見出し画像

ハンバーグの香り

私にとってハンバーグは学生時代からの友達と会う時にかなりの高確率で食べる青春と切っては切り離せない食べ物です。
カロリー高めの食べ物は、やっぱりカロリー使える仲間とでないと、成立しないのかもしれません。笑

中でも私が好きなのはトマトソースのハンバーグか和風のハンバーグです。がっつりとしたハンバーグとライスを食べながら、友人と近況報告をしあい、会っていなかった時間の出来事をパズルのようにはめていきます。
ふむふむとナイフでハンバーグに切り込み、口に運ぶと、ああ前回の話はこういう方向に進んだのね、良かった良かったと微笑んだり、この話は意外な展開になったのねと眉をひそめたりします。
「それで?」と続きを促しながら、ライスも口に入れ、友達の話をうなずきながら聞きます。私も同様に前回からの続きを話したり、新しいトピックを聞いてもらいます。
そうしてあっという間に時間は過ぎていきます。
時間ってホントに伸縮しますよね。笑

何を食べるかも人にとって大切な幸せの条件になりますが、誰と食べるかもまた大きく重要な条件となります。
どんなに高級なものだって、苦手な人と食べれば味なんて半減もいいとこです。笑
やっぱり美味しいものは大好きな人たちと一緒に食べたいですね。
美味しさも倍増する、この不思議。笑

学生時代からの長い年月を付き合ってきた人たちだからこそ、わかる言い回しや、セリフ、冗談があったりします。
笑うことも泣くことも怒ることも、うじうじすることも全部見せてきたからこそ、その時々の食事が本当に愛おしいものになります。

コロナや地震や災害などたくさんの危険を身に感じてきた私たち今を生きる人々はもう当たり前のことなんて何もなかったんだ、と気づいています。
ずっと続くと思っていた平穏な毎日なんていうのは、まぼろしもいいところで、次の会う約束をしたってもしかしたら会えない時がくるのかもしれないと思うようになりました。
コロナの自粛要請期間などは本当に全然会えなかったし、それ以後飲食店の営業の時間帯も変更があったり色々しました。

大人になってスケジュールを意識せなければ時間を作れない関係になって、学生時代の毎日約束しなくても会える環境というのがいかにラクチンだったかを思わずにはいられません。

鉄板の上でソースが音を鳴らします。
そして、ソースとハンバーグの香りが鼻をくすぐり、テーブルの上に広がります。
よおし、今日もたくさんしゃべるのだから栄養をちゃんと摂取しなくては。
私の頬は緩まります。
熱々のハンバーグを頬張る私はキングオブ楽しいの時間を堪能するのでした。

友達と食べるハンバーグはだから私にとっては特別なのです。

いいなと思ったら応援しよう!