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JISQ9100のお話(13回)

前回までで5章までの規格要求事項の説明をしてきました。今回は認証取得プロジェクトチームの活動について述べたいと思います。

管理責任者とプロジェクトチーム

管理責任者を任命しましょう。5.3章でも説明したように、管理責任者は他の部門の責任者と兼任でも良いですが、全ての責任とは別に管理責任者としての責任・権限を持ちます。一人二役なので、その間で葛藤することがあるかもしてません。経営者と対等とはいかなくても、経営者にアクセス可能な人を任命します。
プロジェクトチームは各部門(プロセス)から各プロセスに精通している代表者を集めます。

プロジェクトチームの活動

先ず、スケジュールを作成しましょう。いつまでに認証取得するかを決め、そこから遡ってスケジュールを作成すると良いでしょう。
ISOマネジメントシステムは運用した実績を審査するので最低でも数カ月の運用実績と内部監査、マネジメントレビューなど全ての要求されているイベントが完了していることが求められます。
活動期間は早くて1年、長くても2年以内に終わらせるのが良いと思います。
スケジュールの進捗管理を行い、計画通り進むよう、問題があれば改善していく必要があります。

次に現状分析を行います。
表を作成して、左側に”規格要求事項”、その横に”現状”、更にその横に”適合への対応”などの欄を設けて、規格要求事項と現状のGAP分析を行います。
JISQ9001を認証取得済みの組織がJISQ9100を認証する場合は、今までの経験の上に、追加された要求事項に対応すればよいので、比較的容易かもしれませんが、そうでない場合は、コンサルタントの手を借りるのが効率的かもしれません。

ギャップ分析が終わったら、いよいよ品質マニュアル(QM)を作成します。GAP分析と並行してQMを作成しても良いと思います。

「QM」から外部の「規定」などを参照するときは、「****規定」のように「」で括ると見やすくなります。

文章はできるだけ簡潔で分かり易く、5W1Hを明確に記述します。
図解などを多用すると分かり易くなると思います。
文書化の要求事項は少なくなっていますが、ある程度文書化しておかないと基準があいまいになり、PDCAがきちんと回らなくなります。

認証取得プロジェクトのスケジュールの例(月数は任意です)

                1月 2月 3月 …… 10月 11月 12月
プロジェクトのキックオフ    →
GAP分析             →→→→..…
QMの作成              →→→..…
内部監査                   〇
マネジメントレビュー               〇
第一段階審査                       〇
第一段階審査への対応                    →
第二段階審査                         〇
第二段回審査への対応                      →
認証取得                             〇

次回から6章のお話にしたいと思います。何か質問があればコメント欄にお願いいたします。


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