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2025年1月 第2週

1月6日
ついに本当に仕事始めの日が来た。
正確には4日には始まっていたのだが、私の本業ホステスは世間と足並みを揃えてのスタートである。
前日にAppleTV「パチンコ」を見続けてしまい、パン屋チャレンジは失敗に終わった。
昼過ぎに今年初の韓国語の授業を受けて今年の勉強の目標をなんとなく決める…始めたばかりのテキストを早々に終わらせて、夏にTOPIK(韓国語能力試験)に挑むのが良さそうだ。
その後は人生初のマツエクに挑戦するためいつもお世話になっているサロンへ行った。
妹が通っているまつげサロンと同じ所へ通っているのだが、まつげパーマをしていた妹が先々月からマツエクに切り替えたので私も同じようにしようと予約した。
まんまとサロンのお姉さんに見破られており「妹のカルテ出しておいたからね」と言われる。
目の形が似ているので妹のカルテに習えば簡単に私に合うスタイルが決まるのだ。
初めてのマツエクの後、お店へ早めに行きのそのそと着物に着替えて髪をセットし出勤した。
休み明けの気が重い1日だったが、仏のようなママのお客様にいただくタクシー代が少しだけ私の心も懐もあたたかくしてくれた。

サーファーの黒服が種子島のお土産でくれた。
安永餅と八ツ橋のハイブリッドお餅


1月7日
無病息災の日。
AppleTV「パチンコ」を見ていたら朝5時を過ぎていた。
寝ようにもまだ見ている途中なので気になって仕方がなく、色々思いを巡らせる。
私の亡き祖父は戦後名古屋の駅裏と呼ばれる戦争孤児の多いスラムのような場所で育ち在日朝鮮人と一緒にパチンコ屋を経営していた時期がある。(後にお金を持ち逃げされたりだとか本当にドラマのような持ちネタが多い人だった)
他にも在日朝鮮人との繋がりがあったり…今のように韓流の存在が当たり前になる前 潜在的に差別感情を持つ人が多い世代であるはずの祖父や祖母は絶対に韓国に対して悪く言わなかった。
私が韓国語を学びだした頃や旅行に行く時も周りは韓国語なんて、と言う人が多くいる中で祖父と祖母だけは孫がめずらしく打ち込む「勉強」という面以外でなにか温かい気持ちを持ってくれていた。
色々考えていたら祖父と祖母に会いたくなって昔の写真や 2人の声が入った動画を見ていて寝付いたのは6時過ぎだった。
昼頃起きて茶道教室へ行く。
毎回手順を忘れヒヤヒヤしながらお稽古に挑むが、今回はやりながら手順が体に染み付く感覚があった。
終わった後は仕事。多少問題児気味のお客様にホステス以前に人間として蔑ろにされメンタルがやられる。
誰かに大事に思われたいし、大切に扱われたい…
焦ってお店に呼ぼうとせず、人として好きだと思える人に対して 私はあなたに好感を持ってますよと暗に伝え続けることが大事だと思う。
時刻はもう4時。今日も中々眠れなさそうだ。

お稽古メンバーが持ってきてくれた辻占(つじうら)とやら。
私は「せいては事をし損ずる」とても当てはまると思う。


1月8日
AppleTV「パチンコ」を全て見た。
なんとまあ…私はてっきり完結しているのだと思っていたら違っていた。続きが気になって仕方ない。
ネタバレにはならないと思うが、私は死臭のする登場人物に惹かれる気があり全体的に死臭のただよった作品はもっと好きだ。ノアはそんな感じがした。
なんとなくハンスにもそんな気を感じる。
何よりソンジャ役のキム・ミンハ氏の持つオーラの凄まじさたるや、モトーラ世理奈の雰囲気と似ていると思ったら雑誌で一緒になっている記事もあった。
作品のなんとなく常にずっしり重い空気とは裏腹にはじけたOPが好きで結構しっかり見てしまう。早くシーズン3が来ないかな。
ところで昼頃起きて矯正歯科に行き、新たにインビザのスキャンをしてもらった。
矯正を始めてもうすぐ2年になろうとしている…元々そこまで歯並びは悪くないが、私のこだわりとマウスピース矯正特有のむずかしさがありあと1歩のところでかなり時間がかかっている。
仕事は相変わらずの気乗らなさ、上手くいかなさだった。
あんまり良くないと思うが特に自分を支えてくれる、素のまま接せられるお客様へ軽く相談すると大体のことを悟ってあたたかい言葉をくれる。
悟ってくれるからといって別に店にきてくれるわけではないのだが 今は店に来る・来ないや自分の成績以前にただ自分のことを想ってくれる存在があるだけでありがたい。
この人たちのためにも頑張りたい気持ちは常にある。もらった言葉たちを忘れずに焦らないように気をつけなければ。
自暴自棄になって仕事後は飲みたい気分だったが約束した相手が恐らく寝落ちしていたので諦めて帰宅した。
人に大切にされたい〜シーズン2〜すぎる。


