共題連作 第2回
歌人ふたりで同じタイトルの五首連作をつくったらどうなるかしらの企画、第2弾です。
今回のお相手は日向彼方さん。これまた普段Twitterにてやりとりさせていただいております。
当初はこちらから声をかけていこうかなあと思ってたのですが、やってみたいと立候補くださりありがたい限りです。おかげさまで楽してもう何回かできそうです。
さて、今回のタイトルは『脆く、儚く、美しく』となりました。前回と同様タイトルメーカー的なものから引っ張ってきました。難しかった……
では、早速連作の紹介にまいりましょう。どん。
脆く、儚く、美しく 日向彼方
嘘めいた世界で僕の内側を置き去りにして夜の海中
一発の乾いた音に落ちてくる命も平等なんて嘘だろ
人間が海から来たと言うのなら死んでゆくのも海なのだろう
無視された世界の隅っこでひとり寂しいかたちして生きている
走馬灯候補の今日を保存して次の候補へ駆け出してゆく
脆く、儚く、美しく 御殿山みなみ
クッキーのように砕けるプライドよクッキーを叩き割ったことがない
際限なくふえる口唇ヘルペスをたのしくなんてしてやるもんか
そして誰もが人生最後のきょうの灯を平成最後にかくせばいいよ
はかないね舞い散る花もないままにはかなむほどの世じゃなかったら
かわいくないものにかわいくないと言った 放置系ソシャゲのうつくしさ
いかがでしたでしょうか。僕に関しては、前回と方向性を変えない風にやってみました。次回はどうしようかなあ。
日向さんも、なんとなく今回は連作のベクトルが揃った感じはありますね。やはり「脆く」から入るあたりが方向性に作用するのでしょうか。さびしげながらも芯のある連作だなあと感じました。
並べると読んでてとても楽しいので、まだまだ続けていこうと思います。ご感想なんかいただけるととても喜びます。
それではまた次回。お付き合いいただきました日向さん、誠にありがとうございました。
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