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RE-ACTⅢセルフライナーノーツ

01. Spicy And Bitter 025

38th album "SCREAMⅡ" 収録作のリアレンジ。オリジナル版はトラップビートの魔改造版チックなものを目指してプリセットのハイハットを矢鱈と重ねまくっていたのですが、今聴くとハイハットに頼り過ぎているきらいがあると感じたのでトラップ要素は彼方にぶん投げました。全体のリズム自体もかなりシンプルになっています。

カチャカチャした音像のギターで弾いていた箇所は全てシンセサイザーとピアノに置き換えました。その代わりに元々は入っていなかった箇所に新たなギターのフレーズが追加されています。

また、再録にあたっていきなり始まっていきなり終わる形だったイントロとアウトロをそれぞれフェードインフェードアウトに変更しています。これはもし再録集に入れることがあればこの曲をラストにしようと考えて余韻作りとしておこなった変更だったのですが、まぁ見ての通り1曲目になったので当初の目的とはズレてしまいました。


02. Gargoyle's New Type

43rd album "FICTION" 収録作のリアレンジ。四つ打ちのリズムだったものをシャッフル的な三連符のアプローチに変更しました。ダークSFエンターテインメントパークだったものがアングラ劇団、見世物小屋に生まれ変わったようなイメージ。跳ねたリズムで退廃的なメロディーを奏でるとフリークスが集う感覚があります。ごめんなさいあんまりいい表現では無いですね。

ほぼ全編に渡って歪んだヴァイオリンが鳴り続けていますが当初は入れる予定が無かった音です。一度入っていない状態で出力して聴いてみたところ何となくボンヤリとして掴み所のない印象を抱いたので後から加えました。

ヒョロヒョロ~としたアウトロのホラーチックな音は上記のヴァイオリンのフレーズを逆再生したものです。このアウトロからの次曲のイントロへの流れがお気に入りポイントだったりします。


03. Strange Electric Spider

29th album "DNAⅠ" 収録作のリアレンジ。アレンジも全体の構成もかなり原曲に忠実な再録です。冗長な部分があった一部パートの繰り返しを削除したりコード要素を足してはいますが変えたのはその二つぐらい。印象的だったドラムと効果音のみからのスタートも再現しました。

シュルシュルした効果音の部分は55thアルバムの2曲目に収録されていた蜉蝣の翅という楽曲で使用されていたもので、もっと言うと蜉蝣の翅の作曲ファイルを複製してこのリアレンジに使用しているので、シンセサイザーの一部にも共通した音が使われています。(後々触れる5曲目においても同様の手法を採っています)

04. Anti Love Type B

38th album "SCREAMⅡ" 収録作のリアレンジ。3曲目と同じく限りなく原曲に近いアレンジ。一応全て打ち込み直したのですが、新しい要素を加えるよりも如何に元の線の上を辿るかに注力しました。

特に、四つ打ちキックに対してぶつけられている80Sライクな太っちょスネアのドスロウタム回しモドキといったリズムの部分とか肝なので絶対守んなきゃいけないと思ったし、ザクザク刻むように弾くシンセも変えちゃいけないし。ただ、一部パートで使っていたシンセサイザーの音源が何故か消えていたので近い音を探すのに苦労しました。何処に行ったのか。

一応変えている場所もあって、それは何かというと伸ばしっぱなしにしているシンセのメロの裏で鳴っているピアノのフレーズなんですけれど、安直の奥で鳴っている情緒みたいなものを表現して鳴らしてみたので良かったら注意して聴いてみてください。何を言っているか分からない自分でも。

05. My Parallel World

47th album "MUSIC" 収録作のリアレンジ。ピコピコサウンドをウネウネサウンドにしました。オリジナル版よりもアルバム版に近いです。オリジナル版はオモチャっぽくて良い意味でチープ、アルバム版はもう少し大人っぽくてマット。今回のアレンジでは後者を選びました。

メロディーに関してもアルバム版準拠です。オリジナル版は左右に振り分けられているのにも関わらずぶつかる箇所があったりして割とせわしないのでアルバム版のほうにしました。全体通して分かり易さはかなり意識していてリズムも素直な四つ打ちになっています。

ちなみにこのリアレンジで使用した作曲ファイルはTarte Satan's Blueのものを複製したものなので使用されている音色がTarte Satan's Blueと大体ほぼ同じです。一部パーカッションのみ後から追加しました。

