Heather (2020) - Conan Gray で仮定法過去を学ぼう!
Conan Gray というアーティスト
私も Conan Gray についてよく知っているわけではありませんが……。
彼は日本人のお母さんを持つ日米ハーフです。
彼の個人 YouTube チャンネルには幼い頃の超かわいい動画や, 彼の生い立ちについてイラストとともに語っている動画もあります。
私は, Heather (2020) が彼との出会いだと思っていたのですが……。
もともと好きだった Cavetown というアーティストが, 彼の I Know A Place (2017) という歌をカバーしていました。
曲のテーマ
「自分はあなたを好きで, でもあなたは Heather(女子の名)を好きで」「自分の好きなあなたを魅了するあの子, Heather になれたら……」という嫉妬してしまうような気持ちを歌ったこの曲は, スラングにもなっているようです!
初めはてっきり, Heather という名前にそういう意味があって, そこからヒントを得てこの曲が作られたのかと思っていました。
本人による解説, アレンジで歌っている場面も美しいので是非見てみてください。
和訳・文法の解説
look better than~: ~よりももっと似合う(比較表現・比較級)
only if ~: ~に限って(仮定法過去)
as S V: SがVするときに
Only if と If only は, よく区別するように言われますね。
以下, The Britannica Dictionary より抜粋。
If only は, 「ただ~でさえあればいいのにな」という願望や願いを表すのに対し, Only if は, 「~に限って」という単なる条件を表すのですね。
Only if が使われている歌詞と言えば……。
とすると, 3行目は「僕がどれだけ君を好きか, 君が知っている場合に限って」ということになりますが……。ここでは, If only の意味でとって問題ないのではないかと思います。
what a 名詞: なんて名詞だろう(感嘆文)
brighter than ~: ~よりも輝かしい(比較表現・比較級)
get 人 ~: 人を~の状態にする(SVOC)
sore ってヒリヒリ系の痛みを表す単語として習いますよね。
ここでもおそらくヒリヒリ系のイメージなのではないかと思うのですが, 「長時間歩いて足が疲れた」や「のどが痛い」のようなときにも sore legs, sore throat とかって言うので結構幅広く使える単語だなと思っています。
half as ~: 半分~(比較表現・原級)
give 人 もの: 人にものを与える(SVOO)
like better: より好き(比較表現・比較級)
wish S V過去: SがVだったらなあ(仮定法過去)
2行目, "I'm not even half as pretty" は後ろに "as her" が隠れているとみて解釈しました。
最後の行, "( I ) wish I were Heather" がとても心に響くんですよね。
「僕がヘザーである」というのはあり得ないので仮定法過去の were を使っています。
with 目的格 ~ing: ~している状態で(付帯状況のwith)
be ~ing: ~している(現在進行形)
wish S V過去: SがVだったらなあ(仮定法過去)
3行目の could も, 「彼女を嫌いになる」ことはでき得ないという仮定法過去としてみることができますね。
そして4行目の were, サビと同じく「彼女が死んでいる」というのはあり得ないので仮定法過去の were をつかっているのですね。
感想
自分の好きな人が好きなのは, 自分よりも何倍も可愛くて優しくて素敵な人で。彼女みたいになりたいなって思うけれどまったく敵わなくて。彼女が素敵であればあるほど, 「死んでくれれば」なんて思う自分が醜く見えて……。
当時の自分はこんな恋はしていませんでしたが, なぜだかすごく共感できて。この曲こそ真の意味でジェンダーフリーなのではないかなと思っています。