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幸せにはやっぱりお金💸必要だ!となる映画② 兄「運び屋」🚚

「感動したい」「ドキドキしたい」といったシンプルな感情やカタルシスを抱くよりも、もっとリアルな気持ちになれる映画を紹介していきます。
ここでは、兄の友人でちょっぴり映画好きな私が兄弟の映画紹介の解説をしていきます。

今回のテーマは“幸せにはやっぱりお金がとなる映画紹介by接客業”。
兄のセレクトは『運び屋』。2018年公開のアメリカ映画でクリント・イーストウッド監督・主演。ユリ栽培という仕事に人生を捧げていたアール。インターネット時代に負けて自慢のユリ農園も差し押さえられ、荷物を運ぶ運転手の仕事に就く。その仕事は、実はメキシコの麻薬カルテルの運び屋だった。自分がドラッグを運んでいると気付いてからも、アールは運び屋を続ける。やがてカルテル一の運び屋となり、界隈ではタタという呼び名で重宝される。アールは大金を稼ぎながら、壊れていた家族との関係を徐々に取り戻していく…。というお話。

人間の信頼関係は結局のところお金が大事なんだ
兄「お金は簡単に人を幸せにしてくれる。多額の報酬があったからこそ、人生をやり直せた。」
アールは仕事一筋で一人娘の結婚式にも出席しなかったほど。当然ながら家族との関係性は悪く、娘は12年半も口を聞いてくれない。運び屋をして得た大金で孫娘のジニーの卒業に一役買ったりして、徐々に関係性改善の糸口を見出していく。
兄は、アールがお金を得たからこそ、家族と向き合うことができたと言う。
お金がなければ向き合う土俵にすら立てないという意味だ。
今の世の中、貧乏でも小さな幸せを見つけることが大切だよねと言う価値観が蔓延している世の中だが、お金がある方がイージーで有利という主張は竹を割ったような清々しさすら感じる。

老後こそお金がある方が幸せ?
弟「自分の親と仲良く幸せに暮らすためには、老後こそお金があった方が円満な関係を築けそう。」
若いうちに稼いで、老後は慎ましく生きるのが理想、というのが理想だと私たちは教えられてきた。
だがしかし、老後となり、一人娘だけが働いていて生活していく状況というのはなんだが辛いだろうという話も。
まだ若い私たちは、健康な体を持ち、自由に職業を選択ができ、楽しい余暇を過ごすこともできる。老後になって年金のみで暮らすとなった場合(※放送内で兄弟が話しているが、アメリカにも年金制度はある。)、簡単に友達と会ったり、どこかへ旅行するというのも簡単ではないはずだ。
そう考えると老後こそお金が大事なのでは?という考えに至るのは頷ける。
私たちは段々と迫ってきている親の介護や自身の老後のことを真剣に考える時間を、スケボーをやるのに置き換えて、無意識の内に見ないようにしているのかもしれない。(考えすぎ?)

余談
『運び屋』を面白くしているのは、間違いなくクリント・イーストウッドだ。
イーストウッド演じるアールは退役軍人でもあり、ギャング達の脅しにも簡単に屈しない、というかどこ吹く風という感じだ。大量のドラッグを運びながら悠長に歌を歌う。
この自由なのになんとなく説得力があるキャラクターは、90まで映画制作という戦いを続けてきたイーストウッドだからこそ作れるキャラクターであろう。
放送内で「90なのに働いているのって…」と兄弟が話していたが、何故かアールからは働く苦しさを感じない。運び屋という緊迫感のある仕事を、旅するロードムービーに仕上げた演出はさすがである。
しかし、イーストウッドは今年で93歳。この年になるまでほぼ毎年映画を製作しているのは恐ろしいばかり。新作が出るたびにファンを「もうこれで最後かもしれない…」を思わせておいて、裏切ってくれるが今後もその裏切りを楽しみにしたい。

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