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JISQ9100のお話(20回)

7.2 力量
力量とは、ある仕事をする上で必要な能力、経験、知識などから成り立っているかもしれません。電子制御装置設計・開発の力量と言えば、”トランジスタ、IC、LSI、マイコンの回路設計ができ、且つプログラミンが出来”のようになるかもしれません。それが最高峰だとすれば、そこまでの過程に訓練中の人が居て、どこまで任せられるかのレベルがあると思います。各プロセスの業務に於いて、必要な力量を明確にすることが求められます。規格は”品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性に影響する業務”と限定していますが、全てのプロセスに適用するのが良いと思います。
プロセスが適切に運用されるためには十分な力量を備えている要員が必要です。もし、力量を満たさない人が居るとしたら、力量を身につけるための教育・訓練等の処置を実施し、その後、力量が備わったかの検証を行います。検証の具体的な手順は規格に書かれていないので、組織に寄って手順が異なっても構いません。修了試験を行っても良いと思いますし、上長の判断でも良いかもしれません。いずれにしても力量が担保されたことを示す証拠(記録)を残すことが求められます。力量は一度担保されても維持されているとは限らないので、定期的に力量の再確認を行います。
教育・訓練の他にも、配置転換、ヘッドハンティングをすることもあるかもしれません。
一般的に各プロセスで「スキルマップ」を作成し、それに基づいて「教育・訓練計画」を立てて、スキル向上を目指すことが多いようです。
自動車学校では学科、実技の時間数と教育内容が決まっていて、ステップを修了するとテストをして次のステップに移りますが、そのイメージで手順を作成すると良いと思います。明確な基準があった方が指導する側もされる側も対応しやすいのではないかと思います。

7.3 認識
組織で働く要員ならだれもが知っていて、そのことが行動に現れることを求めています。
会社の経営方針、品質方針、品質目標などは要員に理解してもらい、そのような行動をしてもらう必要があります。そのように行動することで、自らが貢献して組織の経営が良くなっていくことを理解してもらうことが大切です。
もし、品質マネジメントシステム要求事項に違反した場合、例えば最近耳にする、検査の不正等、どのような状態が予想されるのかについても認識させておく必要があります。社会的に信用が失墜するのは勿論、損害賠償を求められることもあるかもしれません。
品質マネジメントシステムに関する手順等の変更の情報、製品品質にどのように貢献しているか、製品品質だけでなく製品安全に対する自らの貢献、倫理的行動(検査の不正などこれで防げるかもしれません)の重要性についても認識させておく必要があります。

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