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Spinning Mill

本島の西端、サンドネス(Sandness)という集落に紡績工場がある。私はサンドネスの先のハクスター(Huxter)にある古い水車小屋跡を訪れたあと、この紡績工場に立ち寄った。

"Visitor Welcome" と看板には書かれていたが、それは夏季のことらしく、私が立ち寄った冬季にショップは営業していなかった。私は工場のマネージャーにお願いして、中を見学させてもらった。
しばらくすると、男性の従業員が「こっちに来なよ!僕が解説してあげるよ!」と私に声をかけた。
「どうだい?こんな風に毛糸は作られて行くんだよ。すごいだろう!」彼は大きな機械の前で、羊毛から糸にする工程を説明してくれた。彼の得意げな紹介は何だかとてもユーモラスで、私を楽しい気分にさせた。
様々な機械はそれぞれの稼働音が入り混じり、工場の壁に床に天井にと響きゴウンゴウンうねりを立てていた。
生まれたての糸たちは、整列された数百はあろう大きなシャトルに美しく巻かれていく。シャンシャンシャンと巻かれるその音は幾重にも合わさって、まるで大合唱のようだった。