【#81】ほぼ日刊オススメV音楽

情歌 - LUCAS 【Official Music Video】

　LUCASさんが『情歌』のMVを公開。作編曲は阿部直樹さん、mixはchammyさんが担当。
　LUCASさん2つ目のオリジナル曲。中華っぽいアレンジや服装が印象的です。「恋」がテーマですが、「あたりまえの恋」以外で生まれる心惹かれる想いを「僕の恋」と定義して歌っている点が非常に楽しいですね。この男女の恋愛との対比ではなく、同じ点を上げていくことこれは「僕の恋」なんだと証明していく過程が美しいです。「好きなものだけ集めて大人になる」「気づけば古き恋が囲っている」なんてハッとさせられるフレーズです。
ぜひ。

ヰ世界情緒 #06 「いろはに咲きて」【オリジナルMV】

　ヰ世界情緒さんが『いろはに咲きて』を公開。作詞作編曲はsamayuzameさん、映像はぬヴェントスさんが担当されています。
　独特のエッジのかかり方、対してパッパッパなどの破裂音の澄んだ音、ブレスのバランス、すごい……。
　歌詞これ全て読み解くのは結構な難儀でしょうが色との調和が素晴らしいです。最初の真っ赤もそうですし、次の『葉っぱで爪を隠す』というのもおそらく牡丹の花を活ける時に出てくる爪隠しから来てるのではないかと思うのでここにも赤が。それに対するような白の表現も「張子の虎」が空虚、薄荷の花も白に青紫を１滴垂らしたような色ですし。そう、白赤黒に目が行きますが、この青紫の色のさりげない混ぜ方が歌詞と映像共に凄まじいです。探してみるとあちこちにあるので、ぜひ探してみてください。
　

おわりに

　いやこういうこともあります。素敵な出会いってやつです。

　LUCASさんぜひ1stの『創造』を聴いてからもう１回聴いてほしいです。ここから『情歌』がくるのすごく振れ幅がありますよね。中でも１番振れてるのは歌詞の温度感でしょうかね。空っぽ、無意味で満たされたという歌だった１曲目から恋の歌ですからすごいもんです。共通点を探してみるとどちらも一人称視点であることでしょうか。LUCASさんの歌詞の面白いところは『創造』や『恋』などテーマとしては普遍的なのに見えかた・見かたが違うので通俗的な『創造』や『恋』とは違うモノが歌の中に現れることにあると思います。『創造』『恋』ときて次にはいったい何が来るのか。非常に楽しみですね！！

　ヰ世界情緒さんのモデルすごすぎる……。美人と可愛いを併せて持ってるのはそうなんですけど元のイラストのテイストをそのまま持ってきていて、記号的なキャラクター感が全くないのスゴイですよね。歌詞中に出てきた薄荷の花の形はまさしくヰ世界情緒さんの唇の形にそっくりなんですが、MVの前半と後半でバックに来る色が白から赤に変ったことによって唇の印象が変わっている点なんかもほんとに素敵ですので注目です。リップシンクはもちろんアゴまで細かく動いているので特に横からカメラを映した時の表情の変化が大きくなっています。全然違いますね。力強く歌う時のヰ世界情緒さんの上半身の使い方も見て取れるあたりもパフォーマンスを最大限魅せる気合を感じます。そして、タイポグラフィ。どうしてこれだけ細い時をくっきりと見せられるのか。しかも後ろに白線がきて被ってるのに……。繊細だけど大胆。カメラの魅せ方でスゴイなと持ったのはヰ世界情緒さんが通り過ぎるシーン。まったくピント合ってないカット。しかも２回も通り過ぎる。Twitterでの予告としては分かるんですが、楽曲中で使ってくるのスゴイですよね。ここで青の色がくっきり前にでてくるので、それまでメロは白バック、サビは赤バックの法則が淀んでCメロの黒が入ってラスサビへの期待感が煽られてるんですよね。ぬヴェントスさん恐るべし。綺麗。

　ハチャメチャ長くなりましたが今回はここまで。それではまた次回。