【NPOPHN】対面の運動療法セミナーをオンライン中継しない3つの理由
NPOPHN代表理事のえばらです。
コロナが落ち着いてまいりましたので、NPO主催の事業を徐々に再開しています。弊社の専門職向け事業と言えば、運動療法セミナーですっ!こおれは4年ぶり!
7月に勢いに任せてさっそく第1弾の募集を開始しています。
いつもご参加していただいている、コジトーーク登録者の皆さんへのプレゼントとして、先行申込を行っています。
(2023年6月9日現在、定員に達したため受付を締め切っています)。
なんとこのツイートとLINEopenchatの書き込みだけで、一晩で定員の半分が埋まってしまいました!定員は少ないものの勢いが想定外!
うれしい悲鳴で悲鳴嶼行冥!
いいネタをお持り帰りいただけるように、永田さんとセミナー内容を考えていきたいと思います。
コジトーークの方からのご質問
コジトーークLINE open chatの方に、『オンライン参加はできないか?』という問い合わせをいただいています。確かにカメラで中継すればできなくもないですね。
この件につきまして、NPO、講師側からの考えを書きたいと思います。
オンライン中継をしない3つの理由
弱小NPOのマンパワーの関係で撮影ができない
当日は、永田さんと二人で準備や受付から会場回し全般を行います。
実技もお互いが被検者になって行うので、中継するような撮影・機材スタッフがいません。
実技中、記録用のカメラを回し撮影させていただき、一部をYouTubeチャンネルにあげることはあるかもしれませんが、自宅で勉強できるクオリティのものは到底できると思えません。
オンラインで準備しても画角が悪いとか画質が低いとか、音声が聞こえないとかに対応は全くできません。
お金だけ払ってフラストレーションだけたまるなんてリスクが往々にしてあります。オンライン参加は難しいと思っています。
撮影スタッフ増員は参加費に影響が出るし逆に手間かかる
スタッフを増員すれば可能かもしれません。
機材から撮影までまるっと頼める知人もいますので、投げちゃえばいいと思います。でもその案は、参加費に大きく反映されるでしょう。
一応見積もりを聞いておこうと思いますが、人間一人と高額な機材を1日押さえるのは結構なお値段なのではないかと考えています。収支を安定させる単に参加者を増やそうとします。講師と参加者の交流する時間は短くなり、セミナーの質は確実に低下します。
企業であれば他の事業と合算にしたり、あとから動画を売ったりして経費をかけることが可能かもしれませんが、収入が現在寄付に頼っている非営利非課税NPOではなかなかきついことなのです。
また、運動療法をわかっているスタッフなら、運動療法のポイントを踏まえたカメラワークが打ち合わせなしで可能でしょうけども、撮影スタッフは痛みやリハの素人ですので、アイコンタクトとか阿吽の呼吸が作れず、スムースな運営の妨げになりこれもまた参加者や運営のストレスとなるのです。
カメラで追えない細かい部分がセミナーや運動療法の根幹
ここまでの理由はただ単にやりたくないの言い訳です(笑)。
そしてこの最後の理由が対面セミナーでオンライン中継をしたくない最大の理由になります。
皆さんは運動療法の動画を見ていて、その方法や効果が十分伝わった、学ぶことができたと感じたことありますか?
私の個人的な見解ですが、そう思えたことがなかったんです。
人間の立体視に比較して画像や動画は平面に見えてしまい、人の動きを見る時に得られる情報の大部分が映像やオンラインでは削られていると感じます。形だけしか学べないと言いますか。
観光地の風景も実際に肉眼で見るのと、写真や映像で見るのとは大きく違いますよね。実際に運動療法を学ぶときも同じを持っています。視覚情報が誤っていれば、認知も違ってきますし、自分で動いて再現する時にも誤って再現されてしまいます。
特に、発達運動学は、腹部の動きや脊柱のアライメント、パターンの判断の大部分を視診触診に依存しています。評価のアウトカムではなく、動きの正誤の判断にしているため、しっかり見て判断できないと間違った運動を継続させてしまうことになります。肉眼を鍛えたいわけです。
肉眼で得た情報に実際に体験することで複合される固有受容感覚も同様に同じで、正しく動けたときに感じる「動きの感じ」と一致させることで、他人に指導できるようになります。
この話、もちろんこればエビデンスだ!科学的だ!なんてつゆも思っていません。運動療法を実施するに当たってできるだけ高めておきたい技術の1つだと思っています。トランスや歩行介助と同じものです。
問題解決のために
ただマンパワーや機材に責任転嫁するつもりもありません。
医学の世界、自分が近しいペインクリニックでも、メタヴァース空間を使って神経ブロックの練習をするセミナーが始まっています。(ペインの先生たちのブロックの練習はこれまではカダバー(死体)で練習するセミナーを海外で行っていました)
見え方どころか、針の刺し方までも仮想空間で練習できる訳です、リスクなく。
うちのNPOのみでのメタヴァースは非現実的ですが、ペインクリニック関連のNPOを運営する医師より、360°カメラを紹介してもらいました。今後活用を考えています。これには手ごたえを感じています。
出張は可
以上の理由で、オンライン中継の実現は難しく今回は(今後も?)見送らせていただきたいです。
しかし以前より、「交通費と宿泊費(必要なら)など必要経費を出していただけるなら出張できます」と申し上げております。呼んでいただけるなら応相談でうかがわせていただきます。
コロナ禍でかなり減ってしまいましたが、以前は各地方でそのようなムーブメントも活発に行われていました。
オフライン、オンハンズの交流こそこの時代に大事なことではないかと思います。是非ご理解をいただき、今後の弊社の事業にもご参加いただければと考えております。
代表理事 江原弘之
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