が違う、という事態が出来するのはそういったことが原因なのですね。嫌ですね。複雑そうですね。面倒くさそうですね。
私の虎の巻にも符の表があります。こちらです。
これらの数字を足していくわけです。
中張牌の暗刻があれば4符、么九牌でポンしたのならこれも4符、合わせて8符、といった具合になりますね。
0より大きい一の位は切り上げとなるので、2,4,6,8,10符は一律10符、12符からは20符という算段です。
それでですね
ここはもう本当にこの記事の要旨ではないので読む必要はないのですが
実際に点数の計算というものをしてみましょう。
麻雀の点数の仕組みというものがちんぷんかんぷんであった私が、その私であるが故、その理解し難いところをできる限り易しく解説いたします所存です。
しかし、ここは読まなくてもよろしいのです。
私の虎の巻に関しての解説はこの後に出てまいります。
その前に点数の出し方についてお勉強いたしましょう。
畢竟、点数というものは一飜毎に符を倍にすればよろしいのです。本当はそれだけの話なのです
さっそく点数計算を実践してみましょう。
再度再度申し上げますが、ここは点数計算の仕組みを知りたいと思わないのなら飛ばしていただいて構いません。
では続けます。
なんやかんやと牌を集め、役ができあがり和了しましたとしましょう。
その時に手牌に符が幾つあるのかを数えます。
虎の巻の符の表、右下辺りに『副底20符』とあります。
これはどんな和了であっても和了しさえすれば漏れなくもらえる符です。
どんな上がりであろうと最低でも20符はあるということですね。
点数早見表が20符から始まっているのはそのためです。
ついでに門前ロン10符とも書いてありますね。
これは、鳴かずに手配を揃えてロン上がりしたら10符を献上します、ということです。大盤振る舞いですね。
兎に角、上がればそれだけで副底20符です。
その20符に、先程のように手格好や待ちの形で付いた符を足します。
仮にそれが4符であったなら基本の20符に4符足して24符、一の位は切り上げで30符、とこうなります。
刻子や槓子があって12符だった場合は20符+12符で32符、切り上げて40符、とこういう計算になります。
では具体的に点数を出していきましょう。
聴牌からの和了に至りまして、手牌やら待ちやらから符を数えたところ、貴方は一飜30符で上がったと仮定します。
それでですね
「麻雀の点数とは要するに一飜毎に符を倍にすることだ」
と申し上げましたが、とどのつまりは一飜なら符を倍に
二飜ならばその倍にした符をさらに倍にするということです。
先程の例では貴方の上がりが一飜30符ということでしたね。
一飜なので一度倍にします。
30符なので30×2=60ですね。
本来ならばそれでもう終わりのはずなのです。
基本点は60点、はいおしまい、てなものです。
実際昔はそうでありました。
否、私はその時代を知らないのですが、そうであったようです。
しかしそこに『場の二飜』というものが出てきます。
『場ゾロ』とも言われるもので、主に戦後や高度経済成長期など、麻雀の歴史に於いて点数は何度かインフレーションを起こしているのですが、これはその一環で、要は場に最初から二飜つけてしまおうという魂胆からきたものです。しゃらくさいですね。だからもう本当に鬱陶しいのですが、上がれば勝手に追加で二飜つくのです。
なので一飜なら、本来一度倍にすればそれでよろしいはずなのですが、場ゾロが二飜あるので、上がりが何飜であっても、それにプラスして、もう二回倍にしなくてはなりません。
詰まるところ一飜で上がったのなら実は三飜なのです。
二飜で上がったのなら実は四飜なのです。
ただですね、この『場の二飜』というやつは、今私がやっているように、点数を一からきっちり計算しようとしない限りは関係ありません。
点数早見表を見るなり暗記しているなりで
「子の30符ロン上がりなら一飜から1000,2000,3900,7700点だな」
とやるのなら、場の二飜なんて考える必要はないのです。
