見出し画像

2冊目の私家版歌集について考えたこと

2020年に私家版歌集『モモモノローグ』を出してから3年が経った。そして、特に予告をすることもなく、今月2冊目の『ペトルスカ・サルド・ブムブム』を出している。
前回の時も、あれこれ考えたことを書いてnoteにあげていて、だから、今回もやっておこうと思う。

一部お取り扱い店を除き、通販メインになります。文フリへの出展・委託予定はありません。
よければこちらからお求めください。


1.また私家版で出すことについて

これに関しては、現実的に自分に商業出版のルートがないのが前提ではあるのだけれど、私家版という形式で本を作るのが楽しくて、また作ってみたくなったというのが一番にある。
前回は、形にするだけでなくて多くの人に読まれたいという気持ちがあったので、データ版を作ってフリー公開した。今回は、自分でもびっくりするほど「ただ作りたかっただけ」だったので、予告もせず、一年弱準備して出してしまった。満足している。

最近は、インターネットもいつかは滅ぶと思っていて、ここに置いておけばいつまでも残るみたいなものはないだろうなという予感の中、そのときどきでやりたいことをやるかというのが性に合っている。そのへん、私家版市場はマッチしていると思う。

とりあえず、前回とは違うことをするかと思い、僕からは収録歌を出さないでおこうと考えているので、売る気がなさそうな宣伝になっている。もし読んでいただけた方の引用は歓迎です。


2.収録歌について

収録歌に言及しないとは言いつつ、構成は書いておこうかなと思う。

未発表短歌が124首、収録されている。新作は100首以上。旧作も、昔のストックだったり、歌会に出した歌だったりなので、ほとんどの方には初見だと思う。
ここ3年の公開分から組むこともできたけど、もっと本質的に本を作りたかったので、イチから作ってみた。

歌数は少ないが、1ページに1首掲載なのでページ数は前回と変わらない。
僕の歌は、情報量が多いので、それくらいのほうが読みやすいのかなと思ってやってみた。今回の歌も、「むずかしい言葉を一切使わない」というコンセプトこそあれ、情報量は多そうだ。そういう握りで短歌を投げているので、仕方ない。すいません。

ちなみに、使われている言葉で一番むずかしいと思っているのは「ケルベロス」なんだけど、異論があったら教えてください。


3.構成について

もともと僕は、全体の構図を決めてから、そこに合いそうな歌を書いてはめ込んでいくという作業が好きなので、今回はそれをふんだんにやった。
昔、『ベランダでオセロ』という合同歌集をやらせていただいたとき、「テン・テン」という自作タイトルで、「10首連作」を「10個」書いたことがある。そのときは全ての連作タイトルに「てん」という音の入った言葉を入れて、しかもタイトルと関連する連作中の歌が、1個目の連作には1首目、2個目の連作には2個目となるように組んだりもした。

それに意味があるのかというと、なんもない。ただ、そういう大したことのない縛りがあるほうが、歌を書くときにノれるというだけである。
今回の構成について、ここで書いてしまったらたぶん野暮なんだろうけど、大したことではないので書いてしまう。31首連作が4つ入っている。それぞれにトランプのマークが振られている。それだけだ。そうすることによってわりかしテーマが整っているから、読みやすいかもしれない。
一応、それぞれの連作の真ん中の歌である16首目には、犬の歌を入れたけれど、これは伝えたいことではなくて、そういう組み方が自分の性にあっているというだけだ。


4.販路について

冒頭にも書いたが、基本通販となる。お取り扱いいただけるところもあるので、僕のTwitterでもお知らせはさせていただくが、たぶんリアルに買える場所は東京と大阪しかないとは思う。

価格は500円。送料込みだと870円になる。すいません。
ただ、僕は結構匿名配送を重視していて、これは自分の住所を知られたくないというよりは、送り先の住所を知りたくないという理由が強い。ご理解くださると幸甚です。


5.タイトルについて

正直、書いてはみたものの、作りたかったので作ったということを書いたら満足してしまったので、これで終わろうと思う。
タイトルの『ペトルスカ・サルド・ブムブム』は、造語だ。ただ僕の造語ではなくて、リンドグレーンの児童書『やかまし村の子どもたち』のなかで、子どもたちが使う造語からの引用である。
意味は、「今日はいい天気だな」とのこと。そんな歌集だったらうれしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?