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英国シニアライフを豊かに彩る「ナショナル・トラスト」の存在
イギリスは景観保護活動が盛んな国のひとつ。その為のチャリティ団体も多く、その代表と言えるのがナショナル・トラストです。
1895年設立の公益法人で、正式名称は「歴史的名所や自然景勝地のためのナショナル・トラスト National Trust for Places of Historic Interest or Natural Beauty」。
今や約500万人もの年間会員を擁し、6万人以上のボランティアが活動を支えるナショナル・トラスト。その恩恵は我らシニア世代にとっても、実に大きいのです!
ナショナル・トラストの理念と活動内容
ナショナルトラストの黎明期は19世紀後半。
近代イギリスでは産業革命により飛躍的に工業化が進んだ反面、環境に及ぼす悪影響が懸念され始めました。
そこで先見の明ある社会運動家たちが中心となり「美しい自然や歴史的資産を国民の利益のため永久に保存しよう」と設立したのが、ナショナル・トラストの原型です。
活動の根幹は、資産の所有者から歴史的建造物や景勝地の寄贈を受け、獲得した土地や建物などは国民の利用と娯楽のために信託財産として保持すること。
ピーター・ラビットの絵本で知られるビアトリクス・ポターも大いに賛同し、彼女と夫の没後には所有していた湖水地方の広大な土地・家屋の殆どを寄贈!
まさにナショナル・トラストの基本理念を象徴するエピソードですね。
こうしてヴィクトリア時代、「意識高い系」の人びとから始まったナショナル・トラスト。その後も支持者を増やしていき、今やイギリス最大の自然・史跡保護組織となりました。
現在ナショナル・トラストが所有するのは、2500平方km以上の土地、1250km以上の海岸線、500以上の歴史的建物・公園・庭園、およそ100万点の美術品・・・。
そして年間会員ならば、これら全ての入場料どころか駐車料金までタダになります。ね、使わない手はないでしょう?!
ナショナル・トラスト年間会員、種類と費用は?
もちろん個々の状況にもよりますが、リタイヤまたはセミリタイヤという人が多くなるシニア世代。
でもまだまだ体力あるし、単調な生活でボケるのもイヤですよね!?笑
そこでせっかく時間と体力に余裕があるのなら、なるべく外出して軽い運動がてら知的刺激も得たいもの。
そう考える中高年は多く、現在ナショナル・トラスト年間会員の平均年齢は55歳より少し上。幼い子供連れファミリー会員も多いことを考慮すると、やはり高めと言えるでしょう。
では肝心の年会費はいくらなのでしょう?以下は2021年10月現在の金額です。
おとな個人会員:72ポンド
同世帯のおとな2名のジョイント会員:120ポンド
ファミリー(おとな2人+同居する子供たちと孫たち):126ポンド
ファミリー(おとな1人+同居する子供たちと孫たち):78ポンド
他にも18歳~25歳は「ヤング・パーソン」となり個人会員は半額の36ポンドなどのバラエティがありますが、シニア世代に関する本稿では割愛。
また60歳以上で、過去5年間以上会員であった場合は、上記より25%の割引きが適用されます。
私とパートナーはまだ会員になってから4年目なので、ジョイント会員で1人60ポンドずつ負担。再来年の更新時には、25%引きになるのが楽しみです!
古代遺跡に貴族の館、息をのむ大自然まで!
以上、ナショナル・トラスト誕生の由来と現状をザックリまとめてみました。
というのも今後は、この機構を通して訪問したさまざまな場所についてもお伝えしたいからです。
古代遺跡のストーンサークルや、ヘンリー8世によって解散させられた修道院廃墟、中世の古城といった史跡から、今にもピーターラビットが飛び出してきそうな田園風景、息をのむ自然のパノラマ・・・。
そんなイギリス独特の名所や景勝地もご紹介しながら、シニア生活の醍醐味を共有していこうと思います!