ですからここを読み終えたら、まぁ頭の片隅に追いやってしまって構わないと思います。
話を戻しまして、今回の例の場合ですと、貴方は一飜30符の和了でした。
その30符を、貴方が付けた役である一飜の分、一度倍にして60点になりました。
その60点をさらに場ゾロ分、あと二回倍にするわけです。
60×2=120
120×2=240
となりますね。
従って一飜上がりなら、場ゾロ二飜の分の二回を足して、都合三回倍にすることになりますね。
一飜30符なら 30×2×2×2で240です。
二飜上がりなら2飜+2飜(場ゾロ)で都合四回、最大四飜なら都合六回符を倍にするのですね。
そして先程一飜30符を都合三回倍にした240点、これが基本点です。
これが麻雀の点の出し方です。
これだけなのです。
一飜30符なら30符を、1(飜)+2(場ゾロ)で三回倍にするので
30×2×2×2=240
二飜40符ならば40符を、2(飜)+2(場ゾロ)で四回倍にするので
40×2×2×2×2=640
正に「符を飜の数だけ倍にする」それだけなのです。案外簡単でしたね。
符を、飜の数+場ゾロの二回分、倍にするだけです。
ではこの基本点をどうするのか、を申し上げます。
これをツモの場合はですね、上がった貴方が子だったとします。
子がツモ上がりしたときは、残りの子二人から基本点を一つずつもらいます。
親からは、親は子の倍の支払いなので、基本点二つ分をもらいます。
子二人から基本点二つ、親からも二つですね。
合計で基本点四つ分が受け取れるという話なのです。
ロンであればその基本点四つ分を放銃した他家一人から受け取れます。
全く振り込むもんじゃないですね、恐ろしい。
私は点棒に触れたことはないのですけれども、如何やら点棒の最低点が百点であるらしく、その都合上、点数の十の位は切り上げとなります。
では実際に、上記の通り一飜30符で子のツモの場合を考えましょう。
基本点は240点でしたね。
子二人は基本点の240点を払います。
十の位を切り上げるので、実際の支払いは300点です。
親は基本点二つ分なので240×2=480点、切り上げて500点を支払います。
これがよく言う300/500の内訳です。
合計で300×2+500=1100点ですね。
今度はロンです。
同じ条件である、子の一飜30符を、今度はロン上がりしたときの点数です。
ツモの場合、親と子二人の三人から、基本点四つ分をもらいました。
ロンの場合でも受け取るのは、基本点の四つ分でツモと同じです。
基本点は240点でしたね。
240×4=960点を切り上げて1000点。
この1000点を放銃した人から受け取る、とこうなりますね。
気をつけないとならないのは、点数計算では最初に出た基本点を切り上げるのではなく、最終的な点数が出るまで計算してから切り上げるということです。
240点を切り上げた300点×4にはなりません。
切り上げた都合上ツモの方が100点高いですが、1000点と1100点でほぼ同じとなります。
受け取り方が違うだけで、同じ飜、同じ符ならロンでもツモでも受け取る方はだいたい同じ点数を受け取ります。ツモ上がりの方がロンより少し高い点数を受け取れるときが偶にあるくらいですかね。
親でツモ上がりした場合を見てみましょう。
親がツモ上がりすると、子の三人からそれぞれ基本点の二倍ずつを受け取れます。
一飜30符の基本点は240点でしたね。
ですから、240×2=480、切り上げて500点ずつを三人の子から受け取れます。
これが500点オールです。
500点を子の三人からそれぞれ受け取るので、合計で1500点ですね。
親のロンの場合も同じく、基本点の二倍を子三人分という計算になります。
合計して基本点の六倍を放銃した人から受け取れます。
親に振り込むものじゃないですね、本当に恐ろしい。
240×6=1440、切り上げて1500点ですね。
親が一飜30符をロン上がりしたら1500点を放銃した人から受け取れます。
こちらはツモもロンも同じになりました。
