MVコロンブスについての私見

先日から世を騒がせているMrs.GREEN APPLEのMVコロンブス炎上、削除騒動について語ってみます。
白人によるネイティブ・アメリカンへの差別を想起させるといった文脈ですごい燃えてるんですが、本来の狙いは別のところにあるのではないかと思っております。

私の結論ですが、このMVは風刺と自虐とエンパワメントの歌だと思いました。

●風刺されるもの
これは外来から入ってきて世を席巻するような文化達だと思います。
まず、外来文化の象徴としてコロンブス。
それから
・コカコーラ ・テレビ ・シェークスピア(ハムレットかな?) ・西洋音楽理論(ベートーヴェン) ・エレキギター ・戦争(ナポレオン)
確かにコカコーラは世界中で飲まれていると思いますが、依頼側を風刺するのは気合入ってますね。
また、時事ネタとして
・風力発電 ・LUUP
も出てきますね。
どちらもいいことばかりではなく、問題点が取り沙汰されています。

●猿は何者なのか
もちろんネイティブ・アメリカンですが、同時に日本人でもあります。
人力車を引いているのが何よりの証拠ですし、小さな島に住んでいますよね。

●じゃあ、一体全体どんなストーリーなのか
小さな島国に住んでいる日本人。
ある日裏口からこっそりと外来人が入り込んできて、日本人に自分たちの文化を教えます。
外来文化に夢中になった日本人達は、彼らと一緒に馬鹿騒ぎをした後、疲れて眠ってしまいます。
外来人達はその様子を一瞥し、日本人達に布団もかけず、後片付けも一切せずにこっそりその場を去ってしまうのでした。
おしまい。

●じゃあなんでミセス側が白人なの?猿をやればしっくりくるのでは?
Mrs.GREEN APPLEも西洋音楽理論を使って作曲を行い、西洋の楽器を演奏するミュージシャンです。そんな自分達の生業を、外来人の振る舞いと重ね合わせ、ある意味自虐・自嘲したのではないでしょうか。

●映像はわかったけど、歌詞は?
ざっくりですが、私なりに訳してみます。

いろいろな文化や発明が行われてきた歴史がありました。私たちは今日もそんな文化や発明の象徴のコカ・コーラを飲んで、日常を過ごしています。
文化や発明が広がる中で、お互いに傷つけ合ったり、つらくて悲しいことは今日も絶えません。
私達が違わなければならないというのは、多様性の呪いのようなもので、自分に対して卑屈になったりすることもありますが、本当は自分達(の文化)を愛したいと思っています。
いつか自分も死ぬ時が来ますが、その時までちょっとした遊びに興じたり、人と繋がり合ったりして、あなたと日常を過していきたいです。
人(あなた)を知ることは探検のようなものです。オーロラのような未知の絶景に辿り着くように、人生は進んで出会いと別れを繰り返します。
そんな繰り返しを通じて、宝物を探していきましょう。
おわり。

●つまり?
いろんなつらい歴史やしんどい日常があるけど、それを受け入れて、多様性のあるみんなでいい感じにやっていって、宝物みつけようぜ!
という内容です。

ネイティブ・アメリカンに対してもエンパワメントする内容なのですが、映像のつらい部分がクローズアップされ、めちゃめちゃに燃えてしまいましたね。
戦争を批判するためにあえて戦争を描いたり、差別を批判するためにあえて差別を描く事って、結構あると思うんですが、どうしてこれだけすごい勢いで叩かれたんですかね。
SNSこそ風刺されるべき文化だと僕は思います。
以上です。
皆さんは布団かけて暖かくして寝て、風邪ひかないようにしてください。
ありがとうございました。

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