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52ndアルバム"Z-Zui-"セルフライナーノーツ

皆さまごきげんよう。noteの更新めちゃお久になってしまいました(・・;)
過去記事読んでくださった方々本当にありがとうございます♪嬉しいです。
お久の記事が自作語りなの…ごめんなさいね🙇

今回は52作目のオリジナルアルバム"Z-Zui-"のセルフライナーノーツです。
今作は44th"X-Batsu-"、48th"Y-Naze"と続いてきたXYZシリーズの続編で、
35th"VOMIT"から続けてきた不謹慎シリーズの完結編となっております!

~不謹慎シリーズ~
35thアルバム収録の"マグロ転がる"をきっかけに生まれた楽曲シリーズ。
人身事故ホーム/車内での嘔吐etcをテーマに作品を作って参りました。
その大部分は私が大学生時代に経験/目撃したものが元になっています。

例のごとく収録作を1曲ずつ解説していきたいと思います!!!(*- -)(*_ _)

01.イツモ揺レ鱒
"イツモユレマス"と読みます。マスって意外と複雑な漢字していますね。
この曲は10曲目の"ダケド生キ鯛"と呼応するような立ち位置になっていて
ある意味ではアルバムへのアンサーとも言える楽曲だったりします!🐟

ここでいう揺れとは、電車の揺れと生きるか死ぬかの気持ちの揺れの事。
1曲目からネタバレ的なことを書くと10曲目の登場人物は"死ねなかった"。
なのでまた電車に乗って日々を過ごします、という内容になっています。
このアルバムの世界はそうゆう死ぬに死ねない誰かの視点なのです。

ここからは楽曲の構成というかアプローチというかについてのお話です。
この楽曲には私が兼てより挑戦してきた、お囃子とエレクトロの融合と、
四つ打ちと三連符の中間ぐらいを狙った作曲の2要素が含まれています。
シャッフルほどは跳ねていないけどでもスクエアでもない感じ|ω・)
これは、ストーリー上の前作にあたる48thに収録されていた楽曲である、
"提灯ENCORE"という作品で行ったことと同じ試みです。

実際、こちらの楽曲はその"提灯ENCORE"のセルフパロ的な要素が強く、
ちゃんと聴いていた人ならば恐らくすぐ気づく程度には似通っています。
メロディーに関しても意図的に寄せて作っているので尚更。
とは言いつつお囃子的なメロディーてそもそも限られてるから…ね…?
似せようとしなくても自ずと似てくる部分はあるんですけれど。

ただ、ベースパートの複雑さはこちらのほうが遥かに難しい造りでして
提灯(略)が1本だったのに対してこちらは3本分ベースが鳴っております。
しかも全て微妙に違うところを弾いているのでなかなかに独特な響き。
こうした構成になったのは今作をベースリフから組み立てたためでして、
ある種、ギターリフから曲を起こすのに近いことをベースでやりました。

リフ作曲の手法自体は、XY2作でもガッツリ活用してきたものなのですが
ギターを弾く感じでベースに応用し/置き換えたのは、今回が初かも…('ω')
や、もしかしたら過去にやってるかもしれないけど…()

02.シグナルZ
元々は先行候補だった楽曲。
52nd収録作の中でも一番クールな作風です。
1曲目同様にベースが目立つ1作ではありますがスタンスが少し違います。
こちらはテクノ。精神性の話になるけれどテクノとして作りました。
仮テイクではメロディーすら乗っていなくてリズムだけの曲でしたしね。

本当は、完成テイクでもメロディー無しの作品にしたかったのですけれど
前のアルバム(51st)にメロ無しテクノ作を2曲も入れてしまっていたので、
流石にまたそうゆうことをするのは聴き手様が楽しくないだろうと思って
現在の形になりました('ω')ノ

ベースとドラムだけの無骨なアレンジをメロディアスにするにあたって、
自身の過去作16thアルバム"ART"のあの感じを意識して作業を進めました。
知らない人が多いと思うので雑に説明すると
"リズムがでかいわりにメロディーが軽い"というのが16thの特徴でした。
なんか薄いんですよね。シンセの音もピアノの音も。
あの謎の薄さを52作目で再度やってみましょうという変な事をしました。

