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歯学部で受ける教育【1、2年生編】

歯学部ではどんな教育が行われているのか?

・歯学部に入学したての新入生
・歯学部受験を考えてる方
・歯学部に息子・娘を進学させたご両親
・歯医者の教育現場をのぞいてみたい人

このような方にはぜひ知ってもらいたい内容です。

歯学部はすごく狭く閉鎖的な世界なので、歯医者がどんな教育を受けてるか知らないかと思います。

一般の大学とは全然違います。

カリキュラムや習得すべき科目はほぼ決まっており、どちらかと言うと専門学校に近いです。

どんな人でも一度は歯医者にかかると思いますが、そんな歯医者の教育現場をみてみましょう。

歯医者になるまでの道のりをご紹介します。

【注意事項】
ここに記載することはあくまで私の経験をもとにお話しています。各大学ごとにカリキュラムが異なるので全て同じような教育プログラムではありませんのでご理解の程よろしくお願いします。


【歯学部1年生】


1年生は大学によって様々です。


私の場合は「教養課程」といって他の学部の方と同じキャンパスで心理学、文学や語学などの授業を受けました。


一般の大学生とほぼ同じです。


「歯」に関する専門的な学習はほぼありません。


部活以外では上級生と関わることはほぼありません。


ただし、やっぱり歯学部は歯学部という雰囲気もあります。


部活動も「歯学部のテニス部」や「歯学部のサッカー部」に入るのが当然という感じです。


他の学部の方が入るいわゆるサークルというのにも一応、入れます。


ただし2年になるとほぼ行けなくなります。

どうしてか?

2年になるとキャンパスが移り、急に授業が忙しくなるからです。

生活が一変します。

2年からは歯学部独自の部活になるのもよくわかります。


『この1年だけは大学生活を楽しんでください。でも辞めるなら早い方がいい。2年生からは専門課程で勉強漬けになりますから。』

当時の歯学部長が言ってたことを覚えてます。


前半の何ヶ月かで病院見学というのがあり、1年生は歯科診療の現場を見ることができます。


この見学で歯科の世界が自分のインスピレーションと合わない人っているんでしょうね。

実際にこの1年生で辞めた人も1人か2人いました。


医学部をもともと目指していた人や歯医者としての将来に不安がある人は再受験を決意したりします。


ここでで決断しないと進路変更は難しくなります。


私はというと1年生というのは非常に楽しく、新しい出会いと自由を満喫できる日々でした。


しかし楽しい「ザ・キャンパスライフ」は1年生で終了します。


ここから壮絶な日々が待っているとは....



【歯学部2年生】

歯学部の2年生になると専門課程が始まります。

キャンパス自体が1年のときに通っていた総合キャンパスではなくて、付属病院の横の講義棟に移ります。


私の大学の場合もはやキャンパス感はなく、ただの病院横の寂れた建物って感じでした。

当然ですがキャピキャピした感じはありません。

2年生になった瞬間に雰囲気でキャンパスライフが終了したことを察しました。

そして朝から講義の連続、午後は実習の日々が始まりました。

前期4〜8月の授業内容は基礎医学。

組織学、生理学、生化学、解剖学でした。

「え、それだけ?」または「それ必要?」って思いましたか?


歯のことはまだまだ勉強させてもらえません。


歯医者も人体を扱うので、基本的な医学知識がないとダメということなんでしょう。


解剖学では御検体の解剖を実際に行い、口腔関係だけでなく、手や足、腹部など全身もしっかり勉強させていただくのです。


これは知らない人が多いようです。


解剖の実習は夜21時までなることも多かった。


生理学や生化学の教科も「なんだか面白そうだなぁ」って最初は思いました!


私の場合は最初だけでした。


甘く考えていました...


まぁ中には基礎医学大好きな学生もいますが、ほとんどの学生はこの基礎医学の詰め込みに憂うつな気分になってきます。


組織学は組織学総論+実習と口腔組織学とさらに分かれます。

さらに組織学の中に脳解剖+実習という分野も1つの単位としてありました。

生理学、生化学も同じで総論+実習と口腔生理学。

解剖も総論+実習と口腔解剖。

「口腔○○学」は歯学部ならではです。

総論はその学問をする基本中の基本を学びます。

医学部や理学部ではおそらくこの総論をやって「口腔○○学」はやらないでしょう。

このように「口腔○○学」があるおかげで、授業単位が多くなり忙しくなる傾向があります。

後期9月〜2月になると

病理学が組織学解剖学の代わりに加わります。

病理学は病変を扱う分野です。

やることは組織学と変わりません。顕微鏡での実習があります。

そして各分野に付属する「実習」が中々大変でした。

加えてレポート提出があります。


・組織学→顕微鏡で人体の細胞をスケッチ
・解剖学→御検体の解剖実習
・生理学→実験(人体の生理機能)
・生化学→実験(体内における化学変化)
・病理学→顕微鏡で病変組織をスケッチ

これが実習内容。

ざっくりですみません。

内容は膨大すぎて書ききれません。


これらの実習は時間ごかかる上、時間無制限的なところがあるので17時や18時、遅いと19時なんてこともあります。


なので学校終わった後にバイトは難しい。


ここが普通の大学生よりも少し忙しい理由です。


テストも膨大な暗記が必要となります。


「実習+テスト」この繰り返しの日々で勉強漬けになるのです。


さらに私の大学の場合はこれらの科目は必須であり、単位を落とせば留年です。


授業も複数回欠席すると留年の可能性が出ます。


そのためほとんどの生徒が休みません。


小学生のように授業ごとに点呼をとるので代返、代筆はできないシステムになってます。


授業も月〜金まで9:00〜16:00
実習があれば17時は覚悟
解剖実習は22:00までが通常。


授業はびっしり、空き時間とかほぼありません。


だいぶ一般の大学生とは違う生活です。


いや〜なかなか厳しかったですねー。


テストと実習で授業も休めないという日々は「歯医者になるんだという自覚を持て」という大学側のメッセージのようでした。


そんなわけで、2年生になったとたん天国から地獄へおちるような気分になったわけです。


3、4年生編につづく。




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