ちょっと怖い話

 あれは十日ほど前のことでした……と書き出したはいい物の、怖い話のテンプレートがわからないので普通に言うことにします。

 先日、西尾維新先生の「美少年探偵シリーズ」の十作目である『美少年蜥蜴【光編】』を購入しました。

 そして諸々の義務や趣味を積み上げたまま読み始めようとしたんですが、開始数ページにして話が飛んでるような感覚があったんですよね。

 事件が発生してないのに調査パートに入っているような、そんな違和感……単純に一つ前の九作目のオチが十作目への伏線になっていたけれど、作者の著作100作目を『ヴェールドマン仮説』で飾る都合上期間が空いたことによりすっぽり抜けていたからってオチだったんですが。

 そうなればそちらも読み返そうと思うのは自然の理。
 伏線を忘れているとはいえ本編の大筋とオチ、ついでに短編の内容についてもあらかた把握してる分、ある程度速く読み終えるはず。
 というわけで折り返しの既刊一覧を見つつ九作目……『美少年M』を、背表紙を頼りに本棚から引っ張り出しました。

 そして表紙を見て、帯を見て、そこでもう一つ忘れてたことに気づかされました。

 短編、2つあるじゃん。




  再読したところ、『美少年M』をざっくり本編、短編①、短編②、後書きに分けたうち、後ろの短編②と後書きのおよそ50ページ近くが見覚えのないものでした。全体が250ページぐらいなので、五分の一を読んでなかったことになります。

 いつのまにかダウンロードコンテンツが追加されてたようで、なんとなくお得感がありました。

 『本は読むたびに新たな発見がある』という言葉の通りですね……いやこんな大胆な見落としを想定していたとは考えにくいですが、まぁ言葉の意味は変遷していくものです。

  閑話休題。

  実のところ、作品の内容を取り違えてたのはこれが二度目でした。
今回は『一部を読んでないのに全て読んだ気になってた』わけなんですが、以前は『結末をより自分にとって幸福なものとして記憶していた』んですよね。

 ヒロインに洗脳じみたことをされている主人公が、敵役に真相を知らされても、それを飲み込みともに歩もうとするエンド……が、ヒロインの洗脳から逃れられないエンドになっていました。

 単行本である『美少年M』と違い、こちらはR-18なweb小説だったので、読んだ後に改訂されてた可能性、他の作品と間違えていた可能性もありますが、しかし改訂したにしては作者様からのアナウンスもなく、詳細は語れませんが間違えるような作品ではありませんでした。あったら見たいわ。

 
 で。


 自覚しているのは『読み飛ばし』と『内容改変』の二つだけですが、気づいていないだけで実はもっと別の取り違え……存在しない話の『捏造』とかをしているかもしれないと考えるとぞっとしますね。

 最後に、この話はフィクションです。
 実際の人間、人間、人間とはきっと関係ありません。




 蛇足、「サイコロのままに」にですが、これは参加日を25面webダイスで決めたってことメッセージですね……よし、これでword換算1225文字!

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