『ノンセクが26年間を振り返ってみた話』⑪「好き」の種類が違う
2ヶ月以上やりとりをしてから初めて会ったTくん。デートも順調に進み、3回目のときに告白され、私も「こういう人が合うんだろうな」と思い、OKをした。
Tくんはことあるごとに言葉や文字で「好き」を伝える人だった。しかも「大好き」が多めだった。
今回外見抜きにして求めてた条件が「優しい人」「常識のある人」そして「私のことを大切にしてくれる人」だったから、まさしく彼は私のことを大切にしてくれていたと思う。だけど、初っぱなからそこに違和感を感じた。
私はどうしても愛のこもった「好き」が言えなかった。そもそもの熱量に差(私は「この人ならいいな」レベルでOKした)があったとは思うが、好いている相手から好きと言われたら、嬉しくなって、自分も相手に対する好きが大きくなるもんだと思ってた。だけど、Tくんから「好き」を浴びても妙に冷静で、「好き」で返すのではなく、「ありがとう」「私もだよ」で返していた。
誤解がないように言えば、私は人から褒められたり、好意を持たれたりするのはむしろ嬉しいタイプだ。
そしてTくんに対しても「すごい」や「かっこいい」はためらいなく口にしていた。なのにどうしても「好き」だけは違和感がある…
時が経ってから、私は「LOVE」の意味の「好き」を受け取れなかった、そして私がTくんに抱いていた好きは「LIKE」、人間的に好きという方だったんじゃないかと思うようになった。
Tくんの「好き」と私の「好き」は、そもそも同じ土俵にいなかったのだ。
ただ当時はそのような考えには及ばず、好きが重なり合わない状態でお付き合いが続いた…