従いまして、一飜30符の場合、子がツモ上がりしたら300/500、ロンなら1000点。
親がツモ上がりしたのなら500オールで、出上がりなら1500点となります。
最後に計算方法をまとめますが
長々書きすぎて本筋に行く前に全員脱落したんじゃないかと心配になってしまいますね。
この章のあとにやっと虎の巻の解説が始まります。
点数計算の基本は
符を飜の数だけ倍にして、さらにそれを場ゾロ分の二回倍にしたものが基本点となる。
です。
上がったのが子なら、最終的に受け取る点数は、その基本点を残りの子二人から一つずつ、親から二つ分なので1+1+2=4で×4ですね。
親なら子三人から二つ分ずつなので2+2+2=6で×6、となります。
従って
一飜で子なら、符×2×2×2×4
一飜で親なら、符×2×2×2×6
三飜で親なら、符×2×2×2×2×2×6
となりますね。
ここでですね、賢明なる読者には言わずもがなですが、掛け算の性質を思い返していただきたいのです。
つまり掛け算のみであれば、どれだけ掛ける順番を入れ替えても最終的な答えは変わらないということです。
まず上記の計算を少し整理しますと、矢鱈と2×2×2×…と出てきますね。
これは2のn乗と言い換えることができます。
掛け算は順番を変えても答えは変わらないので、2×2×2×…はまとめてしまいます。
つまり
と書けますね。
(飜数+2)は累乗を表しています。
無論、(飜数+2)の「+2」は場ゾロ分です。
二飜なら、符×2⁽²⁺²⁾ =符×2⁴なので、符に2の4乗、つまり2×2×2×2=16をかけます。
子の上がり三飜40符を見てみましょう。
40×2⁽³⁺²⁾×4
ですね。
40符に2⁽³⁺²⁾、すなわち2の5乗をまず掛けます。
5乗とは、3飜+場ゾロの2飜ですね。
それを掛けて、さらに子の合計得点分になる4を掛けたのです。つまり
40×2⁵×4 = 40×(2×2×2×2×2)×4
ですので
40×32×4=5120
切り上げて5200点です。
親ならば、40×2⁽³⁺²⁾×6 になります。
答えは7680なので、切り上げて7700点。
これが親で三飜40符を和了したときの点数です。
五飜以上は必ず満貫なので、この計算が必要なのは最大で四飜までですね。
一飜なら 2×2×2=8
二飜なら 2×2×2×2=16
三飜なら 2×2×2×2×2=32
四飜なら 2×2×2×2×2×2=64 これが最大です。
四つなので
一飜なら「符×8」
二飜なら「符×16」
三飜なら「符×32」
四飜なら「符×64」
と覚えてしまってもいいでしょう。
ただ、私はリアルの麻雀を打つ人を知らないので恐らくなのですが、誰も一局上がる毎にそんな計算をしてはいないと思うのです。
そのためによく見る点数の早見表のようなものがあるのでしょう。
私の虎の巻の下にありましたね。こちらです。
先ほど計算した三飜40符を表で見ると、子は5200点、親は7700点でちゃんと合っていますね。
つまるところ、和了したときに符がいくつなのか決まれば、飜毎の点数は自ずと確定するので、点数の早見表というのは、符とそれに対応した飜毎の点数を参照できるようになっているわけです。
ですから、恐らく通常の方々は、早見表に書かれた符毎の点数を覚えていて、和了した時の符を元に、例えば子で三飜40符の出上がりだったときは、一飜から1300、2600、5200と数えるのでしょう。
ところで、先程やった点数計算の実践に於いて、一飜30符の子のロンは960点、切り上げて1000点でした。
では、もう一飜ついた二飜30符の子のロンを考えます。
上記の通り、掛け算は計算の順序を変えても答えは変わらないので、二飜の点数を出すには一飜の切り上げ前の点数960点を倍にすればいいのです。
960×2=1920点、ここで切り上げて2000点になります。
三飜30符の子のロンであれば、切り上げ前の二飜の点数1920点を倍にして3840点、切り上げて3900点になります。
