【ルークスで育んでほしいもの】新教員 内野すみれ
※この記事は2020/04/13の投稿の再掲載です。
こんにちは。内野すみれと申します。
東京外国語大学出身、大学では中国語を専攻していました。小説・映画・漫画・アニメ等々、フィクション全般が好きです。この4月からルークスの新任教員となりました。今日はこの場をお借りして、わたしがLoohcs高等学院(以下ルークス)やルークス生に抱く思いを、少しだけ共有できたらと思います。
ちょっと大きな声では言えないのだけれど、日本中で名が知られているような大企業の社長を務めていた方にこんな話を聞いたことがある。
「僕のやっていた採用試験の最終面接ではね、高校のころの話を聞いていたんだ。きっとその子は、『御社の志望動機は〜』とか『大学ではこんな活動をしていて〜』とかそういう話を考えて来てくれただろうに、それを全部横に置かせてね。
だって、その子の“志の種”は、もう高校時代に持っていたはずだから」。
“志の種”。ステキな言葉だと思ったし、それはすでに高校のころに持っていたはずだという考えに、私は深く頷いた。
その種は、大層なものじゃなくたっていい。だって「種」だもの。一本の映画かもしれないし、身近な人がしてくれた話かもしれない。家で寝転びながらふと思いついたことかもしれないし、Twitterで目にした何かかもしれない。そんな些細なことから大きく羽ばたいていけるだけの力が、チャンスが、いま高校生のあなた達の手元には確かにある。
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私自身は、いわゆる「ふつうの高校」の出身である。関わる大人なんてせいぜい親と先生だけ。平凡に勉強と部活をこなして、特に何も考えずに大学受験を目指した。正直、心底後悔している。後悔しているというか、「もっと何かできたはずだ」という思いがある。けれども仮に今、高校の入学式に戻れたとして、それでもやれることには限界があるようにも思う。できることの幅は、環境によって左右される部分が大きいからだ。たとえば、戻れるならまず「映画研究会」みたいな適当な部活を立ち上げたいけれど、果たしてそれが許可されるかもわからない。映画研究会なのに哲学書を読みふけるみたいなこともしたいけれど、さっぱりわからない思想に出会ったとき、それを解説してくれたり、一緒に考えてくれたりする大人はなかなかいなかっただろうと思う。
ルークスにはそれがある。自由がある。
これをやってみたいと思ったときに、サポートできる環境がある。ふつうの高校にはちょっといないタイプの大人がいて、なかなか聞けないような話を聞けたりする。ふつうの高校にはまぁまぁいないタイプの同級生がいて、お互いに刺激があったりする。ルークスの中にいるとむしろ感じにくいかもしれないけれど、ここで得られる経験はかなり貴重で、あなたの「一生モノ」になりうる。
そう、先の話で言うところの「志の種」を、めちゃくちゃに育みやすいのがルークスだ。
きっかけになるようなことがそのへんにごろごろ転がっている。なんならもうすでに種は持っていると思う。「わたしには何もない」と思っている子がいるかもしれないけれど、そんなことはない。ただ気付いていないだけ、言葉にできていないだけで。それに気付きやすい環境がここにはある。ほんとうに羨ましい。わたしが高校生の時にルークスがあったら、絶対に入りたかった。
羨ましいポイントはたくさんあるのだけれど、特にどれかと言われればいろいろなタイプの大人に出会えることだと思う。
ふつうの学校では、親と先生以外の大人に関わる機会はそうそうない。ルークスではふだんの先生に加えて特別講師の方もいるし、何か活動をすればそこで新たに出会える大人も沢山いる。若い時分に身近なロールモデル(師匠なり憧れの人なり)がいるとそれを目指して前向きに走っていける。
逆に「こういう大人にはなりたくない」があってもいい。そうやって「わたしが大事にしたいもの」は強固になっていく。
どうかぜひ、気になった大人についていろいろな側面から見てみてほしい。
10年や20年長く生きている分、想像もできないような経験をしているだろうし、「大人らしからぬ」一面もきっとあると思う。
他者から学びとれるものは無限にある。それは同世代の学生に対しても同じだ。
ともかく、いろいろな人間に触れて、「わたしはこういう人間になりたい」という思いを、掴んで深めていってほしい。
私が果たして高校生のあなた達にとってどういう大人に見えるかはちょっとわからないけれど、こっそり話せることはそれなりに持っているつもりではいる。もしもそれがあなたの種のきっかけのきっかけにでもなってくれたら、これ以上に幸せなことはない。
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登校再開できるまでにはまだ時間が掛かりそうですが、私たち教員はできる限りの準備をしています。教材作りや教科指導の底上げ、学生が何か困難にぶつかったときにどう乗り越えていけるかをとことん話し合ってみたり。
まだ会ったことのない学生たちのことを毎日考えて、とてもワクワクしています。
個人的には、より学習者の気持ちに立てるように、休日の時間でいろいろと新しいことにチャレンジしているのですが、そのひとつがマージャンです(笑)。これがね、仕組みを覚えないことには楽しめないゲームなのでけっこう暗記がいるんですよ。「ああ、暗記ってこういう風にやれば効果的にできるよね」とか、何もかも教育目線で考えちゃったりしています。
かなり真剣にみんなのこと、教育のことを常に考えて過ごしています。
ちょっと真面目に書きすぎた節もあるのでもっとふざけたことも書きたいんですが、長くなっちゃうので今回はこのあたりで。
そうそう、わたし自身の種で言えば、「とてつもなく物語と人間が好きだった」とかかしら。このへんの話もいつかできたら。
学生のみなさんに会えることを、めちゃくちゃハイパーウルトラ超絶楽しみにしています。