06. Back To The Dystopia

48th album "Y-Naze-" 収録作のリアレンジ。Dystopiaって教会音楽に気怠いハードロックをぶつけたらどうなるかの実験をした作品だったんですけど、それをもう1度同じようにやってもつまらないので今回はメタルパーカッションとミニマルテクノとエレクトロロックの混ぜご飯を作りました。

教会音楽要素を出さなくて良くなったので元々入っていた教会の鐘の音も一部を残してカットしました。その代わりに主張強めのシンセを入れて、ギターの繰り返しを増やしています。実は投稿された音源はテイク2で、テイク1はもっとシンセのボリュームが大きかったのですが、うるさいなぁとおもったので下げました。

07. The Hacker Reboot

42nd album "HACK" 収録作のリアレンジ。各パートのボリュームと配置を見直して整理整頓しました。「音の壁で囲まれている!」って感覚が元々のやつにはあったのでずっと直したかった。閉塞怖い。

原曲における閉塞感の原因が低音でジリジリ鳴っているシンセサイザーに頼り過ぎていることだと分かったので、そのシンセサイザーのボリュームを下げつつ、リバーブをかけたエレキギター。歪ませたヴァイオリン、ピアノ、パキパキしたリズムを加えました。それぞれの音が「今聴いて欲しいのはここだよ」とナビゲーションしてくれているようなイメージです。

08. Hyper Bass Liner

48th album "Y-Naze-" 収録作のリアレンジ。原曲であるBASSLINERにも更に原型となるボアパプという楽曲があるため、ボアパプの改題リアレンジの改題リアレンジというよく分からない状態になっています。しかもボアパプのメロディーパートは後にParallel Worldに移植されたためさらにややこしい事になっています。

という事で正式に言えばこれはボアパプ025なのですが、その肝心となるボアパプがメンバーシップ限定配布曲かつ配布が終了しているためほとんどのかたが本当の意味での原曲と聴き比べできない不親切仕様です。

そんな厄介なボアパプの改題リメイク版のBASSLINERは、ベースとシンセのパッドとリズムのみという構成で、メロディーパートをベースが全て担っているという不思議な楽曲でした。今回はそこにディストーションギターを足してシンセのパッドを別の種類のものに差し替えたので、BASSLINERよりも少しだけ派手さが増しています。Hyperと付けたのはそうゆう意味ね。


09. 禁断の苺 025

19th album "BERRY" 収録作のリアレンジ。今作の中で最も古い楽曲のリメイクになります。なんと6年4か月前。時の流れの速さに何とも言えない顔になってしまいますが仕方ありません経ったんだから。もう30近いんだから。

あんまりハッキリとは覚えていませんが、恐らく当時の私なりにラテンの要素であるとか、スパニッシュなエキス、何処からやってきたのか分からない唐突なサンバのスパイスを打ち込みの音楽に持ち込もうとして生まれた楽曲がこれだったはずです。

今聴き返すと各要素を全然上手に取り込めていないし、展開の付け方も凄く唐突で継ぎ接ぎとしか言えない作りですが、その拙さが何周か回って今の私には新鮮に思えたのでこの機会に作り直しました。初期衝動への憧れもあるのかもしれません。今はもう無いからねそうゆうの。

メインフレーズで狂ったようにシンバルを叩くのと、アウトロでシンバルだけが残る演出はオリジナル版には無い今回新たに加えたものです。行くとこまで行った方がいいかな、馬鹿っぽさを更に強調したいな、みたいな感じで加えました。小賢しくないって素晴らしいです。


10. Meme 025 Remix

長い間アルバム未収録のまま放置されていたMemeが形を変えてようやくアルバムに収録されました。が、やはりこれだけ他のものとあまりにもモードが異なるために本編に入れられず、こうして一番最後にボーナストラックみたいに入れるしか無かったです。入れにくいこれは。

Remix作業をする少し前までアインシュテュルツェンデ・ノイバウテンを延々と聴いていたのでRemixの方向性も彼らの影響を受けたはずなのですが作業を進めれば進める程ノイバウテンみが削れて行く謎の事態が発生したので出来上がったものは全然ノイバウってません。

イメージとしては音のスクラップブック。自作のリズムパターンを幾つも用意して切り貼りしたり、ピッチやテンポを歪ませて重ねせました。キックも5種類ぐらい重ねています。悪ノリの極みとでも申しましょうか、これどうMixしてもどうマスタリングしても変な音持ち上がるやんってなるような異様な音源になりました。再録集だから入れたけどオリジナルアルバムだったら即外されるタイプのやつです。入れにくいこれは。

以上です。ここまで読んでくれてありがと~。


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