都市計画法#10 【建築基準法①(用途規制)】
用途規制まとめ
用途規制は下の表を覚えることが必要です。
原則①:一種低層住居専用地域が最も建築条件が厳しい
原則②:商業地域が建築条件一番緩い
原則③:〜〜専用地域は、専用用途以外の建築条件が厳しい
公共施設・住居
公共施設=公共・公益性の高い施設はすべての用途地域で建築できますが、
例外的に建築できないものがあるので、それを覚えることが近道です。
まず前提として、以下の施設は用途地域に関わらず建築可能な施設です。
例外①:工業専用地域
次に例外を見ていきます。
工業専用地域は環境の悪化に影響を及ぼす施設が存在するため、
全用途地域の中でも厳しい用途規制が適用されます。
以下の施設は工業専用地域には建築できない施設です。
例外②:学校
学校とは学校教育法により指定された施設のことを指します。
学校の種類により用途規制が異なります。
※ちなみに保育園・認定こども園は児童福祉法に基づく福祉施設として扱われますので、学校等に含まれません。
工業/工業専用地域では環境悪化の懸念から以下の施設は建築できません。
また、工業/工業専用地域に加え、低層住居エリア(一低層/二低層/田園住居)においては住居の環境を確保するため、以下の施設も建築することができません。
以上をまとめると以下の表になります。
店舗・事務所等
店舗・事務所は近商/商業/準工業地域で建築可能です。
それ以外の用途地域では面積・業種・業態により建築可能になる場合があります。
例外①面積要件
一種住居地域では3000㎡以下、二種住居/準住居では10000㎡以下の店舗・事務所は建築可能です。
例外②:業種・業態による制限
一種住居〜準住居以外の用途地域では、業種・業態による規制があります。
第一種低層住居専用地域
第二種低層住居地域
田園住居地域
第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域
工業専用地域
以上をまとめると以下の表になります。
商業施設(レジャー・娯楽・遊戯施設等)
商業施設は二種住居・近隣商業・商業地域・準工業地域で建築可能ですが
それ以外の用途地域でも例外的に建築可能な場合があります。
※二種住居地域は住居地域のため、遊技場や風俗施設は建築できません。
例外①:ホテル・旅館
例外②:スポーツ系施設(ボーリング場・水泳場・スケートリンク等)
例外③:遊技場(麻雀・パチンコ店・カラオケボックス)
劇場・映画館関連(劇場・映画館・演芸場・観覧場・ナイトクラブ等)
以上をまとめると以下の表になります。
風俗施設等
風俗施設は商業地域にのみ建築可能です。
例外として、料理店・キャバレーは準工業地域でも建築可能です。
例外:料理店・キャバレー
以上をまとめると以下の表になります。
自動車関連施設等
自動車は日常生活に必要なモビリティであるため、工場その他施設の中でも比較的規制は緩和されています。
基本的には住居系地域では規制されているイメージです。
自動車教習所
車庫(→過去問見る)
準住居~工業専用地域で建築可能
例外として、2階以下または300㎡以下であれば一中高~二種住居でも建築可能です。
(=低層住居地域では建築不可)
自動車修理工場
工場
工場は周囲の危険性や環境悪化への影響が大きいため、その建築は厳しく規制されています。
基本的には工業系地域(準工業/工業/工業専用地域)のみ建築可能ですが、
例外的に環境悪化の影響が少ない工場は住居/商業系地域でも建築可能です。
周囲への危険性・環境悪化への影響度がほぼ無い工場等
周囲への危険性・環境悪化への影響度が低い工場等
周囲への危険性・環境悪化への影響度がやや高い工場等
危険性が大きい・環境悪化の恐れのある工場等
以上をまとめると以下の表になります。
その他
その他、建築基準法にて倉庫や特殊建築物等について規制があります。
営業用倉庫(倉庫業)
自家用の倉庫
特殊建築物
特殊建築物とは卸売市場・火葬場・汚物処理場・屠畜場・ごみ焼却場などのことです。これらは、原則として都市計画において敷地の位置が決定しているものでなければ建築することが出来ません。
上記をまとめると以下の表になります。
用途規制の補足
敷地が2以上の用途地域にまたがる場合、敷地の過半が属している用途地域の制限が適用されます。
用途規制に違反している建築物であっても、特定行政庁の許可があれば建築可能です。※特定行政庁:都道府県知事or市町村長のこと。
特定行政庁の許可を得たとしても、原則として利害関係を有する者の意見を聴き(意見聴取)、建築審査会の同意を得ることが必要
増改築・移転であれば意見聴取も同意も不要
日常生活に必要な政令で定める建築物については意見聴取のみで同意は不要
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