ワールドトリガー感想 千佳ちゃんのSEについて
『ワールドトリガー』1〜27巻
『ワールドトリガー オフィシャルデータブックBORDER BRIEFING FILE』
までの内容から。
敵を感知できるらしい
千佳ちゃんのSEについて、最初に読んだとき自分は何となく「近界民の場所が分かる」のかと思っていた。
でもBBFには
「敵感知・気配を消す」
とある。
読み返してみると本編中では修に
「あいつは自分を狙う近界民の居所がわかるらしいんだ」
「千佳は敵が近づくのを感知できるんです」
などと言われている。
近界民ではなくあくまで「自分を狙う近界民」や「敵」を感知できるということらしい。
確かに近界民でも敵意の無い遊真には気づかなかったし、敵であればトリオン兵でも人型近界民(ヴィザ翁とヒュース)でも接近に気がついていた。
相手の意識を感じ取れるというとカゲのSEと近いのかもしれない。
敵って近界民だけ?
でもそうなると「敵」であれば玄界の人間であっても感知できるのか、というのが分からない。
ランク戦や合同訓練、2巻で近界民を探しに来た三輪隊に対しては感知の様子がない。
ランク戦も合同訓練も、言ってしまえばただの訓練なので本当の敵ではないということかもしれない。
では三輪隊はどうなのか。近界民を探し(殺し)に来たから目標ではない千佳ちゃんには分からなかったのか。でも勘違いで攻撃される危険もあった。トリガーを使っている現場を確認してから踏み込んできて
「今 そのトリガーを使っていたのは そっちの女だ」
と言っている訳だから、少なくとも三輪は千佳ちゃんに敵意を持ってから近づいてきている。
ということは「敵意を持つ」「近界民」しか感知できないのかもしれない。
ただ三輪隊は近づいてからトリオン体へと換装している。
そのことから「敵意を持つ」「トリオン体」を感知できるという可能性もある。
これ遠征ですごく役に立つのでは?
近界は玄界から見て未知の土地であり世界となる。
加えて玄界に来る近界民のほとんどがトリオン目的の敵であるのと違い、遠征に行った先には敵対的な近界民もそうではない近界民もいて、簡単に区別はつかない。
そう考えると距離があろうが明確に「敵」を判別できるこのSEは、遠征先でとても有用なのではないかと思う。
敵が分かるなら味方も分かるのでは?
トリオン兵に狙われ続けて近界民を恐れていたはずの千佳ちゃんが、近界民である遊真をすぐに受け入れられた理由。
遊真の幼く見える容姿や川辺での交流(自転車練習)、信頼している修の言葉ももちろんあるのだろうけど、「敵を感知」できるからこそ「敵ではない」ことも分かったのではないか。
「近界民でも……遊真くんは怖くない」
には「敵感知」に引っかからない遊真を敵だとは思わない、という理由もあるのかもしれない。
同様に、捕虜となったヒュースのチーム加入を受け入れられた要因の一つも、ヒュースに敵意がないことが分かったからなのかもしれない。(生身がトリオン体の遊真と違って、生身+トリガー角のヒュースが「敵感知」に引っかかるのかは分からないけれど)
「気配を消す」もまだよく分からない
「気配を消す」についてもまだよく分からない。だけどトリオン兵による捜索の目は掻い潜れているので、トリオン反応を遮断ができているのだと思う。
つまりはバッグワームと同じ能力なのかもしれない。
バッグワームとの違いは、使用中は「自分を空っぽに」していて行動ができなさそうという欠点と、トリオン消費がない・生身でも使えるという利点がある。
バッグワームはトリオン消費量が大きいけれど千佳ちゃんのトリオン量ならさほど問題にならないと思う。また、危険がある場所なら緊急脱出のあるトリオン体になるべきで生身でいることはまずない。
以上からB級隊員である現状「気配を消す」必要性はほぼないのでは?と思う。
強いて言うなら遠征に行って換装を解かざるを得ない状態になったときや、緊急脱出の圏外で換装が解けてしまったときには役に立つかもしれない。
まとめ
「敵感知」も「気配を消す」も、鬼怒田さんにでも相談して遠征までに正確な能力を検証すべき。
いや読者視点で見えていないだけでとっくに色々調べ終えているかも知らないけど。
今後の情報開示が楽しみ。