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先日の稲山正弘氏の記念展でのデザインに興味をもったので、実際に実用に資されている場所を見てみたいと。

池上線の戸越銀座駅に見学に行った。

国産材の集成材集成材で、構造がすなわち意匠になってるようにおもったからだ。集成材なのは、集成材のほうが強度的なばらつきがないからだろうか?

戸越銀座というロゴもおしゃれで、ここには有名なアーケード街があり、人と人の距離が近い、都内にあってなにか人情味のスパイスが加わったような街に、この木造むき出しは似合う。鉄骨の素材だと、存在が超然としすぎる感をもってしまう。

記念展でも、写真があった。やはり、実物をみると、どんな街なのか、そしてどんな街でありつづけたいのか?よく理解できる。

記念展にあった(創意と工夫)という写真集に、表参道でみた、カラメンアーチが載っているので、暫く考えてみた。

露天で無処理の木材を使うのは、雨水などが滞留すると腐りやすいが、荷重を逃がすため、水平の場所がないので、滞留しづらく、腐朽確率は下がると思うのだが。


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集成材が使われていることで、杉山英雄氏の言葉を思い出しおさらいしてみた。

以下、杉山英雄氏のご意見


集成材の接着剤の耐久性で、酢酸ビニルよりはユリア樹脂、ユリア樹脂よりフェノール、フェノールよりレゾルシノールが優れているというのが通説。

じゃあレゾルシノールを使うべきか?というと、工学的見方によると、この論理展開には素直に承服しがたい。

(耐久性というが、水湿、温冷、熱、光等のすべての影響因子を考慮し、その総合的組み合わせの結果なのか?)

と、杉山氏は問いを立てておられる。

”先日の、防腐の問題と同様、本来は使用条件を考慮して接着剤を自然環境に放置して得られたものが真正解だ。

こういう泥臭い研究は研究とみなされず、実験室で高価な装置を使い疑似実験をしてる方が本物の研究のように思われがち・・”とものすごく率直な意見を述べておられる。

こういう姿勢こそ、生前一度もお会いしたこともないけれど、研究者として大いに尊敬できる方だったなあと、30余年経過しても未だ残念でならない。




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