1月9日
なんだか本当に気分が落ちてしまっている。
昼頃起きてすぐにパーソナルジムの体験へ行った。ただの無料体験なのに最初から住所、名前、身長体重に目標になりたいイメージに…色々情報を開示するのが苦手すぎてちょっとしんどくなった。
筋トレを2種目させてもらったが体験とはいえあまりにも内容が簡素すぎて、家でもできるじゃんというのが素直な感想。
いや、家で1人で自分を律することができないから外で誰かに律してもらおうとしているのだが
「で、どうですかね?よければこのまま契約に移らせていただきますが…」
私も営業の端くれみたいな仕事をしているのでなんだかひっかかる物があって他のジムも見るからと適当に嘘をついたら、まんまとやれどこのジムだどうするかいつ決まるんだGoogleマップの口コミを書いてくれと 無料で時間を使ってもらった少しの罪悪感からまともに取り合ってしまう自分に疲れる。
外も家もあまりに寒すぎて、夕方前にお風呂をいれてしまった。
せっかく温かくなった体もお風呂を出ると一瞬で冷える寒さ。この後寝るのではなく仕事に行くのだと思うと心まで冷える。
精神的なものからなのか飲んだワインのせいなのか、途中から頭痛がして少し辛かった。
上手くできないもどかしさ 自分が必要とされていない状況 生活への焦り
いつもより早めに帰宅してNetflix「さよならのつづき」を6話まで見る。私にも雄介みたいな存在が欲しい。


1月10日
9:30のアラームで外を見たら雪が積もっていた。
パン屋は流石にゆっくり行っても大丈夫かと思い3度寝くらいして12時前に向かうと雪がとけたからか結構な列。
あまりたくさんの種類は買えなかった。
ここ数日朝起きるのがかなりつらい。寒さのせいかストレスかわからないけれど。
列に並びながらずっと解約しようと思っていたサブスクを2件解約する。
解約フォームが容易に見つからない上に更新14日前に申請せよというサイトの意地悪さたるや。
家に帰ってパンを食べながらNetflix「さよならのつづき」を最後まで見た。
なるほど最後はそうなるんだ。さえ子の健吾に対する「次は同じ人を好きにならないようにしようね」は一瞬ん?と思ったが結構腑に落ちた。
にしても結構スタイリストが秀逸だなと思う。
さえ子は最初からティファニーのTスマイルペンダントを常につけていたが、ハワイでの最後の晩 成瀬が謎にTの字だねと言ったり 空港でスマイルだよ と言ったり
さえ子が家の前で2度もコケたシーンで私はコケてしまったことよりもこんな砂利道でコケたらパークトートが汚れてしまう!とヒヤッとした。
時計もエルメスだし。
そういう目で見るのもまた楽しかった。
昼過ぎに税理士さんへ今現在可能な限りのデータを送る。後回しにしていたタスクが一旦自分の手元から離れ嬉しい。
余った残り時間で韓国語の宿題を少し進め、夕食に辛ラーメンとパンを食べて支度後出勤した。
最近、食べたいものがない。
パン屋に行ったが正直そこまで食べたいと思っていないのでいつもより買う量も控えめで、よくない考えだがただジャンクな味が食べたくなりがちだ。
嫌々な気持ちで夜出勤すると新しいスタッフが増えていた。今日からたまに出てくれるソムリエのお姉様だそう。
ソムリエというだけでかなり箔が付くし(塾に通って取るくらい大変な資格である)実際この日はワインがよく売れた。
私が自分にしか出来ないことってなんなのだろう。自分を選んでもらうためには、お金を使ってもらうには、格が高いと思ってもらうにはどうしたらいいのだろう…



