共題連作 第4回


歌人ふたりが同じタイトルで五首連作をつくったらどうなるかの企画です。四回目ということでいい感じにシリーズ化してきましたね。

今回のお相手は、澪那本気子さん。回文クラスタ時代よりお世話になってる方です。

例によってタイトルは僕が決めましたが、今回はタイトルメーカーに頼りませんでした。澪那さんとは歌風がけっこうちがうと自負しておりますので、割と誰が編んでも系統が似そうなタイトルにしてみようと思ったからです。

ということで早速。タイトルは「サンタ!サンタ!」です。時事的だ。



サンタ!サンタ!  澪那本気子

クリスマスツリーにはしゃぐ子供らが闘っている小児病棟

「病院は煙突なんてないのにね」「今年もサンタ!サンタが来たよ!」

肺炎で息子を亡くすまでずっと男は仕事人間だった

聖夜には息子の死んだ病院でサンタクロースになりきっている

償いになるかはわからないけれど続ける息子と会える時まで


サンタ!サンタ!  御殿山みなみ

小走りでイオンへ向かう夢を見てイオンへ向かう軽自動車で

堅実さ 一度くらいは血走った目でじゃんけんをしてみたいのが

しあわせを乗っけるためのチェーンソーみたいな観覧車を作ってよ

血の雨が降らないことをまだどこか聖夜のおかげにしてる世界で

六歳のぼくを呼び出し新型のゲーム・ボーイを与えつづける


いかがでしたでしょうか。二人のクリスマス観が出ていたかもしれません。澪那さんはストーリーテリングかつリアルな連作を。僕はなんだかよくわからない連作になっております。いつものことでした。

しかし、このタイトルけっこう気に入ってるので、もしクリスマスまでに五首作ってくださる方いらっしゃったら教えてください。なんならこのnoteに追記させてください。いやほんと。

それではこのへんで。お付き合いくださいました澪那本気子さん、誠にありがとうございました。

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