歯学部の教育【5,6年生編】
【1,2年生編】【3,4年生編】をお読みいただきありがとうございます。
いよいよこのシリーズ最後です。
<この記事の対象の方>
・歯学部の教育に興味ある方
・歯学部の1~4年生までの方
・歯学部受験生
・歯学部生・受験生のご両親
【5年次前半】
2~4年で基礎的な知識を講義や実習で学びました。
ここからは実際の診療に関わることになります。
つまり患者さんに接する。
ということでCBTという試験とOSCEという実技試験があります。
CBTはPCで選択式の問題となります。
今まで習った内容が試験範囲です。
内容はそこまで難しくありません。
私の時は臨床予備実習というのが5年次前期にありました。
その後、5年後期からい本格的に臨床実習が始まります。
ただしその前にOSCEがあります。
OSCEは大学ごとに実技の試験を実施します。
OSCEに合格しないと臨床実習できません。
OSCEの内容は色々あります。
・医療面接
・CR充填
・血圧の測定
・ラバーダム装着
・仮歯作製
・浸潤麻酔の手順
・SRP
・抜歯
色々ありますが、この実技で落ちることはあまりないです。
よっぽど危険で非常識のことをしない限り大丈夫のようです。
慣れていないのは重々承知なので、手技が下手なのはあまり合格不合格には関係ありません。
ただし、ものすごい緊張感がある試験です。
【5年次後半】
【臨床実習開始】
無事にCBTとOSCEに合格したらよいよ臨床実習です。
5年の後期から6年の前期の半年で全科を回って実習します。
実習する診療科によって課題やレポートが与えられます。
私の大学の場合は実習班(6人)で回りました。
実習班には各診療科から1人ライター(指導医)が割り当てられます。
この指導医には当たりハズレがあるのでそこが重要です。
臨床実習ではあまり患者さんに触れることができない学生もいます。
しかし積極性を示すと診療をさせていただけることもあります。
私は患者さんの治療に積極的に参加したかったので、ライターにお願いしたりしました。
・CR充填
・根管治療
・入れ歯の調整
・入れ歯の作製
・印象採得(型取り)
・浸潤麻酔・伝達麻酔
・親知らず抜歯
・縫合
・歯周治療
・支台歯形成
これらを経験していくことで実感がもてます。
私は早く一人前になりたかったのでできるだけ診療をさせてもらいました。
実際に患者さんの治療をするとすごく勉強になります。
もちろん、する前に手技手順の確認などをします。
そのため国試で臨床的な問題が出たら正答率は高かったように思います。
早い人は5年次に国試の勉強をはじめます。
だいたい国試の勉強はまず過去問をやるんです。
しかし最新過去問集が6年次の春にリリースされるので、私は金銭の問題から6年の4月スタートにしました。
そのため5年次は臨床実習ライフで終わりました。
<5年次まとめ>
・臨床予備実習
・CBT
・OSCE
・臨床実習
【6年次】
臨床実習は9:00~16:00まで。
待機時間などがある場合は国試の勉強です。
また6年になると国試の勉強で忙しくなります。
さらに私の大学の場合は6年後期に卒業試験があります。
卒業試験はペーパーテストですが、これをクリアできないと卒業できません。
一般の大学では卒論ですよね。
6年の前期は臨床実習+国試の勉強
6年の後期は卒試と国試の勉強です。
私たち歯科医は卒後に研修医として臨床研修というものを1年間しなければいけません。
臨床研修の研修先は自分で探して希望の医院を指定します。
研修を受け入れる施設側も希望の学生を指名します。
双方の希望がマッチしたら研修先が決まります。
単純なマッチングシステムです。
希望は第3希望まで出せます。
5年か6年で見学に行って決めるのが普通です。
この研修医の選抜試験などもある医院があるので準備をします。
研修先のマッチングの準備もするため全国あちこちいく人もいます。
6年次の10月頃に研修先がマッチングで決定します。
多くの歯学生が母校の大学病院または他大学の大学病院で研修します。
70%くらいは大学病院です。
25%が一般病院や医科大学の口腔外科
5%はその他(私はこれ)
私は研修先を一般の歯科医院にしました。
今後研修先に関しても記事を書こうと思います。
振り返ると6年間はあっという間です。
小学校卒業までの6年よりずいぶん早い。
そして6年では人生で一番勉強した気がしました。
国家試験に合格しないと私たちは歯科医になれないので死に物狂いです。
<6年次まとめ>
・臨床実習
・国試勉強
・卒試勉強
・研修先見学
・研修先の試験
最後まで読んでいただきありがとうございました。