薄さを出すべくペッペケペッペケしたクラクションっぽいシンセを入れて
エレピをベタ~っとのぺのぺっと平坦に全編に渡って入れました。
しかも、このエレピはゲートをかけてモコモコさせているという謎仕様。
本来はドラムにかけるようなゲートなのですがええい!とかけてみました。

終盤にキラキラしたシンセがメロらしきものを一瞬弾くところがあって、
何となく、最後の盛り上がり感を醸し出していますがそんなこともなく、
ここで弾いているフレーズはエレピがずっと弾いているメロと同じです。
展開してるようなフリだけしてそのまま終わる曲なのです。

ちなみにタイトルは黄色信号を表しています。Zは何となく付けただけ。
デンジャーシグナルみたいな感じ。

03.達磨
50thアルバム"LOOP"収録の"循環"という楽曲を自分でパクった曲です。
割と直近の自作を自分で真似したら1周回って新しいのでは?みたいな。
実際、全然違う曲に聴こえるので不思議ですね。

テーマは"四肢欠損"です。なので、仮タイトルは"芋虫"だったのですが、
このタイトルは大大先輩バンド"人間椅子"様がすでに使用されているし、
シグナルZの次の題名が芋虫て…とも思ったのでやめました。
あと少しコンセプトが違います。こちらの楽曲はもう少し冷めていて…、
諦めてもうモノになっているぐらいの感じを出したかったので。

"循環"と同じエフェクト/ドラムのパターンをそのまま使用しています。
ドラムに関しては抜き出したパターンと新規パターンを重ねましたが、
大体同じですね。スネアの音だけ違うもの使っていますけど。

ベースは前2曲より安直で思考していない感じを意識して打ち込みました。
べべべー⤵べべべー⤴というものです。
非常にお粗末なのですがこの曲は変に低音を動かすと崩れてしまうのと、
ギターの左右に残像を残す感じというか質感重視でこうなっています。

04.脳内ヒドラ
伊藤政則氏のROCK CITYて番組、皆さまご覧になられているでしょうか。
私は毎週TVKさんでビルボードからの流れで見てます。音楽って楽しい。

ある時、番組を見ていて私はROCKでなくROCK ’N’ ROLLが好きなのかも
と感じたことがあります。は?同じやろ?と思った人は立ち去れい!!!
上手く言えないのですがROLLの有無はかなりデカい気がしてならない。
ROLLと付くだけで大元の根っこ具合というか良い意味での芋さがある。

この楽曲では、昨今のロックと呼ばれるものほどは洗練されていない感、
一つズレるとダサいんじゃないの?と言われるスレスレを目指しました。
何となくの定義はこちらです。

・特段遅いわけじゃない(BPM120)のに何故か演奏がモタって聴こえる。
・シンバルの処理が変。シャリシャリしてるのに引っ込んで聴こえる。
・不必要かつ平坦にライドシンバルを鳴らす。
・ギターが今一つ伸び切らないため余った部分を刻み弾いてごまかす。

この4つ。骨と皮だけのロックンロールって何となくこうゆう印象です。
楽器が弾けるから音楽を始めたんじゃない。
音楽をやりたいからとりあえず楽器を持ってみたバンドの空気というか。
ああゆうものは技術とかでは計れない良さがありますよね|ω・)

ちなみに全体の構成は自過去作"鷹舞い降りる"を参考にしました。

05.乱痴気
三連符系のハードロックです。元々はワルツっぽいアレンジでした。
この曲も4曲目と通ずる部分が多々あります。よりハードですけど。
とにかく三連のギターリフが浮かんだから曲にしてみました的なね。
工夫より出たとこ勝負な楽曲って何だか萌えるんです。

正直"ジャジャジャ、ジャジャジャ、ジャジャジャジャーン!"という
リフが頭から離れなくて他のギターフレーズが出てこなくなった曲で、
他の箇所はウネウネしたシンセとコードみたいなメロで埋めています。
本当はシンセレスにしたかったのですが叶いませんでした💦

