見出し画像

【プランドハップンスタンス理論】偶然の積み重ねでキャリアは形成されていくらしい~センパイ’sトーク(森田さん)


こちらはLoohcsマガジンにある『主人公図鑑』の記事になります。
主人公図鑑とは、Loohcsに通う中高生が社会で活躍しているセンパイ(社会人)たちから進路選択の過程を学ぶことができる、彼らと繋がるためのツールです。

近年、少子高齢化や東京一極集中が社会的な問題となっています。そのため、地域を活性化しようという取り組みが全国で広がっているのが現状です。しかし、若者に魅力的な職が少ないなどの理由で地方を出て都心に移り住む若者は後を絶ちません。このような状況を地方はどう突破していけばいいのでしょうか?

今回は、北海道美幌町で地域創生に取り組む森田龍之進さんに、どのようなお仕事をしているのか、その中で抱えている難しさなどについてお話を伺いました!

!進路選択で参考になるポイント!
1.いつもと違う立場だと見えてくるものがある
2.キャリアは偶然の積み重ねだから、とにかく飛び込んでいく
3.様々な人に会う中で、自分の見ている世界の狭さや、色々な生き方を知り、社会に対する視野が広がる
4.他の誰でもなく自分がいるからこそ貢献できる生き方

ホテルの支配人を経験したからこその気づき

森田さんが、地方創生に携わろうと思ったきっかけを教えてください。

森田 日本を盛り上げるなら地方からだと考えているからです!そう思ったきっかけは、高校3年の冬に長野県白馬村のホテルで支配人になったことです。自分がサービスを受ける立場から、お客さんに向き合ってサービスを提供する立場になって沢山のことが見えてきました。

何か印象的な出来事はありましたか?

森田 ホテルの支配人をし、外国のお客様と触れ合う中で気づいたことがあります。日本のお客様は週末しか来ないんですけれど、外国のお客様は1~2週間くらい泊まっていかれるんです。宿泊業は、平日はお客様が少なく客室の稼働率が低いのですが、その平日を埋めてくれる外国人観光客の方をターゲットにして、地方の観光は色々と施策を打っていけばいいんじゃないかという考えに至りました。

偶然の積み重ねでキャリアは形成されていく

現在、北海道美幌町で地方創生を行なっている経緯は何ですか?

森田 新卒で就職したまちづくり会社に入社したことがきっかけで、北海道美幌町に移住をしました。最初から北海道に住むことを希望して就職活動をしていた訳ではありません。あくまでこうした偶然がキッカケで北海道の地で活動をしています。

#プランドハップンスタンス理論
キャリア(生き方,人生)は偶然の要素によって左右されることが多いという理論。実際、個人のキャリアの8割が、予想できない偶然の出来事によって左右されているという。 「だからこそ、飛び込んでいくことも大切」と森田さんは言います。

北海道美幌町を知ってもらいたい!

現在、森田さんはどのようなお仕事をされていますか?

森田 地域おこし協力隊という制度を活用しながら、現在北海道で働いています。地域共創を目指す、まちづくり会社FoundingBaseに所属し、北海道美幌町で新規事業となるワーキングスペースKITENの運営や、地域おこし協力隊インターン制度を活用した関係人口の創出を行っています。

地方で活動する中で感じる課題感を教えてください。

森田 日々の生活の中で市民の方に人口減少に対する危機感を感じてもらうことが難しいです。美幌町は、定量的にみるとここ4年間で1,000人くらい人が減っていますが、私自身も町で生活をしているとあまり実感としては分からないです。すると、合併するという話が出る直前になるまで、市民は人口減少に対する危機感を持てないという現象が起こるのです。

他にも、若者が都市に出てしまうのが地方にとって痛手だとも聞きます。

森田 そうですね。あとは、就業したことがない若者に魅力的な雇用が少ないのも難しさだと思います。美幌町周辺の市町村は給料が安いことが多いですし、職の選択肢が狭いのでどうしても20代とかの若者は、札幌もしくは東京とかに転出してしまう傾向がありますね。ですが、結婚して子供が生まれる段階など、人の価値観が変化した時に、美幌町は自然環境が豊かで、子育て支援もある程度ありますから、Uターンで帰ってくる方々もいると予想しています。

移住支援に力を入れれば、地方を活性化することはできないのですか?