四飜30符の子のロンは三飜の点数 3840点の2倍で7680点、切り上げて7700点です。
先述の通り「切り上げは最終計算が終わってから」ですのでこうなります。
点数の計算を学ぼうとしたとき、飜が一つ上がる毎に点数は概ね倍になるけれど、いくつかが微妙にずれているのは何故なのかと思った方も多いと存じます。
それは要するに中途半端な数字である基本点から導いて出た点数を、最後に切り上げているからなのですね。
点数の付け方というものはこれが全てです。
だいぶ理解できたものだと思います。案外簡単でしたね。
しかしこれも面倒なんです。ですので
漸くA4サイズ一枚にまとめた点数計算法について話します
異様に長い前置きで申し訳なかったのですが、ここからが本番です。
この先は手早く、簡潔な文章で話していきます。
なるべく符のことを考えずに点数を導き出すためには如何したらいいのかを解説致します。
先ず、四飜または五飜以上は満貫です
符や計算は必要ありません。
表にある通り飜数で満貫、跳満、倍満、三倍満、役満となり点数も一律です。
ですからまず飜の数を数えます。
切り上げ満貫かそうでないか、切り上げ満貫でも四飜で満貫にならないパターンなどもあるので面倒ですが、五飜なら満貫ですから符はもう関係ありません。計算はやめましょう。
雀荘に通いながら、点数計算を避けるために満貫以上しか上がらない豪の者もいるらしいともっぱらの噂です。
つまり点数計算とは
和了したとき、役の数が一から三、または四飜の場合にだけ必要なものなのです
五飜を超えたら満貫以上なので考えるべきはそれ以下の時です。
では子のロンからです。
上がり方として子でロンするのが一番多いはずです。
なのでまずは子の出上がりの点数を考えます。
まず鳴いたら1000点、平和も1000点です。
これだけなのです。
平和は門前のみなので鳴けませんが、鳴いた場合と同じ点数になります。
あとは表にある通り飜が増える毎に
1000-2000-3900-7700-満貫
と、概ね倍々に増えていきます。
切り上げ満貫制なら四飜7700点も満貫8000点ですね。
もう一度言います。
鳴いてロンなら1000点、平和のロンも1000点です。
鳴いてロンの場合、例外はありますが基本大体はこれで行けます。
例外については後々お話しします。
そして平和のロンなら例外はありません。必ず1000-2000-3900-7700-満貫です。
点数計算に不安があるのなら満貫か平和を作りましょう。
せん、にせん、ざんく、なななな、と覚えるのがよろしいと言われております。
そして鳴いていない、門前のロンは1300点です
1300-2600-5200-満貫となります。
いちさん、にーろく、ごんに、などと言うようです。
これは本当に倍々ですね。鳴かずにロンしたら大体こうなります。
この門前ロンに平和は含まれません。平和は門前が条件であり、平和のロンは前述の通り1000点だからです。
次は子のツモです
子のツモは平和がなければ、受け取る点数はロンの
1000-2000-3900-7700
とほぼ同じです。
前述の通り切り上げの関係で少しずれますが、
300/500、つまり子二人から300点ずつ、親から500点の合計1100点です。
あとは飜が増える毎に
300/500(1100)
500/1000(2000)
1000/2000(4000)
2000/3900(7900)
満貫
となります。
1000、2000、3900、7700と似ていますね。
では平和があるツモはどうなるかというと
二飜400/700から始まります。
平和とツモで既に二飜あるからですね。
あとは飜が増える毎に
400/700(1500)
700/1300(2700)
1300/2600(5200)
満貫
となります。
よんなな、ななとーさん、いちさんにーろく、などと唱えるようです。
ここまで読んだ勘のいい読者諸賢は思ったことでしょう、なぜ平和は点数が低いのかと
平和とは平らな和了という意味です。
麻雀を覚え始めの時、平和の構成要件がなんとなく小煩い感じがした方もいると思います。
