臨終を見て聴いて
370枚の虎落ブエ
3Dにしろアニメーションにしろなんにしろ動きの前に構図のかっこよさを追求するべきだろと思ってるニンゲンなので、このMVみたいに動かす対象のかっこいい角度を知り尽くしてるような作品を見ると「そうだよ!!」と叫んでしまう。
もちろん対象がなんであれ格好のつく構図はあるけど、ここまで虎落ブエさんのカッコイイ構図を切って切って切りまくってMVを作れるのは磯辺アゲさんにしか出来ないでしょ。
いったいどれだけ好きならこんなMVが作れるんだ……。かつ、ファンが作った感もなく、本当に虎落ブエと臨終という音楽に捧げたような動画になってるのは本当に素晴らしく尊い。なんなんだ。
私は磯辺アゲさんの作品が好きで、イカれたnoteを書いたこともありますが、今回のMVがちゃんと「イソベとアゲ」の後の作品だなって感じられるところも大好きポイント。
磯辺さんの動画だと緩急で狂った感じが表現されるんですけど今回のMVは制作時間とか行程に全ての狂い要素が向いてて恐ろしいですね。本人が370枚書きましたって言ってるんですけど、ツイッターとかツイキャスとかでかなりの回数書き直したような発言をしていたので、370枚どころではないでしょうね。
ツイッターいっぱい引用したら磯辺さんいやがりそう。ごめん。
そんでここまでやって自分の名前ほんの一瞬しか出さないのほんとね。曲とも被ってないのほんとうにほんとうに。
本人は建前として音楽を沢山聴いてね、みたいなことを言うでしょうが、ギターソロの箇所は磯辺アゲによって虎落ブエのプレイが見れてるので、ここはひたすらに磯辺アゲ大明神を拝み倒すしかない。ありがたや~ありがたや~。
再戦
臨終という曲についてもしっかり書いておきましょうね。
トラウマコンピの時に残念ながら現地で買うことは出来ませんでしたが、すぐにBOOTHで購入して聴いてました。その時の感想がこちら。
歌詞については解像度が荒い。
『陽が落ちても~』のパートだけ動詞が無いんですけど、最後の「歌いながら~」に繋げるとなるほどねとなると同時に、それまでの『~知りながら』もその後にすべて『歌いながら~』が繋がっていたんだと気付いて、虎落ブエさん、詩も、構成も最高かよとね。
あとは、わたし好きな歌はめちゃくちゃ自分でも歌うんですが、やっぱ歌うために歌詞を読むと、視点が変わるのでまた別の構成の旨さが見えてきたり。
臨終はもちろんJ-popじゃないし、私は普段メタルをそんなに聴かない(それでも0じゃないのは虎落ブエさんの影響)ので、ジャンルごとの曲の構成には疎いんですが、1番サビの終わり方と2番サビの「今だけの命だと知りながら」の構成の違いはね。グッと来ますね。MVでも力入ってますもんね。1番サビ歌おうとすると凄い「今だけの命だと~」って入れたくなる。
で、あ~ここは音楽的にも物語的にも解決しちゃいけない場所だもんね~という箇所にある歌詞が『血の滲んだ筆の先が紙を駆けていく』なの、たまらなくないですか。構成的にも物語的にも対照的な位置にあるんですが、この2ポイントの対比、MVがのシーンがね。最高なので、見てください。
磯辺アゲ大明神よ。時系列的にも、一枚目は夕焼けで二枚目は朝焼けの後といった感じで詞に寄り添ったシーンでね、最高になっちゃったわね。でね、2枚目の後に前を向いて『今だけの命~』ですからね。ニコニコになってしまった。
で、『折れ曲がった釘』なんですけど。この歌詞については虎落ブエさんがつぶやかれてたんですけど、三木聡監督の『インスタント沼』から持ってきたそうなんですね。見たことない映画だったんで、これを機会に見てみたんですけど、出てくるんですよ『折れ曲がった釘』それも割と大事な小道具として。映画自体も面白くて幸せになれるので知らなかった人は見てください。
この『折れ曲がった釘』の意味を知ると、またグッっと臨終という作品の解像度が上がった気がします。いや、『臨終』なんて曲名ですから身構えて聴くわけじゃないですか。でも、テーマである『クリエイターとして自分の価値を信じること』とか『折れ曲がった釘』の意味とかを考えると死よりも、何をもって自らの生とするか、みたいなところへ向き合ってるのかなと感じます。終わりへ臨むって書くとカッコイイしね(?)
ちなみに『折れ曲がった釘』の意味がわかるとMV中で下書きのスマホの画面が出てくるのなんとなくわかります。ここは錆を撫でると同義なんだろうな、だからこんな動きなんだろうな……。とか、考えてました。
やっぱここ考えるとさらに磯辺アゲさんが臨終のテーマに対しても全力で殴りに行ったんだな……。虎落ブエと磯辺アゲはライバル関係なのだな……。
おわり
たくさん書いたけどサブスクでも公開された臨終、MVと併せて延々と聴いていきたいですね。
⚠ここからアゲブエの話をしています。
アゲブエに関してはもう二人だけを入れたリストを作って眺めてればいいと思うんですけどね。2018~2019のアゲブエとか凄まじいですからね。これは引用すると該当ツイを消される可能性があるので気になる人は頑張って探してください。
ブエさん側からの話をするならば、臨終自体は独立した虎落ブエさんの曲なんですが、AnthraxのSafe Homeは磯辺アゲさんに宛てたカバーなんじゃねえかなと思って聴いてます。
ファンに向けてってのもあるけど、アゲブエ解釈したいので許せ。
界隈とかファンに向けては『Wave and Tide』のがしっくりくる。
いいぞ。
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