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「諦めず、愚直にやることが何よりも大切。」オーダーメイドギフト「Hearko」代表・内藤遥さん

このマガジンではクラウドファンディングを成功させた方々に、プロジェクトへの情熱や人の心を動かせた理由をインタビューし、ご紹介しています。

今回ご紹介するのは、「もの作りを通して、目の前の人を幸せにしたい」。その想いひとつで退職をし、起業に踏み込んだ内藤遥(@hako620)さん。

内藤さんが創業したオーダーメイドギフト制作サービスの「Hearko」は、クラウドファンディングに挑戦し、目標金額である30万円を無事達成しました。

精神的にも肉体的にも大変だった2ヶ月間。

泥臭い日々だったとのことですが、挑戦したからこそ得られた”決意”や”感謝”があると言います。

今回は起業をしたきっかけや「Hearko」に込められた想い、クラウドファンディングを成功させた要因など、様々な角度からうかがっていきます。

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内藤遥さん / オーダーメイドギフト制作サービスの「Hearko」の創業者。新卒でデザイン会社に入社し、主に化粧品や食品のパッケージデザインを担当する。カナダで1年間のワーホリを経てHearkoを創業。兵庫県神戸市出身。筑波大学芸術専門学群卒業。

時間が有限なら、チャレンジしたい!

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――まずご自身のブランド「Hearko」について教えてください。

内藤さん:「Hearko」は、Heart(ハート)+hako(箱)=Hearko(ハーコ)から成っています。「ものづくりを超えた、たからものづくり」をコンセプトにしており、誕生日や記念日、結婚、プロポーズなど、大切な人へ贈るプレゼントを完全オーダーメイドで制作しています。

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――すごい、完全オーダーメイドですか…! 「Hearko」を立ち上げたきっかけは何でしたか?

内藤さん:昔から創作活動が好きだった影響もあって、デザイン会社に入社し、主に化粧品や食品のパッケージデザインを担当していました。

――パッケージデザインですか! すごい。

内藤さん:そんなある日、友人からウェルカムボードを依頼されたので作ったのですが、これが本当に楽しくて…! 「商業デザインよりも、目の前の人を幸せにしたい」という気持ちが強まったんです。ただ、会社員だとなかなか叶えられないんですよね…。

――なるほど。たしかに、会社員だと自分の意思は反映されづらいですよね…。

内藤さん:会社員時代は有意義だったのは間違いありません。でも、もっと0→1的な仕事をしたかったのも事実で。自分の気持ちに正直になりたくて、思い切って退職しました。

――思い切りましたね! 退職後は何をされたんでしょうか?

内藤さん:退職後はカナダで1年間ワーキングホリデーに行ってきました。この経験が「Hearko」を立ち上げたきっかけにも繋がっています。

――ワーキングホリデーが起業への着火剤になったんですね! どんなことをしていたんですか?

内藤さん:カナダでのワーキングホリデーは、予め1年間と決まっていて。時間の有限さや大切さを感じながら過ごしていたら、「現地でしか体験できないことを体験したい」というハングリー精神が湧いてきて。インターンやボランティアなど自発的に動いていましたね。

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――すごくアクティブで、すてきな話ですね。

内藤さん:カナダで自発的に動く経験を通じ「残されている人生が1年ではないにしろ、時間は有限で大切なんだ」と気づかされました。いろいろと内省した結果、「後悔しないように生きるためには、自分のやりたいことや挑戦したいことに没頭できる人生でありたい」と思って。

――なるほど。その発想が起業へとつながるわけですね。

内藤さん:そうですね。そこから「起業したい」と決心して、Hearkoを立ち上げました。

プレゼント選びの時間と手間を代わりに担うお手伝い

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――「Hearko」のコンセプトは、どのようなものですか?

内藤さん:大切な人へ贈るプレゼントを完全オーダーメイドで作っているのですが、ものだけではなく「送り主の想いをもの作りを通して届けていきたい」という願いを込めています。

――送り主の想い、ですか。

内藤さん:はい。プレゼントをもらった時に「うれしい」と感じるのは、贈ってくれた人が自分を想ってくれたことや、時間をかけて選んでくれたことだと思っています。つまり、うれしさの要因は「もの」よりは「見えない何か」ではないかなと。

――たしかにプレゼントをもらって「自分を想ってくれていた時間があったんだ」と思うと、ほっこりしますよね。

内藤さん:でも今の時代、プレゼント選びに多くの時間を割けない人が多いと思います。そこで、Hearkoがお客様の「時間と手間を代わりに担いたい」と考えました。

――なるほど。依頼主に代わって、想いをしっかり伝えられるプレゼントをつくるということですね。


自分を奮い立たすためにクラウドファンディングに挑戦

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――なぜ「Hearko」でクラウドファンディングに挑戦しようと思ったんでしょうか?

内藤さん:元々興味はありました。でも「達成しなかったらどうしよう」と、踏み切れなかったんですよね。ただ、私が最終的にクラウドファンディングに挑戦した理由は「本腰を入れるぞ」と自分を奮い立たせたかったからだと思います。

――自分を奮い立たせるためですか…。

内藤さん:起業当初はなかなか収益化が難しく、アルバイトと両立をしていました。でも「もっと本腰を入れてやらないと」と思ったんです。1本に絞って、がむしゃらに頑張りたかった。

――フルコミットしたかったということですね。

内藤さん:そうです。「せっかく時間を割いて本腰を入れるのであれば、いろんな人にHearkoを知ってもらいたい」と思うようになりました。それで、クラウドファンディングへの挑戦を決意したんです。

一番大切なのは「諦めず、愚直にやること」

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――はじめてのクラウドファンディングとのことでしたが、何が印象的でしたか?

