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茅ヶ崎館

小津の映画の”東京物語”をビデオで見た時に、何か自分の感情に引っかかった。感情を分析するのも詮無いことだが、映画の舞台となった(いや、物語の始まりの舞台)尾道に、何度も通い、小津の映画の解説本を何冊も読んでみた。知識だけが、やけにたまるし、解説も、所詮各筆者の個人的感想と思った。感情に引っかかったものを、”知識”で納得。これは次元が違うと思い、小津と野田が脚本を書くため籠ったというエピソードのある茅ヶ崎館に2~3度泊まってみた。(ほぼ当時のままであるという)
なにか琴線に触れるものを感じられるかもしれないと。創作に与える、居住空間・周囲の環境もあるかもしれないと。

小津と野田の籠った部屋は2号と聞いた。自分は1号に。遊びで、ローアングルで撮影したもの

普通は、こんな写真だろう?

ロウアングルにすると、人物やら、一つ一つの物の存在感がまし、人の動き、表情の動きが、読み取り易く思った。(セリフがなくても)

花の色が主人公
小津のころはここから海が見えたと聞く
”パリ・テキサス”の監督ヴィム・ベンダースも小津の作品に影響を受けたそうだ。
”非情城市”のホウ・シャオ・シェン、”万引き家族”の是枝裕和もしかり。
ドイツ人に、この小津の感覚がわかるのだろうか?と思ったが、
ドイツ映画”トニ・エルドマン”似てたら、現代日本人より現代ドイツ人の方が
理解されやすいのではと思った。
生活の質を頭の片隅に置きながら、静かに見てる方が、この映画への理解は
し易いのでは?と思った。


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