森田 移住促進の取り組みをしても、短期的に成果を出すことが難しいんです。例えば、北海道の安平町を官民一体となって日本一の公教育を目指す町として、教育プログラムの推進と移住定住促進に力を入れて取り組んでいるのですが、、。7年くらい取り組んで、やっと移住人口が増えてきました。

色々な人に会うと世界が広がる

森田さんは、どのような中高時代を過ごしていたんですか?

森田 高校時代は沖縄県の通信高校に通い、冬に時間を作ってアルペンスキーに打ち込んでいました。その中で高1、高2とイタリアにスキー留学をして世界に挑戦をしましたが、右膝の半月板損傷など大怪我もあり、世界の壁の高さを痛感し、悩んだ末に高3でアルペンスキーを引退しました。

引退した後は何をしていたのですか?

森田 大学進学も考えたのですが、その当時は、大学生は遊んでばかりで時間を浪費しているという偏見がありまして(笑)。受験しないことを決めて地元のスキー場近くのホテルで働き始めました。

なるほど。だから、長野県白馬村でホテルの支配人をしていたのですね。
森田さんは慶應義塾大学を卒業していますが、一度は大学進学をしないと決めた上で浪人をして大学受験をしようと思ったきっかけは何ですか?

森田 中学1年生の頃に出会った師匠がいるんですけど、その方の自宅が東京の4階建ての大きいお家なんです。ホテル支配人の期間が終わったあたりで、「暇しているんだったら、とりあえずうちに来て人生考えろ」と師匠に言われたんです。家賃タダで一年くらい住ませてもらいました。
「いろいろな人に会え。」と言われて、知り合いの歌舞伎町のホストとか、お医者さんとか、実業家の方とか色々な方に会わせていただきました。

本当に色々な職業の方にお話を聞いたんですね。

森田 はい。そして、その経験から今までスポーツの世界しか知らなかったため、それ以外の世界も広いこととか、様々な生き方があることとかを学び、社会に対する視野が広がっていきました。
自分はまだまだ狭い世間しか知らない。自分の見聞を広げていくためには、大学に行って活動するべきだと考えを改め直し、大学進学を決断しました。

何に対しても全力じゃなきゃいけないわけじゃない

森田さんが大切にしている価値観はありますか?

森田 20歳くらいまでは、全力を大切な価値観として生きていました。スキーをやってきて、ホテルの支配人もやって、留学もしてたんだぜ!というすごくイケイケで尖っていたやつだったんですけど、、。

今は全力が大切な価値観ではないのですか?

森田 大学3年生以降にメンタルを崩し、半分引きこもり生活をしていました。そこで、何に対しても全力じゃなきゃいけないわけじゃないと気づきました。できる時は頑張った方が良いけど。人生にはいろんなことがある。だから常に全力である必要も無いんだな、と思うようになりました。

1年に50冊以上読みましょう!

最後に、この記事を読んでいる中高生に一言お願いします!

森田 本をたくさん読みましょう!できれば1年で50冊以上。僕も受験生の頃、師匠にいわれて死ぬほど本を読まされました。あの経験は今になって活きていると思います。なので、僕も頑張るので、一緒に頑張りましょう!


まとめ

森田さんも実際に活用されている地域おこし協力隊制度や、現在の地方の現状について知ることが出来ましたね。

皆さんも、森田さんのように、いつもとは違う立場にも挑戦してみましょう!グループワークで普段と異なる役割に挑戦するなど些細なことからでも大丈夫です!挑戦した先には、新しい世界が待っているはずです!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?