なんとなく条件が煩わしいなと。
それは、平和というものが理論上最も安い手となる、つまるところ符が全く付かない形を目指しているからなのです。
刻子は2符付くけれど順子は付かないので、刻子は含まず順子のみで、役牌の対子も符が付くので禁止で、待ちも符の付かない両面で、という理由です。
なので平和は、上がれば絶対に付く副底の20符のみ、門前ロンならプラス10符の30符のみ、と低い点数になります。必ずこのどちらかです。
ツモのときは2符付くので22符、切り上げ30符になるはずですが、例外で20符のままです。
平和は符が付かない役なのでツモ上がり禁止のルールもあるということです。
子の和了をまとめると
ロンのときは
鳴いたら1000点
平和も1000点必ず1000点
門前ロンなら1300点
ツモのときは300/500
ただし平和ツモなら二飜から何があっても
400/700
五飜以上は満貫
です。
これだけで子で上がったときのほとんどは対応できるはずです。
ただし七対子は例外です
これについては後述します。
では親のロンに参ります
親は基本、子の1.5倍です。
煩わしいと思いますが一応噛み砕きます。
子は他の二人の子から1ずつ、親から2、つまり1+1+2=4つ分の点数を受け取ります。
よって合計は基本点×4です。
親は基本点の2倍ずつを三人の子から受け取ります。2+2+2=6です。
よって基本点×6です。
6÷4=1.5
になるのが理由です。
というわけでまず親のロンですが、鳴いたら1500点、平和も1500点です。
ちょうど子の1.5倍ですね。
1500-2900-5800-11600
と増えていきます。
いちご、にっく、ごっぱ、ぴんぴんろく、などと覚えるとよろしいようです。
切り上げ満貫ならどうだというのは子のときに書いたので省略します。
鳴いたときは例外もあるけれど、平和のときは必ずこうなるというのも子の時と同じです。
そして門前ロンなら2000点です。
2000-3900-7700-満貫です。
見覚えがありますね。
そして親のツモですが
基本的に親のツモ上がりでは、同じ飜、同じ符で、子のツモのときに親から受け取る点数を、子全員から受け取る形になります。
子が平和のないツモで上がったときは300/500でした。
子二人から300点、親から500点もらいますね。
ですので、親で平和のないツモ上がりをしたときは、子で和了したときに親から受け取った500点を、子全員から受け取れることになるので500オールとなります。
これは何符であろうと何飜であろうと同じです。
親がツモった時は、子三人からそれぞれ同じ点数を受け取りますね。
その点数は同じ飜、同じ符で子がツモったときに親から受け取った点数になります。
一飜50符で子がツモのときは400/800です。
子から400点ずつ、親からは800点受け取りますね。
同じ一飜50符で親がツモったときは800オールです。
話が途切れましたが、親が平和なしでツモ上がりしたときは500オールです。
以下
500オール(1500)
1000オール(3000)
2000オール(6000)
3900オール(11700)
と飜が増える毎に増えていきます。
最初が500点で、あとは「せん、にせん、ざんく」ですね。
平和のあるツモでしたら二飜から
700オール(2100)
1300オール(3900)
2600オール(7800)
です。
親の和了をまとめると
ロンのときは
鳴いたら1500点
平和は絶対1500点
門前ロンなら2000点
ツモのときは500オール
ただし平和ツモなら二飜から必ず700オール
五飜以上は満貫
です。
これで、親であっても子であっても大体の上がりに対応できるはずです。
もう迷うことなく点数を発声できますね。
そして例外の七対子ですが
これは難しくありません。
四面子一雀頭を無視した特殊役ですので、符も七対子は特例である25符固定となっております。
点数表にもありましたね、25符。