"乱痴気"という題名は楽曲が生まれるかなり前からメモっていたもので、
いつか絶対そうゆうタイトルのものを出そう!と決めていました。
今回、何となくこの楽曲の雰囲気は"乱痴気"だなと思って付けました。

06.HIT END 蘭鋳
今作で唯一、51stアルバム制作時に存在していたストック的な楽曲です。
テーマは "昔のアーティストのアルバムに1曲はある,よくわからない曲"。
入れなくても成り立ちそう、でも入っていてもそれはそれでいいやつ。

昨今のアルバムはアーティストにもよりますが先行寄せ集め感というか、
タイアップに合わせたA面だけで一枚アルバムが出来てしまうのだけれど
それだとアレなのでインタールードで繋ぎましたよ、
みたいなアルバムがチラホラ見受けられる気がします(しょうがないけど)

それはそれで良いのですが、アルバム曲が十二分に足りているにも拘らず
何故かは知らないけどそれでも収録されたあの頃の謎アルバム曲が好きで
そういった下手したら捨て曲やんという楽曲を意図的に作ったのがコレ。
重要なのは繋ぎの曲ではなくあくまでも独立してるけどよくわからない
ということです…だと思います私は。どうでしょうか。

この曲の始まりは、可愛くないフューチャーベースを作ってみようかな?
というアイデアでした。声風の素材とか入ってるけど可愛くないという。
あの手のジャンルは音連打!・ピッチ上昇!・水滴みたいな音!
みたいなそうゆう印象があります。それだけじゃないけどねもちろんね。
それを一つもやらないで作れないかな?と思いました。

結果的にはフューチャーベースからどんどんズレて遠ざかっていきまして
現在の4つ打ち変態テクノみたいな形に落ち着きました。
4つ打ちの変態じみた気持ち悪いテクノって最高じゃないですか?(ΦωΦ)

07.夕景メトロ
アルバム制作終盤に出来た楽曲。もうその頃は53rdのデモ作ってました。
この時点で8曲分揃っていたのですが俯瞰で眺めた(聴いた)時に思ったのが
"アルバムの良心みたいなものがない"というものでした。
媚びを売ると言ったらあれなのですが聴き手に寄り添うものが必要だと、
そうゆう想いで制作したのがこの曲です。

温かみや優しさを感じられる曲にすべく47thアルバムを参考にしました。
あのアルバムはカトリさんというかたと共に作り上げていったものでして
人に寄り添うことの出来る1作を目指したものなので丁度いいかな、と。
アレンジにトランペット等入れたのも47thを意識したゆえです('ω')ノ

残念…というか少しがっくりしたのはこれ先行第2弾として出したときに、
予想以上に皆さんポカーンって感じだったんですよね。
早い話これじゃなかったというか伝わる曲ではなかったのだと思います。
聴き手に寄り添う曲を作ったつもりが出来ていませんでしたというオチ。
あまりにショックだったので母にLINEを送ったのですが、

"今回のは視聴者さんには分かりにくいと思う。音が多くて難しかった"
"感動系なのか派手系なのかが今一つ掴めない"

という非常に鋭い指摘が来て、その夜は身を震わせて寝ましたよ私は。

08.タコタコ節
今作で一番最後に完成した楽曲。打ち上げ気分でゆるゆると作りました。
"夕景メトロ"とこの曲があることであまり重くなり過ぎないかなと|ω・)
あとアルバム全体の流れが決まる感じもあります。

1曲目/5曲目同様に三連符系の楽曲。遅いシャッフルを意識しました。
尺八風のシンセと高音ピッチのスラップベースが大変活躍しています。
音を高くし過ぎてメトロノームみたいになってるのがポイント。

途中シンセパートがバグったみたいになる箇所があると思うのですが、
あそこは目を閉じた状態でソフトの打ち込み画面をクリック連打して
各音を無理くり繋げて鳴らしたものを採用しています。