内藤さん:「大変だったな…」ということですかね(笑)。一人でやっていたので、より負担だったと思います。不安と毎日戦っていましたね。

――不安の日々だったんですね。

内藤さん:ワクワクもありましたけどね。クラウドファンディングページを公開したはいいものの、支援されるのってなかなかむずかしくて。約2ヶ月はワクワクと不安が交差して、眠れない日々でした…。

――ただそんな中、目標金額30万円を無事に達成されましたよね! 何が1番大きな要因だったと思いますか?

内藤さん:達成できた大きな要因は「最後まで諦めなかったこと」だったと思います。「精神論じゃん」と言われそうですが(笑)。でも気持ちって何よりも大切だと感じてます。

――やっぱり結局、気持ちなんですね……。

内藤さん:なんとしてでも達成させたかったので、知人にクラウドファンディングに挑戦していることを伝えたり、イベントに積極的に足を運んでHearkoのPR的なこともしていました。

――すごい…! めちゃくちゃ泥臭いことをしていたんですね。

内藤さん:もちろん、戦略もありましたよ。たくさんの人に見てもらいたかったので、みんなが暇を持て余していそうなお正月に合わせてプロジェクトをスタートさせたんです。そのことを年賀状に書いて、知り合いやお客様に送りました。その影響もあって、スタートダッシュは上手くいきましたね。

――やっぱり戦略も大切ですか。

内藤さん:はい。……とは言うものの、やっぱり諦めず、愚直にやることが何よりも大切ですけどね。私も途中で支援がパタッと止まったことがあって、心が何度も折れかけました。でも諦めなかったからこそ、達成できたと思っています。

支援者の温かい声に救われる日々

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――クラウドファンディングをやったからこそ得られた喜びはありますか?

内藤さん:支援者からの温かい応援メッセージや、愛のある支援に救われましたね。クラウドファンディングがあと数日で終わる頃、実は目標達成まで残り1、2%だったんです。あと1、2人の支援で達成できるか否かでした。

――それはヒヤヒヤしますね。

内藤さん:本当にヒヤヒヤしました。その時、初めの頃に支援してくれた方が気にかけてくれていて。「私の支援で達成できるかな?」と、もう一度支援をしてくれたんです。その方のお陰で、無事に達成できて。本当に感謝の気持ちでいっぱいでした…!

――おお、うれしい! それはクラウドファンディングならではですね。

内藤さん:クラウドファンディングが終わってから今までずっと、支援者への感謝の気持ちは変わらず持ち続けています。支援者の方に「Hearkoを応援してよかった」と思ってもらえるよう、これからも頑張っていきたいです。

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――支援者の期待には応えたいですもんね。

内藤さん:Hearkoが大きくなっていくことが「支援者への恩返し」になると思うので、地道にコツコツと活動していきます。

「応援したい」と思ってもらえるような発信とは

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――今までマインド面でのお話が多かったのですが、目標金額を達成するために意識していたコツはありますか?

内藤さん:テクニック的なことで言えば、かなり「見せ方」は意識しましたね。

――具体的にどのような意識をされていたんでしょうか?

内藤さん:たとえば、文字や写真のバランスです。実際のクラウドファンディングページを見ていただけるとイメージが湧くかなと思います。

――伝えることの見え方だけでなく、内容に関してはいかがでしょうか。

内藤さん:何より「自分の想いの言語化」がとても大切です。私はHearkoを立ち上げた理由や、クラウドファンディングに挑戦しようと思った理由なども書いていました。

――たしかに、運営者の想いを聞くことで「応援したい」と思いますもんね。

内藤さん:そうなんですよね。「この人の応援したい」と心を動かすことで支援に繋がるので、「伝え方」や「見せ方」を意識すると、ぐっと目標達成が近づくと思います。

「自信がない人」にこそ挑戦してほしい

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――では最後に、どんな方にクラウドファンディングにチャレンジしてほしいですか?

内藤さん:意外かもしれませんが、ぜひ「自信がない人」ほどクラウドファンディングにチャレンジしてほしいんです。

――自信がない人はすこし酷なのでは……。

内藤さん:最初の方でもお伝えしましたが、私も最初「失敗したらどうしよう…」と、自信がなくて躊躇していました。でも一歩踏み出すことで、小さな成功体験を積み上げることができたんです。

――なるほど……。小さな成功体験ですか。

内藤さん:クラウドファンディングって精神的にも体力的にも、正直大変です。私の場合、「今日は支援してもらえるかな?」「どうやったら目標達成できるかな?」と頭を悩ませる日々だったので。

――大変そうですよね……。

内藤さん:大変ではありますが、2ヶ月間没頭して全力でやりきることで、目標を達成した時には、今まで味わったことのない感覚を得られました。逆説的ですが、挑戦することで自信が得られたので、自信がない人ほどぜひチャレンジしてほしいですね。

――なるほど、乗り越えるてこそ、ということですね。

内藤さん:クラウドファンディングは体力的にも精神的にも大変だとは思います。でも、挑戦し、乗り越えたからこそ得られる体験があります。私の経験談が、少しでも参考になれたら幸いです。

――本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!


執筆/ヌイ

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