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自民党二階俊博元幹事長引退表明

自民党二階派(志帥会)の会長を務める二階俊博・元幹事長が25日、党本部で記者会見を開いて、次の衆院選に立候補しない考えを表明した。二階俊博氏と言えば、安倍第二次政権で長いこと幹事長の職を務めたこともある自民党最大の実力者でもあり、また中国に最も近い親中・媚中の議員であり、功罪も大きく分かれる政治家といえよう。

選挙区は和歌山3区であり(今後は2区と合区して和歌山2区となる)、日本の政治を大きく中国に傾ける危険な政治家でもあったため、令和3年(2021年)10月31日第49回衆議院総選挙で私は当時新党くにもり代表として二階俊博氏の選挙区で立候補をし、その前後から和歌山で二階俊博氏の政治的な影響力などをつぶさに見てきた。

中央政界でも大きな影響力を持っている二階俊博氏であるが、地元和歌山においては和歌山3区どころか和歌山の政治そのものを支配下に置いていると言っても大げさではない。よく二階俊博氏に対抗する政治家として和歌山選出の参議院議員の世耕弘成氏が取り上げられるが、結局二階俊博氏に伍し得なかった。二階氏が途中自民党から離党して、いくらでも和歌山3区での衆議院への鞍替えが期待されていたにも拘らず、最後まで対抗することができなかった。

令和4年の和歌山県知事選挙においては、世耕氏が担ぎ上げた自民党候補を二階氏によって靴替えされ、政権与党でありながら自民党が立候補者を出さず、国民民主党の岸本周平氏(現和歌山県知事)を推薦するという矛盾に満ちた方針に従うことになったことについても、二階俊博氏の横暴を批判する声よりも、世耕弘成氏の弱さに落胆する声の方が大きかった。

また、この和歌山県知事選挙の時には、二階俊博氏死亡説が県内自民党内を駆け巡り、それが世耕後援会から流れていたということもあって、「二階さんが年をとっても頑張っているのに、二階さんの死亡説を流すとは不謹慎だ。」と地元での世耕氏に対する期待感はしぼみ、寧ろ失望感が漂っていたことを覚えている。

この頃から世耕弘成氏の衆議院転出は急速にしぼんでいった感があったが、今回の裏金問題における世耕氏の説明のまずさがトドメを刺したような気がする。今回の二階氏の引退表明は自民党からの非公認・離党などの責任追求をかわすためということもあろうが、警戒していた世耕氏の衆議院転出の目が消えたこともあろう。

これまでは自民党内における和歌山県の二階氏の政治的な影響力を述べて来たが、和歌山にいると二階氏は超党派で政治を押さえていることがよく分かる。例えば、和歌山県知事選挙を見ても分かるとおり二階氏は国民民主党とも近く、今の岸本周平知事は二階氏が誕生させたようなものだ。

また維新や立憲民主党にも影響力を行使できるのか、今や二階俊博氏の選挙区では共産党以外絶対に他党は立候補者を出さない状況が続いている。それこそ、共産党も出なかったら無選挙になってしまうため、寧ろ共産党に頼んで立候補者を出してもらっているのではないのかとすら疑ってしまう。

二階氏の後はどうなるのかということが囁かれているが、高齢でありながらも自民党和歌山県連会長を今でも続けていること、和歌山県知事を押さえていること(市町村長については言わずもがなである)、和歌山選挙区参議院議員の鶴保陽介氏を衆議院1区に転出させる布石を打っていることを見れば、後継と噂されている二階氏の長男、三男を、衆議議員和歌山2区、和歌山選挙区参議院議員双方に出すダブル選挙というのも想定内に入っているのではないかということも考えらえる。

次の和歌山は新二階王国、もといシン二階王国という将来像を二階俊博氏が布石を打っているとしたならば、和歌山県民はそのまま二階俊博の継承を易々と受け入れるのか。本当にこれが民主主義なのですかと問いたい。


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