これは、意図的ではないフレーズを生み出すべく行った方法なのですが
目を閉じてクリック連打して出来た音を繋げて鳴らす
という行為がすでに意図的なものなので、何とも虚しかったりします。
AI作曲等が出てきた今だからこそ何か枠からはみ出したものを作りたい、
けど思ってやった時点でそれは枠内。…ううん。

09.嘔吐Matic
35thアルバム収録曲"嘔吐Mation"の続編として制作した楽曲です(ΦωΦ)
音楽性としては渋めのミニマルテクノ/アシッドハウスを意識しました。
環境音も入っているので実質的には実験音楽に近いかもしれないですね。
何気に337拍子のリズムが入っていたりもします。

この曲を製作する上で気を付けたのは"熱くし過ぎない"という事でした。
今思えば元となる35thアルバムの楽曲たちは熱量が高すぎると思っていて
1曲1曲頑張ってます感が強く改めて聴くと押しつけがましいと感じます。
そうではなくて、ただそこにあるテクノを作りたかった。

一応シリーズ同士の関連性を出すために踏切の音を入れていたりしますが
今回に関してはそこは主役ではなく異なる種類のキックの重なりの渋さや
チョップした(刻んで使った)リズムパターンのクールな味付けを推したく、
出来る限り温度の低いアレンジに仕上げました。

10.ダケド生キ鯛
先行第一弾であり今までの不謹慎シリーズに対する1つの結論となる曲。
集大成ということで過去作のメドレーを楽曲内にねじ込んでみました。
(マグロ転がる・解体ショウ・提灯ENCORE)

私は小~大学生時代にいたるまで、何度も死にたいと思っていましたが
それは、辛いから死にたいのであって楽しければ生きたかったはずです。
つまり辛いから死にたい楽しく生きたいの裏返しの感情なのでは?と。

死にたがりの人ほど誰よりも幸せに生きたいと願っていると思っていて、
そもそも、幸せとかどうでも良いわって性格の人はそんなに悩みません。
何故なら幸不幸をどうでも良いと言える状態こそが幸せだからです。

実際、今私はどうでもいいです。他にやらなきゃいけないことがあるし
やりたいこともまだまだたくさんあります。

死のうかなって思ってるひまがあったら曲を作り絵を描き動画を作る、
うだうだしている間に曲であれば3曲ぐらいは出来るでしょう。
自分を悩ませるもののために心のキャパ割いてたら人生終わります。
さっさと趣味を見つけて下手でも極めるべき。一度きりなんだから。

で、この楽曲世界においての主人公が立たされている状態は、
"生きるのがつらいけど死ぬ勇気も無いのでまた生きるしかない"
"死んでしまうにしては時たま良いこともあるので捨てきれない"
という位置。

これは大学2年次の私です。今思えばこのうだうだ状態が良かった。
ここであっさり諦めていたら今ここにいないわけですものね(ΦωΦ)

今まで発表してきた不謹慎曲はアウトロが特徴的な楽曲が多くて、

・マグロ転がる→アウトロで電車に轢かれる
・解体ショウAlbum版→お通夜ムードで終わる
・提灯ENCORE→絡まれて殴られる

といった感じで割とバシッと〆てきたのですが
このダケド生キ鯛だけはフェードアウトのアウトロになっています。
これは、どんなに死にたくてもあなたは明日からも生きていくのよ、
という意図を込めたものです。当人はつらいだろうけど生きてこそ。
まぁこれも過ぎたから言えることなんだろうけどね。

こうしてアルバムはフェードアウトでまだ続くよ~て感じで締めまして、
そこからもう1度1曲目"イツモ揺レ鱒"に戻って聴いてみて欲しいんです。
あ、この主人公は良くも悪くも生き残ったのねて感じが出ると思います。
君たちはどう生きるか(言いたかっただけ)

ということで今回は52ndアルバムのセルフライナーノーツでした~!!
読んだからと言って特段何かあるわけではない文章でごめんなさい💦

それではまた別の記事で!👼

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