符は切り上げるので一の位は必ず0になるはずなのにおかしいなぁと気づいた方は恐らく天才なのでしょうが、それはそういう理由だったのです。
七対子は符が切り上がることもございません。常に25符です。
二飜25符ではなく、一飜50符なのだという宗派もおりますが、まぁそこはあまり気にしなくてよろしいかと思います。
表にもありますが、どう揃えてどう上がろうと子のロンの場合ニ飜から
1600-3200-6400-満貫
となります。七対子が元々二飜役だからですね。
しっかり倍々ですね。
そして子のツモだと、七対子とツモで必ず三飜ありますから、そこから
800/1600(3200)
1600/3200(6400)
満貫
となり、ロンと全く同じ点数です。
わかりやすいですね。
親も同様にロンの場合二飜から
2400-4800-9600-満貫
です。きっちり子の1.5倍ですね。
とても素直です。
親でツモったら三飜から
1600オール(4800)
3200オール(9600)
満貫
となります。
ロンの時と全く同じ点数ですのでこれも覚えやすいですね。
はい。以上で符を考えずに大体の和了で点が出せるようになりました。
では点数を出すのに符は要らないのかと問い質されたら、そこはやはり必要と答えざるを得ません
そりゃあ要りますよね。要らないのなら、どの本やサイトでも態々符のことなんて教えませんからね。
私の『虎の巻』は、畢竟、麻雀初心者がとるものも取り敢えず「これで上がったら何点もらえるのか」をぱっと出せるようになるためのものですので、一旦符のことについては除外いたしましたが、前述の方式のみでは対応しきれない所というものはどうしても出てきてしまいます。
そこに『符』が絡んでいるのですね。然りとてここから話すことはそんなには難解ではないはずですのでご安心なさって、東西東西お耳を傾けていただきたい。
なら符はいつ使うのかって言いますとね
所謂『符ハネ』するときですね。
『点パネ』という宗派の人もいますね。
まず『符ハネ』するときってぇのは一体全体いつなんだい?
というところから答えますが、12符以上あったときです。
説明いたしますね。
例えばですね、子でリーチ、タンヤオ、門前ロン、で上がったとしましょう。
点数は幾らでしょう。
虎の巻によると、子の門前ロンは1300、2600、5200、満貫でした。
従ってリーチ、タンヤオの二飜ですから2600点です。
これは何かって言いますとね、まず和了するじゃないですか。
そうすると副底20符が付きますね。
今回は門前ロンなので、さらに10符付きます。
副底20符と門前ロン10符で30符になりますね。
その場合さらに、暗刻があったり、待ちが一種類だったりで何かしら符が付いてるはずなんですね。
例えば中張牌の暗刻があって、それが4符なんで30符+4符で34符ですね。
符は切り上げるんでこれで40符です。
これはもう絶対に何かしらの符がついてるはずで、付いてなければ今度は必ず平和が付くんですよ。
副底20符と門前ロン10符で30符、これに何かしら符がついて40符、平和がなければこうなるし、平和があるのなら、副底20符と門前ロン10符の30符で終わりです。
平和に副底20符、またはそれにプラスした門前ロンの10符以外が付くことは絶対にありません。
つまりリーチ、タンヤオ、ロンなら普通は40符ですし、平和がついてるなら必ず30符です。
リーチ、タンヤオ、門前ロン、平和なしなら40符でしたので40符の段を見てみましょう。
子で門前ロンでしたね。子の40符の段は1300、2600、5200、満貫ですね。
虎の巻で「子の門前ロン、平和なしなら1300、2600、5200、満貫」と言ったのはこういうことです。
平和が付いたら副底20符と門前ロン10符の30符のみでした。
子の30符の段を見てみると1000、2000、3900、7700点ですね。
虎の巻で「子の平和ロンは1000、2000、3900、7700点」と言ったのはつまりこういうことなのです。
