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JISQ9100のお話(11回)

5.3  組織の役割、責任及び権限
組織全体の統一した目標を実現するためには組織全体が一致団結して活動する必要があります。その為に、4章では戦略を立て、必要なプロセスとプロセスの関係性について設計してきました。ここではその設計図に命を吹き込みます。各プロセスのプロセスオーナーを定め、職務範囲を明確にしていきます。時計の歯車のように、どの歯車が欠けても会社は機能しません。大きな歯車から小さな歯車まで、緻密に作り上げていきましょう。
品質マネジメントシステムで大切なことは上下左右への円滑なコミュニケーションです。コミュニケーションがうまくいけば組織全体が円滑に動くことでしょう。責任権限を定めたから、それは私の仕事ではないというような縦割り社会を作り出すようではいけません。そして、給与はお客様から頂いていることを忘れてはいけません。顧客重視の思想を十分に取り入れてください。
その様な事を意識して組織図を作成します。すでに品質マネジメントシステム体系図を作成したときに組織図もできているかもしれませんが。
組織図は時代の流れ、顧客のニーズ、生産品目の変化など様々要因で変更されていきますが、一つの歯車が欠けても時計が動かないように、齟齬があってはいけません。大きな変更があるときはマネジメントレビューで計画し、内部監査で検証するような仕組みが必要かもしれません。

JISQ9100では追加の要求事項があります。
JISQ9001では要求が無くなった管理責任者の任命です。管理責任者は品質マネジメントシステムの確立、維持していく責任権限を持ちます。他の役職者と兼任も可能ですが、管理責任者として独立して判断することを求められます。
また経営者に進言できる立場にいることも求められます。
管理責任者の責任、権限として、社外の品質マネジメントシステムに関わるコミュニケーションが含まれます。規制当局や審査機関がそれにあたります。管理責任者は一人である必要はありません。大きな組織では工場単位で管理責任者を立てることも可能です。

JIS9100では注記であっても品質マニュアルに取り込んでおくことが求められるようです。これが審査員によるものなにかは分かりませんが、今までの経験から、規格に記載があるものは全て記述した方が無難です。

次回は5章のサンプルを掲載したいと思います。


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