1月11日
本業がハードになりがちな金曜だがロングスリーパーの私には翌日のクレープ屋出勤はさらにハードである。
いつもならつらい週末の早起きも1週間思い詰めたまま働いた自分には一種の開放感がある。
仕事前にちょっとだけシードル(りんごのお酒)を味見の名目でひっかけた。
年末年始の遊び疲れかはたまた成人の日を前にしてかまれに見ぬ暇さ。早めに仕事を切り上げて社長が作ってくれたまかないを食べて帰宅した。
今週末は楽しみにしていた予定が2つある。そのひとつが夜に待ち構えているのだ。
家に帰って大急ぎでまた出かける支度をする。トンボ返りで昼間も来ていた繁華街に向かう。
ホステスとして3ヶ月前まで働いていたお店でお世話になったお姉さんと待ち合わせてお茶をした。
ストレスが溜まっている女子の1時間はあっという間に過ぎ去る。愚痴から近況報告までひたすらマシンガントークを重ねて約束の時間。
お姉さんのお客様と合流して3人ですき焼きを食べた。
足を向けて寝られないくらいお世話になった方々にさらにお世話を重ねていただく貴重な時間…
人のあたたかな心に触れると自分の心が同じくらいあたたかくなれる気がする。
本来なら食事で解散の予定だったが、私からの希望もありお姉さんが今月から働き出した新しいお店へ一緒にお邪魔させて頂いた。
この店、それこそ前のお店のママが独立されたお店なのである。
私がお店を辞めたあとママときちんと顔を合わせるのは初めて。変わらぬオーラと安定感になんだか気がほぐれて今のお店の不安事などぽろりとこぼしてしまった。
帰り際の「気が変わったら連絡してちょうだい」というチャーミングなお言葉は私のお守りになった。
3人でお店を出てまたごはん。ラーメンを食べて、私はちゃっかりタクシーチケットをいただき安心安全に帰宅した。
店移りたくなるなあ。まだうちもオープンして2ヶ月しか経ってないけど。

お肉が歯に詰まりまくったお姉さんが食後お客様の目前で
フロスする現場はなかなか気心知れていて羨ましい関係性。
私はやらないけど…笑


1月12日
月一恒例の会の日。お客様とお昼すぎに1時間のお茶。
ただのお茶ではなくオール韓国語でお話する。
きっかけは以前働いていたお店だが、最初はあまりに無口でかなりやりづらいお客様であった。
苦肉の策で打ち出し続ける私の話の流れでお互い韓国語を勉強しているという事がわかり意気投合。
50代そこそこのおじさまのつたない韓国語はなんともかわいらしい。
たった4時間でかなり親しくなったのは記憶に新しいが、その後お客様がお店に来ることはなく来店の見込みがない方と店外で会うのはご法度に近いため たまの連絡のみにしていた。
私がお店を辞め担当のしがらみが無くなったことで始まった月一韓国語の会。
経営者でもあるおじさまに赤裸々にお金の話、お店の話などなど話す。オール韓国語で。
ホテルラウンジの片隅でよくあるおじさんと若い女のパパ活現場かと思いきや韓国語で会話していたらかなりカオスな絵面だろうなと自分で思う。
解散したあとぼーっと電車に乗ったらかなり乗り間違えた。微妙な時間になってしまったので地下街をふらふらしつつ次の約束の時間まで暇つぶし。
週末のおたのしみ最後のひとつ。本日2件目のお客様との食事会である。
お客様なのにこちらが気を使われているような いい人なのにとても難しいお客様だった。
お客様としては難しいが個人的にはその気使いが全面に出ている好青年感…好感を持たないわけがない。
ただ以前のお店に在籍中は、担当のお姉様の注文で私ではない女の子が隣に座るようになり、私はお席に付かせてもらうこともなくなり、連絡も基本無視。誕生日ギフトを送っても無視。
多分これNG出てるなと思ったが担当のお姉様に確認しても「何も言われてない。女の子に注文つけるタイプの人じゃないから気にしないで。」の一点張りなので可能性を探りつつ折々で必ず連絡はし続けた。
店も変わり連絡するのも諦めかけたタイミングで奇跡的に返事が来たのは12月頭。
恐らく店が変わって担当のしがらみがなくなり店外で会いやすいのをあちらは知っている。
こちらの出勤前に予定を立ててくれない辺りでお察しだ。
年末に食事の予定を立てたが体調不良でリスケになり念願の年明けお食事会となった。
会いたかったけど、嬉しいけど、あちらの反応が薄いと話すことないから無言になったらどうしようなんて本気で思っていたが
店外で会う好青年(店外する時点で好青年ではない)と思いのほか会話が弾んだ。
いい感じの焼肉屋さんでこれでもかとお肉をいただき夜カフェで締め。
お食事のあと普通にキスされたけど流されたらダメなことはダメホステスなりに理解している。この機会を上手く使わなければならない。
色恋ってやったことないんだよなあ〜
別に付き合ってもいいけど切れたらやだなあ〜
そういえば今日会ったお客様ふたり見事に下戸である。
下戸の方を来店に繋げるのは本当に難しい。なぜなら接待やご友人など他の方と予定を合わせてでしか来られない。
普段飲み屋などどうでもいいお客様は他の方と一緒にいてわざわざ行きたいお店を自ら志願しない。そしてひとりで来店する習慣もない。
仕事に公私を捧げるホステスとしては例え好感を持っている相手でも店には来ていただきたいのだが。
今後勉強することがひとつ増えた。

おいしい物を食べながら人と話す時間は実りがあって好きだ







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おたんこなす
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