では、子のロンで「鳴いたら1000点」というのは何故でしょう。
鳴いたら門前ロンの10符が付きません。
因って副底20符となにがしかの符がついて30符になります。
子の30符の段は1000、2000、3900、7700点ですね。
ですから「鳴いたら1000点」なのです。
しかし一つ例外があります。所謂『喰い平和形』ですね。
これは鳴いていて、かつ「門前である」以外の平和の要件を満たした形です。
鳴いたら平和は成立せずリーチも使えないので、和了するにはタンヤオなど別の役が付いている必要がありますが、形や待ちが平和なので副底20符以外の符が付きません。
この場合は例外的に30符で計算します。
ですから「鳴いたら1000点」は変わりません。
大体の和了はこの方式で行けます。
しかし先程言った通り
手格好や待ちで12符以上あると符ハネして点数が変わるのです
はい。リーチ、タンヤオ、門前ロン、平和なしなら大体の場合40符でしたね。
これは副底20符と門前ロン10符、それに何らかの符がついて切り上げ40符、という考え方でした。
「何らかの符」は大体の場合12符以下なので数えず、機械的に40符と考えて1300、2600、5200と点数を出せばいい、というのが虎の巻の手法です。
しかし「何らかの符」が12符以上ならどうなるでしょう。
副底20符と門前ロン10符の30符に、2符を足しても4符を足しても10符を足しても全て切り上げ40符です。
ところが、30符に12符を足すと42符、切り上げて50符になってしまいます。
点数が変わってしまいますね。
これが『符ハネ』というやつです。
矢張り『符』の呪縛からは逃れられないのです。
とはいえ、気にするのは12符を超えそうなときだけでよろしいでしょう。
まず表の右半分は覚えやすいですね。
単騎、カンチャン、ペンチャンという「待ちが一種類の形」で上がれれば2符付きます。
ツモ上がりも2符、役牌対子も2符です。
役牌対子っていうのはつまり雀頭が役牌ってことですね。
あとは副底20符、門前ロン10符です。
問題は表の左ですね。
2から8までの数字、中張牌ですね。
それで明刻、つまりポンですね、すると2符。
そこから倍々に増えていきます。
明より暗、刻より槓の順で増えます。
1、9、字牌もそうですね。
明刻で4符、以降は倍々です。
明→暗→明→暗
刻→刻→槓→槓
こんな感じで覚えたらいいんじゃないでしょうか。
それでなんでしたっけ?
そうですね、12符付くとハネて点数が上がるんでしたね。
どんなときに12符になるのかと言いますと、やはり
1、9、字牌の暗刻があるときは怪しいですよね
それだけで8符です。
逆に言うと么九牌の暗刻がないと中々12符は超えません。
中張牌の暗刻4符なら三つ必要ですが案外難しいですね。
それだけ目立って暗刻があれば、一応12符ないか数えましょう。
対々和なんかは鳴いてても数えた方がいいです。
ですからまず注目するべきは么九牌の暗刻です。
それがあるのならあと4符です。
そのあとは
・么九牌で明刻(4符)がないか、または中張牌で暗刻(4符)はないか
・単騎、カンチャン、ペンチャンに、ツモ、あるいは役牌の対子(各2符)はないか
そんなところを見れば、まあハネてるかどうかわかるんじゃないでしょうかね。
虎の巻では符計算から逃げてきましたがやっぱあるんですよ。
ここまできたらついでなんで符の表くらいは覚えちゃいましょう。
いけますよ。
雀魂で、上がる前に自分で符を数えておいて、上がれたら答え合わせして練習すればいいんじゃないですかね。
ちゃんと小さく何符で上がったか書いてありますから。
ただ、たまに引っ掛けみたいな符計算もあるんで、注意がいるのですよね。
一例なんですが
12334で張ってますと。
2が来て和了しましたと。
これは123の面子と、34の両面待ちですね。
25待ちです。
それなのに、これ、123と34ではなく
13と234にすると、2の嵌張待ちともとれる、と。
なので2符つきますよと。
厭らしいですね。
そういうのもあるんですよ。だからまぁ完璧に計算するのは中々難しいですよね。
ところでじゃあ12符付いてハネたらどうなるの?っと
いうことですよね。まぁ簡単に言うと点が高くなりますよね。
子の30符だったら
せん、にせん、ざんく、なななな
だったんだけど符ハネして40符になったから
いちさん、にーろく、ごんに
になりましたよと。
それだけです。
ここで大事なことはですね、
子で符ハネしたら、一飜の点数が300点増える、ということです。
例のごとくずれることもありますが、まぁほぼほぼ300点高くなります。
一飜30符なら1000点だけど一飜40符なら1300点ですね。
1000、2000、3900、7700と
1300、2600、5200はもう知っていますね。
では50符ならどうなるのかと言いますと、やっぱり300点高くなって
1600、3200、6400点です。
見覚えありますね。そうですね、七対子二飜からの点数と同じですね。
50符は七対子の25符の倍なのでなんとなく納得できますね。
60符はどうでしょう。
表を見ると2000、3900、7700ですね。
1600点から300点ではなく400点増えていますが、数字には見覚えありますね。
にせん、ざんく、なななな、です。
これも60符の半分の30符の二飜から、となると合点がいきますね。
というわけで60符までなら今まで覚えた数字で対応できますね。
60符以上はもうそうそう出ないので、ここまでわかればまぁ大丈夫でしょう。
しかもですね、70符だけちょっと見慣れない数字が出てきますが、それ以降はまた見た数字が出てきます。
それにいざとなったら
これで対応できます。
まぁそれでも60符まで覚えておけばもうほぼほぼ大丈夫だと思います。
というか覚えるまでもないですね。元々の一飜に300点足せばいいんです。
ただ、こんな記事を読んでいる方々というのは恐らく、雀魂でいうと銅の間や銀の間で打ってるような雀士だと思うのですよね。
となると、槓表示が出たら何も考えずに槓しちゃうんでしょうね。
銀の間くらいになると、明槓は鳴き扱いだから我慢するけど、暗槓は鳴きにならない、くらいの知識は持ってるでしょうから暗槓しまくりなのでしょう。
しかし暗槓はやばいです。
中張牌でも16符、么九牌なら32符です。
一発で符ハネです。
特に么九牌の暗槓なんて最低の副底20符に足しても52符、切り上げ60符です。
とんでもないですね。
槓は気をつけましょう。
次は親ですね。
親は符ハネするごとに一飜で500点増えます。
500点じゃないときもありますが、大体500点です。
はい。30符のときは1500、2900、5800、11600点でしたね。
鳴いてロンしたときです。
ハネると40符、1500点から500点増えて
2000、3900、7700点です。よく見ますね。
次が50符、2400、4800、9600点。
25符の七対子の倍だからですね。
そして60符は、2900、5800、11600点。これもよく見ます。
簡単でしたね。
以上で私がこの記事で言いたいことは言い切りました
気づけば1万6000文字も書いてしまいましたね。
おかしいですね。
書き始めた当初は、A4用紙一枚の虎の巻を解説するだけなのでサクッと終わる予定だったのですが、中途半端な説明では無責任な気がしてしまい、何故こう纏めたのか、というところまで書き起こすことになり、どうにも与り知らぬままこうなってしまったのですね。
余計なこともたくさん書いてしまったので、締めぐらいはサッと終えましょう。
野暮はよろしくありません。
もしもここまで読んでいただけたのなら、それは正直なところ酔狂と言わざるを得ませんが、本当にありがたく存じます。
感謝感激雨あられにございます。
もうこれ以上何もござませんが、役に立ったよと思われたのなら投げ銭置き場を設置しておきますのでどうぞ一つよろしくお願い申し上げます。
ではさようなら。
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